この家に引越して来てずい分経つ。
どれぐらい経ったかは四つ足だからわかんない。
よくわかったのは、けっこういろんなヤツが庭を通ってくってこと。
==============================
おいらもアニキも落ち着かなかった。
家の中をウロウロ。その辺のにおいをかぎまくり、あちこちに顔をこすっては行ったり来たり。
おいらなんか、ビニールを見つけると我慢できなくてペロペロペロペロ。
アニキまでビニールに顔を近づけて、よーくにおいをかいでる。舐めなかったけど。
あー、イライラ。
あー、ウロウロ。
外はこんなにいい天気だっていうのに!
「ウロウロしてないで外行ってきなさいよ、ゆっくりと。ママたち今忙しいんだから。」
「こらっ、P!(おいらのこと)ビ二―ル舐めちゃダメだろ? ったく目ざといな~」
アイツと連れ合いはブイブイ言う。でも部屋中ビニール袋だらけ。舐めるなって言うほうがムリだぜ。
なんでこんなに袋だらけなんだ?
なにをこんなに買ってきたんだ?
なにしてるんだ?
旅行のときのカバンなんか出してきて。
まさか・・・・?
おいらもアニキも旅行カバンに入ったり出たり。いろいろ嗅ぎまわった。
ヤなにおいだ、まったく。
アイツらがいなくなるにおい・・・。
おいらたちが預けられるにおい・・・。
アイツらは夜中ガサガサやってた。
朝になってアイツらの部屋に行ってみると、なんてこった、
ビニールが全部なくなってる!
全部カバンに入れたらしい。そんなにビニール持ってどこ行くんだ?
「ニャー」
鳴いてみたけど忙しそうなアイツらは相手にしない。どんどんクルマにカバンを積んでる。
「じゃ、行ってくるからね。」
と、アイツ。
「元気でね、ピッピとチャッチャ。」
と、子ども。
「帰って来るまで生き延びるんだぞ!」
と、連れ合い。
ガチャ
玄関のカギが締まった。
ブルルルルル――
クルマが出ていった。
シ―――――――――――ン。
おいらとアニキだけが家に残った。
(どこ行っちまったんだニャン?→)
(つづく)
どれぐらい経ったかは四つ足だからわかんない。
よくわかったのは、けっこういろんなヤツが庭を通ってくってこと。
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おいらもアニキも落ち着かなかった。
家の中をウロウロ。その辺のにおいをかぎまくり、あちこちに顔をこすっては行ったり来たり。
おいらなんか、ビニールを見つけると我慢できなくてペロペロペロペロ。
アニキまでビニールに顔を近づけて、よーくにおいをかいでる。舐めなかったけど。
あー、イライラ。
あー、ウロウロ。
外はこんなにいい天気だっていうのに!
「ウロウロしてないで外行ってきなさいよ、ゆっくりと。ママたち今忙しいんだから。」
「こらっ、P!(おいらのこと)ビ二―ル舐めちゃダメだろ? ったく目ざといな~」
アイツと連れ合いはブイブイ言う。でも部屋中ビニール袋だらけ。舐めるなって言うほうがムリだぜ。
なんでこんなに袋だらけなんだ?
なにをこんなに買ってきたんだ?
なにしてるんだ?
旅行のときのカバンなんか出してきて。
まさか・・・・?
おいらもアニキも旅行カバンに入ったり出たり。いろいろ嗅ぎまわった。
ヤなにおいだ、まったく。
アイツらがいなくなるにおい・・・。
おいらたちが預けられるにおい・・・。
アイツらは夜中ガサガサやってた。
朝になってアイツらの部屋に行ってみると、なんてこった、
ビニールが全部なくなってる!
全部カバンに入れたらしい。そんなにビニール持ってどこ行くんだ?
「ニャー」
鳴いてみたけど忙しそうなアイツらは相手にしない。どんどんクルマにカバンを積んでる。
「じゃ、行ってくるからね。」
と、アイツ。
「元気でね、ピッピとチャッチャ。」
と、子ども。
「帰って来るまで生き延びるんだぞ!」
と、連れ合い。
ガチャ
玄関のカギが締まった。
ブルルルルル――
クルマが出ていった。
シ―――――――――――ン。
おいらとアニキだけが家に残った。
(どこ行っちまったんだニャン?→)
(つづく)