シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0253■タビ物語-家の下

2007-05-20 | 近所の猫
連れ合い「ピッピくんにチャッチャくん、最近どーかね、調子は?長生きだニャン。」
おいらとアニキ「・・・・・・・・・」
連れ合い「長生きもほどほどにニャン。」
おいらとアニキ「・・・・・・・・・」
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舐められてピカピカになった空のボールを見て、アイツは大笑いだった。
「ありがとう、タビちゃん。ここまできれいに食べてくれて。このボール、洗わなくてもいいくらい。ピッピとチャッチャは上の方が乾くと食べなくなっちゃうけど、あなたはエラいわね、全部食べて。また、いらっしゃい。」

タビは食後のみだしなみで、盛んに口の周りを舐めてるとこだった。もっと喰いたそうにも見える。魚には慣れてるのか、ただただ腹を空かせてるのか?おいらたちが喰わない、上の方が乾いたネコ缶は捨てるっきゃないから、アイツはタビが片付けてくれて本当にうれしそうだった。

タビにはそれがわかったんだろう。
頭のいいやつだから。

理由はよくわかんなくても、アイツが喜んでるのはわかったはずだ。タビもうれしかった。
でも、アイツにはそこまではわかりゃしない。気持ちよく喰ってくれたんで、気持ちよかっただけだ。

「これから毎日来るだろうな。」
おいらとアニキはそう思った。その頃のおいらたちはさすがに慣れてきてた。いくら追っ払ってもタビは毎日のように来て、庭の隅にいる。おいらたちのご飯がなくなるわけじゃなければ、やつがここで喰ってっても、まぁいっか、ってとこだった。

それにおいらたちは玄関よりもサンデッキから出入りすることが多かったから、玄関にタビのにおいがいっぱいつくのも、まぁいっか、ってとこだ。タビもそのへんがわかってて、デッキには上がってこなかった。隣のシィンはしょっちゅうあがって来ちゃ、家に入ろうとするのに。

でも、デッキの下にはよく出入りしてた。
アイツらは気がついてなかったけど、さすがにおいらとアニキは知ってさ。デッキの下には家の下に入れる小さいドアがあって、そのドアはいつも開けっ放しだった。ドアを通れば、いつでも家の下に入れた。

アニキはときどき入って見回りしてたけど、おいらはあんまり好きじゃなかった。でも、暑い日には涼しくて、蚊やノミも少なくて、暑いのが苦手だったらいいかもな。埃っぽくて毛が汚れるのが気にならなければね。
(つづく)


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