シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0257■タビ物語-2度あることは

2007-06-06 | 近所の猫
ゴメンよ、ずっと忙しかったんだ・・・
って、アイツのことだけど。おいらはいっつもおんなじさ。最近、段ボールで寝るのがお気に入り。あったかいんだ。ビンボくさいって言われるけど、なんだビンボって?
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「困るよな。毎日毎日死んだネズミが玄関先にあったら。」
「なにが困るの?」
「えっ?何がって?」
「なにが困るの?」
「えっ?片付けなきゃいけないし。死んだ動物だよ。」
「でも、タビちゃんの気持ちじゃない。ウレシいと思わない?」
「思わない。」

アイツらがボソボソ話してる。最近はいっつもタビの話だ。
「タビちゃんがあの木の下でお昼寝してた。」
「タビが通りの向こうを歩いてった。」
「タビちゃんがヨーグルトを食べた。」
「タビちゃんが・・・」
「タビが・・・」

(あ~ぁ。よく喰うニャン。まだ喰ってんのか?→)


タビをどうするかって話ばっかりで、放っとくってことは考えてないらしい。
特にアイツはタビがどこの四つ足で、どこで寝てて、どうしてよくここに来るのか、ホントに知りたがってた。
雨が降れば、
「タビちゃんどこにいるのかしら?」
ちょっとでもご飯が残ってると、
「今日は来ないのかしら?」
頭の中はタビのことでいっぱいだった。

「2度あることは3度あるっていうからな、明日もネズミが置いてあるかもよ。」
「まさか~。」
「“もうけっこうです”って、ちゃんと言ったほうがいいんじゃないか?ネズミがなくても、ネコ缶ぐらい出す、って言っとかないと。」
「そうかしら?」
アイツはゲラゲラ笑って本気にしなかった。

次の日、アイツが玄関を開けるとネズミはなかった。気をつけて周りを見たけど、なかった。
「ほらね。そんなに続くもんですか。」
と思って花に水をかけてると、アイツらの部屋の横、いつもタビが昼寝をしてるあたりの芝の上にネズミがあるのを見つけた。
3匹目だ!
(つづく)


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