シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0242■タビ物語-真夜中の訪問者

2007-04-17 | 近所の猫
アニキの長い話の次は、近所の四つ足の長い話。おいらのブログだけど、まっ、いいよな。
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その日は連れ合いがいなかった。
朝早くクルマが迎えに来て、1人でどっかに行った。
旅行のときしか使わないバッグを持ってったから旅行に行ったんだろう。

アイツと子どもはいつも通りだった。学校へ行ったり、パソコンでカタカタやったり、なんか喰ったりベラベラしゃべったり。おいらたちもいつも通りだった。連れ合いがいないくらいでなにも変わりゃしないさ。

ただアイツが、
「きょうは一緒に寝ようね~♪」
と、おいらとアニキを何回も抱いちゃ言ってた。夏の初めだったからそんなに寒くもなくて、その頃はよくソファーで寝てたんだ。
「まぁ、一緒に寝るのもいいかな?」
と思った。

子どもが寝て、おいらたちは夜の見回りやトイレで出たり入ったり。アイツはドアを開けたり閉めたりするのが自分しかいないから、面倒くさがってた。でもね、行かなきゃいけないときもあんのさ。アイツのシャワーも終わって、そろそろ寝る時間だった。

そのとき、玄関でニャーニャー鳴き声がした。
「えっ?ピッピ?チャッチャ?まだ外?」
アイツはあわてて玄関に行き、ドアのカギに手をかけた。でも、このときは気がついた。

声を聞いて、おいらとアニキも見に来たもんだから、廊下に1人と2匹が揃ったんだ。
さすがにぼんやりのアイツも、おいらたちじゃないってわかった。
ニャーニャー
ニャーニャー
外の声はもっと大きくなった。

ニャーニャー
ニャーニャー
なんてデカい声なんだ。

ピカッ
そのとき突然、外の電気がついた。夜に誰かが通るときだけつく電気がついた。
ガラスのドア越しに黒いデカい影が映った。

「タビちゃん!」
アイツはガチャガチャやってドアを開けた。
「どうしたの?こんなに遅く。もう夜中よ。お腹空いちゃったの?」
ニャーニャー
ニャーニャー
タビは鳴き続けた。
(つづく)


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