「先週の今頃はまだピッピが生きてたのに。」
アイツと連れ合いがそう言いながら、2人でアニキをナデナデしてる。
いっぱい、いっぱいナデナデしてあげてくれ。おいらの分まで。
==============================
おいらはなにが好きって、アニキが好き。大好きだ。
生まれてからずーっと一緒にいたから、くっついて毛づくろいなんか始めると、自分のしっぽなのかアニキのなのか、わかんなくなるくらい。それぐらい、おいらたちは一緒だった。
それが今じゃ別々だ。
おいらからはアニキがよく見えるし、頭のテレビもわかるんだけど、アニキはよくわかんないみたいだ。きっとおいらが薄くなってるんだろうな。アニキはおいらのからだが埋まってるとこをよく見てる。雨が降ったからにおいはないだろうけど、おいらのからだが埋まってるのを覚えてるんだろうな。
おいらたちの15年は二本足の70年。
長い長い、ホントに長い時間、ア二キと一緒だった。アイツらが会社に行っても、寝ちまっても、旅行に行っても、おいらたちは一緒だった。たまにケンカもしたけど、すぐにくっついて毛づくろいをしたり寝ちゃったり。
くっついて寝るとあんまりにもあったかくて、起きるとくっついてたとこが汗でびっしょり。
慌てて2匹でナメナメナメナメ。やっときれいになったと思ったら、今度は疲れてまたぐっすり。
起きるとまた汗びっしょり・・・暑いシンガポールや香港じゃ、そんなことがよくあった。
前のガンのとき、アニキのことを思い出さなかったら、おいらは生きてなかったと思う。
「あれ、アニキがいない。」
って気が付いたから、おいらはまたここに戻って来れた。戻らなかったらガンも治んなかったし、ニュージーランドにも来れなかった。思い出して、生き残ってよかったよ。アニキともっと一緒にいられたからね。あのときの話はずっと前にしてるから、コッチから読んでくれよな。
アニキは糖尿病でずっとインシュリンを打ってる。ひどいテイケットウで何度も危ないことがあった。
でも生き残った。スゲーよな。おいらよりほんのちょっと早く生まれただけなのに、堂々としてて、優しくて、いつもいつもおいらを守ってくれた。ホントにいつもだ。
おいらが毛づくろいができなくなってからは、毎日毎日、自分のからだみたいに舐めてくれた。
おいらはペロっと「ありがと」のお返しもできなかったけど、ホントにウレシかった。
そのアニキとくっつくからだが、もうない。舐めてもらうこともできない。
これは寂しい。寂しいだなんて、死んで初めて知ったよ。
アニキ、アニキ、アニキ・・・
もっと一緒にいたいよ、おいら。
(たぶん、つづく)
アイツと連れ合いがそう言いながら、2人でアニキをナデナデしてる。
いっぱい、いっぱいナデナデしてあげてくれ。おいらの分まで。
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おいらはなにが好きって、アニキが好き。大好きだ。
生まれてからずーっと一緒にいたから、くっついて毛づくろいなんか始めると、自分のしっぽなのかアニキのなのか、わかんなくなるくらい。それぐらい、おいらたちは一緒だった。
それが今じゃ別々だ。
おいらからはアニキがよく見えるし、頭のテレビもわかるんだけど、アニキはよくわかんないみたいだ。きっとおいらが薄くなってるんだろうな。アニキはおいらのからだが埋まってるとこをよく見てる。雨が降ったからにおいはないだろうけど、おいらのからだが埋まってるのを覚えてるんだろうな。
おいらたちの15年は二本足の70年。
長い長い、ホントに長い時間、ア二キと一緒だった。アイツらが会社に行っても、寝ちまっても、旅行に行っても、おいらたちは一緒だった。たまにケンカもしたけど、すぐにくっついて毛づくろいをしたり寝ちゃったり。
くっついて寝るとあんまりにもあったかくて、起きるとくっついてたとこが汗でびっしょり。
慌てて2匹でナメナメナメナメ。やっときれいになったと思ったら、今度は疲れてまたぐっすり。
起きるとまた汗びっしょり・・・暑いシンガポールや香港じゃ、そんなことがよくあった。
前のガンのとき、アニキのことを思い出さなかったら、おいらは生きてなかったと思う。
「あれ、アニキがいない。」
って気が付いたから、おいらはまたここに戻って来れた。戻らなかったらガンも治んなかったし、ニュージーランドにも来れなかった。思い出して、生き残ってよかったよ。アニキともっと一緒にいられたからね。あのときの話はずっと前にしてるから、コッチから読んでくれよな。
アニキは糖尿病でずっとインシュリンを打ってる。ひどいテイケットウで何度も危ないことがあった。
でも生き残った。スゲーよな。おいらよりほんのちょっと早く生まれただけなのに、堂々としてて、優しくて、いつもいつもおいらを守ってくれた。ホントにいつもだ。
おいらが毛づくろいができなくなってからは、毎日毎日、自分のからだみたいに舐めてくれた。
おいらはペロっと「ありがと」のお返しもできなかったけど、ホントにウレシかった。
そのアニキとくっつくからだが、もうない。舐めてもらうこともできない。
これは寂しい。寂しいだなんて、死んで初めて知ったよ。
アニキ、アニキ、アニキ・・・
もっと一緒にいたいよ、おいら。
(たぶん、つづく)