シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0325■ウレシかったよ 

2007-09-25 | 最後のメッセージ
1週間前においらが死んだ1時44分。
アイツと連れ合いとアニキは、おいらのからだが埋まってるところをデッキから見下ろしてた。
それを上からおいらが見下ろしてたんだ。
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「ピッピ、楽しかった?このおうちに来て楽しかった?ママは楽しかったよ。いつも忙しくて、ダメダメママだったけど、ピッピとチャッチャがうちに来てくれて、ほんとうにうれしかった。もっといっぱい遊んであげられなくてゴメンね。いつもゴメンね、って言っててゴメンね。もっと時間がほしい。もっともっとピッピを大切にできるように。ママにもう一度時間をちょうだい。」

これもあの大騒ぎの日に、アイツがワーワー泣きながら言ってたことだ。
時間はあったさ。あれからおいらは3日も生きたんだから。

よく聞かれたな、
「楽しかった?」
って。おいらがちゃんと答えないから、何度も何度も聞かれた。

でも、おいら、楽しかったかどうか、よくわかんないんだ。
「楽しい」って、どういうことだ?
よくアイツらはどっか行って帰ってきたり、遊びに来てた友だちの二本足が帰ったあとに、
「楽しかったね。」
って言ってたけど、おいらは出かけないし、友だちもいないから、なにが「楽しい」のか、よくわかんない。

だけど、おいらはウレシかった。
ずっと、ずっと、ウレシかった。


「楽しい」っていうのは、きっと1人でも1匹でも楽しいんだろうけど、
「ウレシい」は違う。なにかいいことが向こうから来るんだ。
自分1匹じゃ、ウレシくなれない。

アイツらのデッカい顔がヌォ~っと近づいてきて、「ピッピ」って呼ばれると、
ウレシい

目が覚めたときにアニキとくっついて寝てると、
ウレシい

玄関のカギがガチャガチャいってアイツらが帰ってくると、
ウレシい

学校から帰って来た子どもがベッドにいるおいらを見つけても放っておいてくれるのが、
ウレシい

みんなでテレビでラグビーを観るときに、一緒に抱っこで観るのが、
ウレシい

アニキをナメナメしたあとに、「ありがと」でおでこをペロってしてもらうのが、
ウレシい

天気がいいのも、
散歩に出られるのも、
雨が降ってきても雨宿りの場所があるのも、
ネコ缶の代わりにシマアジが出るのも、
でも、やっぱりいつものネコ缶があるのも、
「真っ白でほんとうにキレイね」って言われるのも、
みんな、みんなウレシかった。「楽しい」じゃ、ないんだ。

からだを出てくまでの最後が大好きな抱っこだったことも、
ウレシかった。

(デカくなったよな。おいらが抱っこできるようになったなんて。元気でいろニャン)

そして、やっぱりみんなに会えたっことが一番ウレシかったな。
アニキと2匹じゃ、こうはならなかったさ。
(たぶん、つづく)


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