シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0293■引越し?! 

2007-08-25 | 近所の猫
庭によく来るようになった偽チャッチャ。アニキみたいなトラ猫だ。
「後姿なんかそっくりだよ。『チャッチャ!』って呼んだらすっ飛んで逃げてったけど。」
って連れ合い。確かにヤツはアニキに似てる。どうもおいらの偽者もいるらしい。
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アイツと連れ合いが話してる。
何度も何度も、『ヒッコシ』って言ってる。
『ヒッコシ』って、引越しか? 
冗談だろ。おいら、ガンでこんなに弱ってんだけど。

しかも、部屋にはこんなもんが
ホントか~。今度はどこ行くんだよ。もうおいらにゃ数えらんないくらい、何回も何回も引越してるっていうのに。トホホホホ・・・

・・・って思ってたら、引越しは隣の家だった。
そう、隣。つまり、シィンの家だ!
「これで1匹庭をウロウロするネコが減るわけか。」
って連れ合い。
「でも、白黒のタビちゃん色のを見かけるようになったじゃない。偽チャッチャもよく来るし。」
ってアイツ。おいらの引越しじゃないなら、なんでもいいや。

引越しの日は天気がよかった。部屋みたいにデッカいトラックが来た。でも外はちょっと寒かったから、おいらは家の中で寝てた。二本足の声がずっと聞こえてた。ガタガタ、ゴトゴトいろんな音もする。寝ててもいつもと違うのがよくわかった。

そのうち、
ニャーニャーニャーニャー
鳴いてる声がはっきり聞こえた。
シィンだ。

ケージに入れられて荷物と一緒に外に並べられてんだろう。焦ってるし、怒ってるし、哀しそうだ。必死に二本足を呼んでる。
でも誰も来やしない。みんな忙しいんだ。それが引越しさ。
おいらとアニキが何回もやったことのある・・・

あきらめるんだな。
すぐに新しい家に着くし、すぐに新しい家にも慣れる。そして、前の家のことはどんどん忘れちまう。もう戻ることは絶対にないからね。それが引越しさ。
じゃ、うちの家の中の箱はなんなんだ?

(シィンの家。「誰もいない」って書いてあんだろ?→)
(つづく)


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