シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0213■おいらのブログ1年

2006-12-22 | 猫の海外暮らし
「さぁ、打ち終わったからどこ行ってもいいよ。あの世以外は、ね。」
って言って、糖尿病の注射を打ち終わった連れ合いがアニキのためにドアを開けてる。
どこだよ、あの世って?
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おいらのブログが1年になったんだと。
去年の今頃、始めたんだと。
だから、おいらはまた1年生き延びたんだと。
ふ~ん。二本足はいつからとか、いつまでとか、ホント好きだよな。

(せっかく1年でもおいらの写真がないんだと。フン、ザマミロだ。ハレーションまくりだから、アニキでピントを合わせておいらは背景なんだと→)

で、アイツはウレシイらしい。
だからかどうか知らないけど、きょうはドーンとアジが出た。
し・か・も、ネコ缶と混ぜてないアジだぜ!
だからおいらもウレシイ。
喰ったぜ~、ハフハフと。糖尿病で注射を打たなきゃいけないアニキより先に喰ったぜ~。
1年だからな。
そういうことなんだろ?二本足には。

1年経っても、特にどうってこたぁない。ガンはなさそうだし、歯も3本残ってんぜ。
たっぷり喰って、散歩もしてるからますます白くって、写真を撮るとハレーションばっかりだ。
元気だとね、すっごく白くなるんだよ、おいら。トラ猫のアニキは色が濃くなる。
白っぽくなってアイツらが「ごま塩モード」っていうのになると、アニキはやばい。

今までずっと、
「世界一かわいいシロ猫」
ってアイツに呼ばれてきたけど、それが最近じゃ、
「宇宙一かわいいシロ猫」
になってきた。

「ウチュウイチってなんだ?」と思たら、それ以上がないってことらしい。
そりゃ、そうだ。おいらはおいら1匹で、2匹はいないんだから、なんだってウチュウイチさ。
アニキもウチュウイチのトラ猫で、
しょっちゅうご飯をもらいに来るタビはウチュウイチのクロ猫だ。

前の家の隣に住んでた暇なオブリもウチュウイチ、
ピョンピョン飛んでばっかで歩けなかったジャック
ウチュウイチ。
連れ合いも子どももアイツもみ~んなウチュウイチ。
(←ウチュウイチなんだからもっとナデナデしろニャン)

いいじゃないか、これで。
みんな一番だ!呑気に暮らそうぜ。
おいらのブログはまだまだ続くぜ。
(つづく)

Vol.0212■ペットか家族か

2006-12-18 | 猫の海外暮らし
最近のアイツはパソコンの前でカタカタやってばっかり。
連れ合いはキッチンでカタカタやってるけど。
おいらはアイツのひざでいつもよりいっぱいナデナデしてもらえるから、これでもいいんだ。
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「いったいどっちなんだい? こういうことははっきりさせた方がいい。
ネコはペットなのか、家族なのか?
連れ合いが立ったまんまデカい声で言ってる。

パソコンをカタカタやりながら、アイツは相手をして聞く。
「ペットだったらどうなるの?」
「ペットだったら? 預けるのさ。ペットなんだから・・・」
と連れ合い。
「じゃ、家族だったら?」
「一緒に来てもらうさ、家族なんだから。」

ぶははははははははは
アイツが吹き出して笑ってる。
「ネコを連れて行くわけ?イヌじゃあるまいし。」
なんだ、なんだ?なんの話だ? おいらたちをどうするって?

話はこうだ。
連れ合いと子どもはキャンプっていうとこに行くらしい。でも、アイツは行かない。
おいらたちがいるからだ。
(家が一番だニャン→)

アニキに注射しなけりゃいけないし、ボールを持って追いかけ回して喰わせなきゃなんない。前に預けられてた検疫所じゃ、そんなことまではしないぜ、いくらなんでも。
まっ、おいらは自分で喰って、注射もいらないんだけどね。

連れ合いはアイツが行かないんで文句を言ってるんだ。
というか、おいらたちに文句を言ってるんだろうな、ペットか家族か、はっきりしろって。
知らないよ、勝手にそっちがさらって家に連れてきたくせに。
いつも言ってるけど、おいらたちには名前なんかどうでもいいのさ。

「家族をとるか?ペットをとるか?」
連れ合いがひつこく聞いてる。
「どっちもよ。家族もペットもどっちもとるわ。だからキャンプはあきらめるの。
まっ、3人で楽しんできてよ。」
「え~~~」
だってさ。(つづく)

Vol.0211■カメは万年

2006-12-10 | 猫の海外暮らし
連れ合いが帰ってきた。なんだ、けっこうすぐ帰って来たんだな。
でも最近のおいら、小さい子と寝てんだ。おいらが真ん中に寝て、小さい子は端っこで寝てる。
あったかいし、広いし、なかなかいいぜ。
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いつも言ってるけど、連れ合いはおいらたちの毛が大っ嫌い。
「ネコは好きだけど、この毛だけはカンベンしてほしいよ。ねぇねぇ?夏だし、暑いし、
いっそ全~部の毛、剃ってみないか?一度でいいからやってみたいんだよね~♪」
と、パソコンをカタカタやってるアイツに連れ合いが言ってる。

アイツはパソコンの方に向いたまま、
「いいわよ。」
とあっさり。
「だけど、先に自分の体の毛を全~部剃ってからよ。頭も腋もどこもかしこも。それで毛がない気持ちがわかるでしょう? それでもやりたかったら、どーぞ。」
カタカタカタカタ・・・

「えーっ!」
ベッドに寝っ転がって文句を言う連れ合い。おいおい、おいらたちがいるんだけど。
「やだなー。ネコと同じベッドだなんて。」
まだ文句を言ってる。
「じゃ、買ってあげなさいよ、ネコ専用の。かわいそうじゃない、ベッドがないんだもの。」

(おいらたちの毛をどうしたいって?あー、ペロペロ。毛なんかパ~ラパラだ。しょうがないだろペロペロ。ネコ飼ってんだから、ペロペロ。→)

「えーっ!ソファーでいいじゃないか。ソファーで。」
「ソファーはベッドじゃないわ。」
そうだ、そうだ。夜はけっこう寒いんだ。たまにはアイツもいいこと言うじゃないか!

「あーぁ!」
連れ合いはわざとベッドでデッカく伸びをして、おいらたちを押す。アニキもおいらも連れ合いの手と足の間に動く。そんなに簡単には降りないぜ。こんなに広いのに、ちょっとぐらい、いいじゃないか!

「次、生まれ変わったらネコじゃなくて、カメ飼おう!」
「カメ?」
「そう。毛が落ちないし。飼うのも簡単そうだし。ネコは15年、カメは万年だ!

ひっど~~~~~い!!!!!
なんで15年なのよぉ!来年、ピッピとチャッチャは15歳よ!ペットが万年も生きたって、飼い主の方が先に死んじゃうんじゃ話にならないじゃない!」
「孫子の代まで見届けるのさ。」
「万年よ、孫子で足りるわけないでしょう?」
「家訓にして残すんだ。“代々このカメを大切にするように”ってね。」 
「バッカみたい!」

「▽%○$X@+*%><・・・・¥!!!!」
「◇♯◎ヰ¥α≧÷△?β・・・・↑!!!!」
ゲラゲラ笑いながら、言い合いだ。

長生きするよ、アイツら。
(つづく)

Vol.0210■誰も飼ってない猫

2006-12-04 | 近所の猫
連れ合いが帰って来ない。どっか行ってるらしい。
アイツだけだとベッドが広くていいんだけど、2人いた方があったかいから、連れ合いが帰ってくるのもいいかな、と思ってる。
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前の家の近所に住んでた四つ足の話だって終わってないってのに、こっちの家でも訳のわかんない連中がうろうろしてるぜ~。

例えばこんなヤツ
開いてるフレンチドアから入ってきて、ハフハフ喰ってるヤツ。

おいらんちでやるなよな!自分ちでやれよ。
それはおいらとアニキのご飯。しかも、出したばっかりで、いいにおいだったのに。

「公園から帰ってくるとき、このネコが着いてきちゃったの。“おうちに帰りな”って言ったら、うちに入ってきちゃったんだけど、おうちないのなか?」
小さい子どもがアイツに聞いてる。
「どうかしらね~。人間が怖くないみたいだから、誰かに飼われてるんじゃない? まだ子ネコでお腹すいちゃったのかもね。」
とアイツ。おいおい、どうして誰もそいつを追い出さないでハフハフ喰わせてるんだ?

「このネコさ、ニュージーランドによくいる誰も飼ってないネコなんじゃない?」
大きい子も話に入ってきた。
「誰も飼ってないネコ?野良猫?」
アイツが聞いてる。
「ううん、野良猫じゃないよ。そのへんのネコドア付けてる家だったらどこに行ってもいいの。ちゃんとエサがあって、どこの家で寝てもいいんだよ。みんなで飼ってる感じ。でも、誰のネコでもないんだ。」

「へえ~。ますますネコドアなんか付けられないわね。夜中に知らないネコが入ってきて、ピッピとチャッチャとケンカなんかしたら大変だわぁ。2匹がケンカしたって大変なのに。」
とアイツ。
「そうだよね。おじいさんだから絶対負けちゃうし。自分の家なのに。」
と小さい子がクスクス笑ってる。
フン

「さっ、食べ終わったらお外行きなさい。ピッピとチャッチャが気がつく前に。」
アイツが言うと、そいつはさっさと出て行った。腹がいっぱいになったらもう用はないんだろう。
アニキは奥の部屋でグーグー寝てたけど、おいらは廊下から見てたんだ。でも、相手にしなかった。
きょうのところは、まぁ、いっか、って感じだった。

そいつは庭に出ると今度は昼寝だ。木の下に隠れてるつもりみたいだったけど、シッポが出放し。子ネコだからか、スキだらけなのか、呑気なヤツだ。やっぱりおいらは相手にしなかった。まぁ、いっか。

初めて見る顔だったけど、飯なんか喰ってって、これからちょくちょく来そうだな。そのときは相手するぜ。(つづく)