シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0174■おいらの話

2006-06-30 | 猫の海外暮らし
けっきょく、アイツが一番良くならない。小さい子なんか外でボールを転がしてピョンピョンやってる。大きい子もコンコンやってるけど、学校へ行った。でも、家の中のにおいはけっこう元通りかな?
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アイツが部屋から出てきたから見に行った。
まず椅子に前足を掛けて、いっせーのせーで椅子の上にジャンプ。
トシとったし、最近は太ってるから、ちゃんとやんないと上手く乗れないんだ。椅子は必ず上に布がついてるやつね。木だとツルツルしてうまく爪が引っかかんないんだ。

それからもう一回前足をテーブルの端にかけて、どっこらしょでジャンプだ。
ふ~、こうやってテーブルの上に出る。
アイツのでっかい顔が目の前になる。話があるときはこうするんだ。
こういうときはテーブルに乗っても怒られないもんさ。

「ニャー(どーしたんだニャン)」
「ピッピは元気そうね~」
「ニャー(部屋から出てこないじゃないか)」
「自分が病気だとみんなすっごく元気に見えるのよね~」
「ニャー(ナデナデしろニャン)」
ナデナデナデナデナデナデ・・・・

そっ、おいらの話ってのはナデナデのこと。
元気ないアイツは、しゃがんでくれなそうだもんな。布団みたいに膨らんでて、からだが曲がるのかどうかもよくわかんない。こういうときは自分で行くっきゃない。
おっ!今度は抱っこナデナデかー。こりゃあ、いい。
しかも布団みたいにフカフカしたかっこだから、爪出しても痛くないらしくて怒らんないし。
おいら、気持ちがいいと爪がニュ~って出ちゃうんだ。

でも、出しすぎてテーブルの上にポンッと戻されちまった。ちぇ。
まっ、そのままナデナデが続いてたからいいんだけどさ。

「あっ!ピッピ!」
そのとき、後から連れ合いの声。
しまった、油断してた!
連れ合いには「テーブルに乗っても怒られない」なんてときはない。ちぇ。

もう1回前足を椅子に下ろしてどっこらしょでジャンプ。
今度は両足で椅子の足をつかみながら、ズリズリズリーーっと床に下りる。
で、なにもなかったようにスタスタスタスタ。
せっかくだったのに邪魔すんなよな。(つづく)
(←「椅子に乗るのなんてカンタンだけどね~」と言うのは王様の椅子で昼寝中のアニキ)

Vol.0173■大きい子と昼寝 

2006-06-28 | 猫の海外暮らし
きょうも大きい子だけは学校に行かないで朝から寝てるぞ。けっこう長いな。ずっとコンコンコンコンやってる。これが止まんないから休んでんだろうな。
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連れ合い以外、みんな病気になった。
最初、おいらとアニキは困った。だって昼間は子どものベッドがお昼寝の場所なのに、子ども部屋のドアが閉まってて入れない。大きい子も小さい子も出てこないんだ。誰かが出入りして開くときもあったけど、なんだか暗くていつもと様子が違う。においも違う。

そのうち小さい子が学校に行き始めた。ドアも少しだけだけど開けっ放しになって、おいらたちが入れるようになった。
入ってもいいよ
ってことなんだろう。
じゃ、入るさ。

最初に入ったのはアニキだった。いつもみたいに小さい子のベッドで寝てた。
「な~んだ。」
と思っておいらもくっついて寝始めた。ときどき隣で大きい子がゴソゴソ動いたり、コンコンやったりしてたけど、いつもみたいにぐっすりだ。

次の日、大きい子が起き出したので、そっちのベッドに移ってみた。
「あったかいじゃないか~」
誰かがずっと寝てたベッドってぜんぜん違う。「こりゃ、いい。」と思ってそっちでグーグー。アニキも途中からやってきてまたくっついて昼寝。

ところが大きい子が戻ってきちまった。飯喰ってっただけみたいなんだ。そうか、きょうも学校行かないのか。
ベッドから下りたくないおいらとアニキ。
ベッドに入りたそうな大きい子。


「いいよ、寝てて。」
そのとき、大きい子の頭のテレビにそう映った。子どもはなにも言わなかったけど、布団の端っこをそっとめくって上手にベッドに入ってきた。おいらたちはちょっと横にずれただけだった。

けっきょく、1人と2匹ぴったりくっついてグーグー。
子どもがコンコンやり出すと、おいらたちも一緒に揺れた。
子どもが寝返りを打つと、おいらたちも一緒に転がった。
でもまた、1人と2匹ぴったりくっついてグーグー。
(つづく)
(でもね、天気がいいなら外が最高→) 

Vol.0172■しっかり喰えニャン 

2006-06-27 | 猫の海外暮らし
病気になった小さい子がきょうから学校へ行き出した。大きい方はコンコンコンコンやってるからまだダメだろうな。アイツは・・・
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水を飲もうとリビングから廊下に出て、思わずギョ!
向こうからスゴいもんがこっちに向かってくる。玄関のガラス戸からの光を背負って廊下目いっぱいの幅でソロ~リソロ~リ。うちには連れ合いよりデカいもんはいないから、
「なんだこりゃ?」
と思って立ち止まると、
「ピッピ、おはよ。」
とスゴいもんがあいさつして通り過ぎてった。

アイツだった。
布団が歩いてきたのかと思ったぜ。どうしたんだ、あんなに膨らんで。
いくら二本足は寒くなるといっぱい着こむたって、あんなに着るか?

なんだなんだと思ってリビングに戻ってみた。丸々膨らんだアイツがストーブの前にどっかと座ってる。いつもと違うにおい。そうか、病気なのか。それで部屋から出てこないわけだ。飯も喰ってないみたいだし、パソコンもしてない。その代わり、連れ合いがキッチンでカチャカチャやってたり、洗濯物を干したりしてる。

ふ~ん
と思っておいらもストーブの前にペタッ。
そうか、誰かが病気だと子どもが学校へ行った後でもストーブがついてんだな。そうでなけりゃ、子どもが出てったあと、アイツと連れ合いがヒーヒーハーハーどっかまで走りにいくときに消しちゃって、それっきりなんだ。二人とも走りに行ってないし、大きい子も学校に行かないでずっと寝てる。

「ピッピは元気そうね~。」
まあね。しっかり喰ってちゃんと太ったからそんなに寒かないぜ。ストーブはつけてほしいけど。
「風邪なんか引くもんじゃないわ。」
太っただのなんだの言ってないで、寒くなる前にしっかり喰っとかなかったからじゃないか?

見てみろよ、近所の四つ足。
オブリなんか真ん丸顔だし、イライジャなんか長い毛に隠れて腹が地面に着きそうだし、痩せっぽちのジャックまで丸々してる。
みんな元気にしてるぜ。二本足もさ、服ばっか着こんでないで、しっかり喰って強くなるニャン。
(つづく)

Vol.0171■ベッドメイク

2006-06-20 | 猫の海外暮らし
今年は子どもと。去年はアイツらと。寝る場所が変わってるおいらたち。(去年の話はコッチから)
なんで変わったかって? 簡単さ。おいらたちのためにドアを開けとくと、連れ合いが寒いからさ。
子どもは寒くないのか?
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最近、寒いし雨が多いしで、けっこう家にいる。なにしてるかっていうと、もちろん寝てる。どれくらい寝てるかっていうと、子どものベッドが凹むくらい。

大きい子どもは、
「ピッピずっと寝てていいよ。じゃ、いってきま~す♪」
と言って学校に行く。優しいって?まぁね。でも、おいらが寝てるとベッドメイクとかいう余計なことをしなくていいからうれしいらしい。おいらもうれしい。

ベッドメイクされるとベッドがまっすぐになっちゃって、寝ててもあんまりあったかくない。
してないと、ベッドの上は凸凹。おいらがすっぽり入れる凹みもあってちょうどいい。凹んでる方がずっとあったかいし、ぐっすり寝られる。
(ベッドメイクなしだとこういと。おいらが作った凹み→)


こんなこともあった。
寒い夜だったから大きい子どもと一緒に寝た。二本足ってくっついてるとけっこうあったかいんだ。デカいしね。朝になって、外の見回りをしてご飯を喰ってベッドに戻ったら・・・、
やった!ベッドメイクしないで出かけてった。
(←すぐにおんなじ凹みに戻って爆睡さ♪)


アイツがガーガー掃除機をかけに来たけど、知ったことか。眠いし寒いし、そのまんま寝てた。
アニキもちょっと耳を舐めてくれたけど、眠いし寒いし、おいらはお返しなしでそのまんま寝てた。
「よく寝るよなー。少しは運動しろ、運動を。太るぞ!」と連れ合い。もちろん無視。
「20時間くらい寝てるわよ。病気かと思うじゃない、大丈夫?」と今度はアイツ。うるさいよなー。

トイレ2回。水飲み1回。見回りに行こうとしたら雨で、やっぱりベッドへ逆戻り。
おんなじ凹みがまだあったかい。いいよな、ベッドって。ソファーじゃこうはいかない。
「やっぱり、おいらもベッドがほしいニャン・・・・」
と寝始めたら、
「ただいまー」

げっ、大きい子どもの声。もう帰ってきちゃったのか?早いな。
まっ、いいけど。ベッドメイクだけはすんなよな。(つづく)

Vol.0170■カニかまはどこへ?

2006-06-16 | 猫の海外暮らし
「ニャーニャー(おいらもベッドがほしいよ!)」
「あら?お外?」
「ニャーニャー(ベッドだってば!)」
「お腹すいたのかしら?」
「ニャー(ダメだこりゃ!)」
「やっぱり、ご飯ね!はーい、今あげるわよ~♪」
きょうもなにも起きないで1日が終わった。
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なんか喰いもんの話ばっかりだけど、こう寒いとね、おいらたち四つ足は喰わなきゃいけないんだ。
二本足みたいにいっぱい着込んだりしない代わりに、太ってあったかくしとくのさ。
だから今回も喰いもんの話で。

前においらたちの喰いもんは好きな順で、
シマアジ⇒アジ⇒ネコ缶⇒カリカリ
の4つしかないって言ったけど、ホントはもうちょっとある。タイとかいう白い魚が出ることもあるけど、さっぱりしすぎであんまり好きじゃない。アイツもそれがわかってるから、あんまり出さない。
「これ、アジより高いんだから~」
とか言って、自分たちで喰ってるぞ。おいらはアジの方がいいから文句はない。

他の魚も喰ったり喰わなかったりかな? 
子どもが海から取ってくる小さい魚はうまいぞ。これは名前がないらしい。
チキンっていう魚じゃないのもある。これはもう、よほど気が向けば喰うけど、そうでなけりゃにおいを嗅いでおしまい。アニキはたまーに喰ってるかな?

だから4つしかないっていうか4つで十分っていうことか?
ネコ缶もおいらたちが好きなのは2つあるしね。最初アイツはいろんなネコ缶を試した。ホントに次から次へといろんなのが出てきた。
「これも四つ足の喰いもん?」
って思うようなのもあったぜ。肉のにおいがプンプンしてそばに寄る気にもなれなかったのも。
で、今の2つのネコ缶ならいつでもOKってことになったんだ。うまいぜ。

も1つだけ、ちょっと懐かしいもんがある。
それは香港にいたときよく食ってた、カニかま。

あれがないのはちょっと惜しいかな?
そっくりなのはここにもあるけど、喰いたくなるようなもんじゃない。アイツらは喰ってるけどね。
おいらがガンで長い間なにも喰えなかったあと、突然喰いだしたのもカニかまだったんだ。
なんでカニかまだったのかは覚えてないけどね。(つづく)

(ガン闘病中、1ヶ月ぶりに突然喰えたのが2004年4月21日1時48分。詳しくはアイツの闘病日記で。足の毛がないのはずっと点滴してたからなんだ。→)

Vol.0169■カリカリ丼のリスク

2006-06-13 | 猫の海外暮らし
「もう~、ピッピってなんでこんなにかわいいのー?」
とアイツがおいらを抱こうと触ったとたん、
ビビビビビビビビ
静電気だ。アイツは手を引っ込め、おいらもビクッ。冬はねー、これがあんだよね。
で、抱っこもナデナデもなし。ちっ!
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「カリカリ丼って便利なんだけど、けっこうリスクあるのよね~」
アイツが連れ合いにブツブツ言いながら、カリカリ丼を用意してる。連れ合いは新聞に顔を突っ込んだまま、
「ふ~ん。」
と興味なさそうだ。ヤツはやっぱり自分の食べさせ方が一番いいと思ってる。
やだよ、あんなの。

「こうやってネコ缶の中身をカリカリの上に山にしとくじゃない?上から食べてくうちに、やっぱり押しちゃうみたいで、下の方はカリカリの間に挟まってくのよ。で、挟まった分もきれい平らげてくれればいいんだけど、お腹がいっぱいになると、そこでフと終わっちゃうのよね。リスクあるわよ~」
アイツは全然聞いてない連れ合いにまだブツブツ言ってる。今度も返事は、
「ふ~ん。」

リスクってなんだ?
アイツがウレシくないことだけは確かだ。文句言ってるくらいだから。アニキがお手々まんましなくても喰うようになって、喜んでたと思ったらもう文句か。二本足はなかなか満足しない。
(←リスクはね、昼寝の邪魔してこんなヤラセ写真を撮る連れ合いのこと!)

どうやら、おいらたちがカリカリに乗っかったネコ缶を全部喰わないことがリスクってことらしい。
なんでかっていうと、
残ったネコ缶を別のボールに手で移して冷蔵庫にしまわなきゃいけない
(これだとお手々まんまと同じくらい手にご飯がつくからウレシくないんだ。舐めりゃいいのに。)
ネコ缶をしまわないと、魚からしみ出した汁でカリカリがフニャフニャになる
(そうなるとおいらたちは喰わなくなる。カリカリはやっぱりカリカリでなくっちゃ。わがままか?)

自分が面倒くさいか、カリカリを無駄にしちゃうか、これがリスクってもんらしい。おいらたちが全部喰うとリスクがないから、アイツはうれしいんだ。
でもね、そんなにうまくいかないさ。
ペロッと全部喰っちまって、アイツがもっと入れたとたんにおいらもアニキも喰う気がしなくなったり、
喰ってる途中に誰かが庭に来た気がして見に行って戻ってきたら、もうネコ缶がしまってあったり、
いろんなことが起きる。

だいたいおいらたち四つ足はけっこう小鳥食いなんだ。ペットだけだぜ、ご飯の時間が決まってるなんて。1匹で生きてたら、喰うもんがあるときに喰って、なければ我慢。
だから、二本足に合わせて1日2回朝夜ドカ喰いするのは大変なんだ。連れ合いみたいにドカ喰いさせるために昼間ご飯をしまっちまえば、そりゃ出てきたときに喰うけどさ。ウレシくはないよな、やっぱり。

だからおいらたちは全部喰わないときもある。
リスクって必ずあるんじゃないか?
(つづく)

Vol.0168■カリカリ丼

2006-06-09 | 猫の海外暮らし
アイツらは最近、出たり入ったり。ポカポカ日向ぼっこしてるときに出かけちまって、寒くなって家に入ろうと思ったら、いないってことが何回か。やっぱネコドアがほしいぜ。
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ヘンな二本足が持ってきたシマアジ。うまいのなんの。
でも、ボールの底にへばりついちゃうと、上手く喰えないおいらたち。アイツはくっついたシマアジを剥がして、スゴいもんを作ったんだ。でも、できたのはほんの偶然だった。

アイツらはいつも、キャットフードの硬いほうを「カリカリ」と呼んでる。
ホントはキャットビスケットとかいう長い名前があるらしいけど、誰もそんな風に呼ばない。確かに喰うとカリカリ音がする。歯がなくても音はするんだ。おいらもアニキも歯と歯の間から落っこちないように頭を傾けて喰ってるけどね。

カリカリはけっこううまい。でもシマアジにはかなわないさ。次がアジで、その次がネコ缶、その次がカリカリかな? 
まっ、4つしかない食べ物の最後ってわけ。
でも腹の減り具合で順番はいろいろ変わるんだけど。

アイツは残ったシマアジをポイっとカリカリの上に乗せて、空になったボールを持って行っちまった。そばで見てたおいらは、いつもと違うことをしてったので見にいってみた。ちょっと乾いた白いシマアジが茶色いカリカリの上にちょこっと乗っかってる。それだけのことなのに、なんだかすっごくうまそうに見えてすぐに喰ってみた。

カリカリの上に乗っててもシマアジはシマアジ。おんなじもんだ。
ところが、うまいんだ。味がっていうより、うまく喰えるんだ。
カリカリは固くて乾いてる。その上に乗ったシマアジはボールに入ってるときみたいに舌で押しても滑らない。せいぜいカリカリの間に挟まってくくらいだ。シマアジを全部喰いたかったら挟んでるカリカリも一緒に喰っちまえばいい。
こりゃいい!

「あら、シマアジはピッピ? 食べちゃったの?」
ボールを洗ってきたアイツが驚いてる。ボールに戻そうとしてたもんならとっくにおいらの腹ん中さ!
「そうか!」
アイツの頭のテレビにパッと電気がついた。こういうときは、なんか新しいことをするときだ。

アイツはすぐにネコ缶を出してきて、カリカリの上に中身を少し乗せた。
おいらは近づいてって、ハフハフハフ。
すぐにネコ缶はなくなった。
こりゃいい!
ホントにカリカリの上に乗ったものは滑らない。最後まで喰える。

ビックリしたアイツは、またネコ缶をカリカリの上に乗せた。
おいらはプイっ横を向いて、そのまま外に出かけた。
そんなに喰えないって。おいらの大食いは芸じゃない。

カリカリ丼
そのときから、アイツらはカリカリの上にネコ缶やアジを乗っけて食べることをそう呼ぶようになった。

(日向ぼっこじゃぜんぜん意見が合わないおいらとアニキ。ハレーションまくりのおいらと日陰派のアニキ→)

もともと4つしかない食べ物が2つ一緒に出てくるだけなんだけどさ。アニキも気に入って、お手々まんまの代わりにこうやって喰ったりもしてる。アイツらはもちろん大喜び。
いくらペットがかわいくても、やっぱ、お手々まんまは面倒くさいみたいだぜ。(つづく)

Vol.0167■ヘンな二本足

2006-06-06 | 猫の海外暮らし
四つ足の毎日なんておんなじだけど、たまにはこんなこともあんのさ。
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ちょっと前だけど、ヘンな二本足が2人来た。なんでヘンかって言うと、家に入ってくるなり、
「ピッピーーー!!」
って、おいらの方に走ってきたんだ。ビックリしたぜ。フツーは、
「かわいーーー!!」
って、アニキの方に走ってくもんなのに。いきなりおいらってのは、かなりヘンだ。

しかも、
「かわいーーー!!」
だと!おいらにだぜ! ヘンなヤツもいるもんだ。フツーは、
「おっきー!」
とか、
「デカっ!」
って言われるのに。おいらがかわいいね~?まぁ、いいけど。

で、どうすんのかと思ったら、
ジ―――――とおいらを見てるんだ。
これもヘンだぜ。フツーは、
「あれ?もう1匹は?」
って、アニキを探すもんなのに。おいらとアニキを間違えてんのか?トラ猫の方がいいんだろ?

アイツが、
「撫でてみて。どんどん触ってOKよ。」
って、自分のもんみたいに言ってる。まっ、ナデナデはいいけどね。抱っこも、まぁOKかな?
おいらは愛想はワルいけど、ネコがワルいわけじゃない。触ったっていいんだぜ、別に。子どもに抱っこされて重くていきなり落とされるのは、かんべんだけど。

この2人がホントにヘンなのは、魚を持ってきたことなんだ。
どうりで入って来たときから、やたらに魚のにおいがするなーと思ったんだよ。
デッカ~いアジだった。
尾頭付きで頭としっぽの間もちゃんとあるヤツ!
しかも、おいらたちのためにだぜ! これはスゴい。

二本足はシマアジって呼んでた。やっぱり名前がある。確かにいつものアジと違う。アイツは焼いてから、全部おいらたちに喰わせた。ホントに全部だった。
喰い終わるのに1週間近くかかったよ。
いつも喰ってるネコ缶にも混ぜないで、それだけで出てくる。こりゃ、スゴい!
混ぜるとね、やっぱ違うんだよな~、味もにおいもゴチャゴチャになっちゃうし。

アイツはボールの底にほんのちょっとへばりついてるアジまで、きれに剥がした。ちょっとになると、舌ですくって喰うおいらたちにはうまく喰えなくなるんだ。
特においらは舌で押しちゃってね~、どんどんペッタンコにしちゃう。ヘタくそなんだ。

で、剥がしたほんのちょっとのシマアジをどうしたか?
スゴいもんができたんだぜ! (つづく)

(←こういうのが「かわいーーー!!」んだろ、知ってんぜ。ありがとだからきょうは特別にカメラ目線だニャン)

Vol.0166■目覚ましネコⅡ

2006-06-03 | 猫の海外暮らし
最近、天気がいい。ポカポカしてる昼間は外にいる時間の方が長いくらいだ。連れ合いは「寒い、寒い」って言いながら家の中にいる。そんなに寒いなら外で電話して、外でパソコンすりゃいいのに。
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アイツが起きたい時間においらが鳴くもんだから、
「すごーい、ピッピ。どうして時間がわかるの~?」
って感激されてるおいら。珍しく四つ足が二本足の役に立ってるらしい。でもそれだけのこと。それで得意になったり、喜んでもっとやったりはしない。もちろん、突然やらなくなるかもしれない。

別にアイツのために鳴いてんじゃない。おいらは外に行きたいから鳴いてんだ。
外に行ってトイレもしたいし、見回りもしたい。いつも言ってるけど、うちにはネコドアがないから、誰かがドアを開けてくんないと外に出れないのさ。
(せっかくドアが開いてもガ――ン!こんな雨のときも。アニキ、どうする?→)

だけど、鳴けばドアが開くってもんじゃない。
アイツらがぐっすり寝てるときは、けっこう鳴かないと起きてこない。かと思えば、突然連れ合いがぬぉーと出てきて開けるときもある。そんなことはめったにないけどね。

今は夜になるとけっこう寒い。だから家の中にいるのはぜんぜんかまわない。ただ、トイレはできたら外でしたい。それでだんだん鳴く時間が同じになってきたんだ。どうせなら、
おいらが外に出たくて、アイツも起きてきそうな時間――
それがうまくいったって訳さ。

なんでアイツが起きてきそうな時間がわかるかっていうと、これもいつも言ってるけど、おいらたちは頭で交信できる。二本足の頭の中にもテレビみたいなものがあって、それを見ればなにを考えてんのかだいたいわかる。怒ってるとか、喜んでるとか、言ってることとやってることが違うとか、それくらいだけど。

このテレビが完全に消えてるときは、四つ足も二本足もぐっすり寝てるってこと。だから、こんなときに一生懸命鳴いてもうまくいかない。でも、アイツのテレビがつくかつかないかの頃だと、けっこううまくいく。

「ニャー」
とひと鳴きで起きてくることもたまにはある。まっ、2、3回鳴いたってどうってこたぁない。ときどき、テレビがバッチリついてんのに起きてこないときもある。
「寒いなー」
「眠いなー」
「面倒くさいないー」
「家でトイレしてくんないかなー」
「連れ合いが起きないかなー」

とか、あれこれ考えてるのに出てこない。みんなテレビに映ってるってば。

こういうときはね、
「ニャー」
と一発大きく鳴くんだ。おいらはアイツのために鳴いてんじゃない。外に行きたいから鳴いてんだ。テレビがついてんだったらそうなるまで鳴くさ、もちろん。それで起きたい時間に起きれるなら、いいじゃないか。面倒くさいとか言うなよな。
(つづく)