シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0264■タビ物語-家の下の秘密

2007-07-06 | 近所の猫
最近、メルマガ読んでくれてる二本足が増えてるんだってさ。なんでだ?
みんな、どっから来たんだ?
おいらにゃわかんないけど、ありがとニャン。
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家の下に入れるドアが閉まり、もうひとつの出入り口だった隙間にも金網が立てかけられた。金網はちょっとずらしてあったから、無理やり入ろうと思えば入れたけど、おいらもアニキも用はなかった。
ずっと住んでたハリネズミはもういなくなってた。

でも1匹困るやつがいた。タビだ。
クロ猫で暑がりなだけじゃなくて、やつはホントによく家の下に入ってたんだ。
夜はどこでなにしてるか知らないけど、やつの頭の中のテレビを見ると、真っ暗なとこにいることが多かった。こんなに暗いなんて、家の中でも、月の明かりでけっこう明るい庭でもない。

開けっ放しだったドアが閉まって、やつは隙間の方から入ろうとした。
でも金網が立てかけられてて、入れない。前足で金網をかいたら、動いた。
頭さえ入ればこっちのもんだ。タビは頭を突っ込み、デカいからだも押し込んで家の下に入った。入れれば出られる。そんな日が何日か続いた。でも、アイツらはぜんぜん気がついてなかった。

その頃には、アイツは夜、おいらたちにご飯を出すときに、タビにも一緒に出すようになってた。もうタビが来ない日はなくなってた。朝も昼も夜も、必ず喰ってった。
玄関のドアがガチャッと開いて、ボールがコトッと置かれると、タビはすぐに現れた。

「まるでタビちゃんてうちに住んでるみたいね。ご飯を出すと一瞬にして現れるのよ。」
アイツはゲラゲラ笑いながら連れ合いに言ってる。
そうさ、その通りさ。あいつらはそれでも気がついてなかった。なんて頭がワルいんだ!

「タビちゃんてどこの家のネコなんだろう?」
「どこで寝てるんだろうね?」
「どうして朝昼晩と毎日うちで食べてくのかしら?」
「捨てられたのか?飼い主が引越してったのか?」

「大変!大変!大変! タビちゃん、うちの下に住んでるみたい!!!」
ある日、アイツが外からドタドタ走って入ってきた。
「なんでわかったの?」
「あの立てかけた金網に黒い毛がいっぱい付いてるの!あそこから出入りしてるみたいよ。本当にここに住んでるんじゃない?どうして?」

(「やっとわかったかニャン?」「そうみたいだニャン。」)
(つづく)


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