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10月20日 第4世代のあかり-LED-

2008-10-20 | インテリア/建築
Eco(エコ)が世界的ブームの今、あかりの世界では、「ロウソク」→「白熱電球」→「蛍光ランプ」に続く第4の光源として、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード=光を発生する半導体)に注目が集まっています。
このブログでも何度か紹介させて頂いているLEDですが、2008年夏には各メーカーから住宅向けの商品が多数発表され、進化の一途をたどっています。

さて、そんな注目のLEDについて、コイズミ照明が主催するセミナーに参加してきました。今日はそこで学んだことを基にお話をしたいと思います。

まずは、各世代の光源についておさらいしておきましょう。
■第二世代:白熱電球=黒体放射の原理
フィラメント自体の電気抵抗によって熱せられ光を発する。
みなさんも経験から良くご存知のように、ランプ自身が熱を発するため、点灯中に触るととっても熱いです。室内温度にも影響を及ぼします。
■第三世代:蛍光ランプ(放電灯)=発光管内の放電によって発光
放電により流れる電子がガラス管内の水銀原子と衝突して紫外線を放射→蛍光体により可視光化。
■第四世代:LED=光(可視光)エネルギー変換素子
電気を直接光に変換するため効率が非常に高い。

次にLEDの特徴についてまとめます。
①寿命
「半永久的」という言葉が用いられることがありますが、LEDの寿命は30,000~40,000hと言われています。ちなみに光源の寿命を計る場合、そのランプの照度が70%減の時点を寿命とすると、LEDはおおよそ35,000hといったところでしょう。
1年(365日)毎日10h点灯で約10年。器具寿命が10年と言われていることから、おおよその場合、ランプ寿命が訪れる前に、器具寿命が訪れるという計算になります。
つまり、LEDにおいて「ランプ交換」という概念はありません。ですからLEDの照明器具はランプ交換ができません。
②熱特性
白熱球のように、熱や紫外線を出さないことが大きな特徴です。そのため、ショーケースやニッチ照明など、照射物の傷みを防ぎつつも強くてキレイな光を得ることが可能になります。
③電気特性
電気の流れが一方通行のため、器具の施工時には交流を直流に変える、また、低ボルトに変換する機器の接続が必要です。商品によっては、それらを内蔵したものも発表されています。
④グレア(まぶしさ感)
白熱灯や蛍光灯に比べると非常に小さい光源となるLEDですから、直視すると非常にまぶしさを感じます。どこに設置するのか?また、このグレアを抑えた器具を選定(メーカー側は作製)することが課題です。

さて、前回LEDに関する記事を掲載した際に、これまでの課題であった演色性をクリアした製品が発表され始めている。というお話をしました。
この演色性についても大変興味深いお話を聞くことが出来ましたので、紹介したいと思います。

まず、演色性とは、「色の見え方に及ぼす光源の性質」のことを言います。この演色性を表す記号がRa(アール・エー)。最高を100で表し、白熱灯がRa100、蛍光灯はRa80程度のものが主流です。

LEDで現在主流のものはRa90以上のものとRa70程度のものがあります。
ところが、カタログでこの数値を見て、演色性が高いことに安心してしまうのですが、ここに落とし穴があります。これが、(あれ?演色性が高いハズなのに、なんだか色の再現性が悪いなぁ。)と気付く所以です。
平均演色評価数(Ra)は、演色評価用試験色を試料光源と基準光で照明したときの色ずれの大きさを数値化したもので、基準光で見た時を100とし、色ずれが大きくなるにしたがって数値が小さくなります。
この試験の対象になる色は、No.1~8の8色においてのみ行われます。
そのため、下段の特殊演色評価用とされている「赤」「黄」「緑」「青」の他「人の肌色」などに対する色ずれは考慮されていません。
ですから、ランプのスペックが同じRa90であったとしても、A社の器具は肌の色を美しく再現することができてもB社の器具は美しく再現できない。ということもあり得るのです。


ところで、今回訪れたコイズミ照明さんでは、Ra90の高演色タイプとRa70の高効率タイプの二種類、それぞれ白色と電球色の展開があります。
商品発表の際に実際の光を見た感覚的な感想で、高効率タイプの白色がガーデンライトとしてはピッタリでグリーンの葉をとてもキレイに演出してくれるような印象を受けましたが、これは、「ハント効果」というある意味目の錯覚を利用したものによる影響でした。
ハント効果とは、物の色が照度の高い明るい場所では鮮やかに見える現象を言います。これを利用して、照度を高くする=光を強くすることによって、演色性をカバーした製品となって発表されたそうです。

今回のセミナーに関するレポートはこんなところです。
LEDに関しては、いくつかのセミナーを受け、カタログをはじめとする文献を読み、知識を深めてきましたが、学ぶほどに利用を躊躇してしまいます。
(まだ、室内に取り入れるには早いかなぁ?)というのが正直な感想です。
恐らくこれから、猛スピードで進化する商品群の一つであるハズLED。様々な施工例や各社から発表されるLED器具の性能を見ながら、まずは庭園灯や階段などメンテナンスが難しい空間の照明として、取り入れてみてはいかがでしょう。

コイズミ照明からは、現状、ご自宅についているダウンライトをLED器具に変更される際、既設の埋込穴を利用できるリニューアルプレートも発売されました。
コイズミ照明さんのセミナーを受けて、決して洗脳されたわけではありませんが、私の知る限り、現状に発売されているLED器具では、コイズミ照明さんの“cledy”が頭一つ抜きに出ているように思います。

 

【関連記事】
・2008年8月2日 2008年コイズミ新商品レポート
・2007年6月19日 電球vs蛍光灯


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5 コメント

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Unknown (さぶ)
2008-10-20 18:56:46
大変勉強になるレポートありがとうございます。
ハント効果という言葉も初めて耳にしましたし、演色評価色というのがあることにも「ふ~ん」と驚くばかりです。

ダイニングの白熱3灯ペンダントライトの球の一つが切れたので、ホームセンターに行かなきゃと思っていたので、いろいろ見てみましょう。
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Unknown (ogawa)
2008-10-21 12:48:33
今回は、様々な会社から出ている器具を並べて比較することができました。これは私たちのような仕事をしているものでも、なかなかわからないものですので、良い経験になりました。
演色性も万能ではないことを、改めて理解すると・・・器具の選定は、知れば知るほど難しくなりますね。
返信する
はじめまして (LEDマニア)
2009-04-22 00:56:49
はじめまして。LED関連のブログをやってます、LEDマニアと申します。
LED照明について、また、演色性について大変勉強になりました。
ひとつ質問があります。もしおわかりでしたら教えてください。
照明の第一世代は私も「ろうそく」だと考えていたのですが、最近読んだ本では照明に使える「白い光」の第一世代は「ガス灯」だと書いてありました。このあたりについて何かお考えがありましたら教えてください。
よろしくお願いします。
返信する
LEDマニア様 (ogawa)
2009-04-22 09:11:01
はじめまして。ご訪問・コメント、誠にありがとうございます。LEDを専門にブログを開設されている方に読んで頂けたとは・・・ちょっとドキドキしてしまいます。
さて、ご質問の件ですが、第一世代の「ろうそく」と並んで「ガス灯」が考えられると思います。私が勉強した記憶によると、「ろうそく」と「ガス灯」は並列で扱われていました。つまり、どちらも「第一世代」。この辺りの扱いは微妙ですよね。難しいと思います。
そして、そろそろ第5世代のあかり「有機EL」の開発も進みそうですよ。まぁ、わたしたちのもとに商品化されるのは、まだまだずっと先の話かも知れませんが。
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ありがとうございます。 (LEDマニア)
2009-04-22 20:25:49
ogawa様、ご回答ありがとうございます。
勉強になりました。
有機ELもそのうちきますね。興味あるところです。
今後ともよろしくお願いします。また訪問させていただきます。
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