引き続き、加悦SL広場に保存されている車両をご紹介して行きます。
今回は、前回までに記事にした2両が来るまで主力であった、キハユニ51形をご紹介します。
転車台の周りに放射状に伸びる線路、そしてその上にズラリと並べられた加悦鉄道の車両たち。当広場の注目ポイントの一つとなっているこの転車台一帯の最も右寄りにて展示されているのが、キハユニ51形です。
キハユニ51は、1936年に芸備鉄道(現在のJR芸備線)によって製造された車両です。その形式名が表す通り、三等客室と郵便・荷物室の合造車であり、車体の1/3は郵便・荷物室となっています。
加悦鉄道には1962年に入線し、車内を全室客室化、キハ51となりキハ10 18の入線まで活躍しました。1994年には荷物室を復元し、キハユニ51形へと復帰、現在へと至っています。
この車両の特徴は、なんと行っても前面に取り付けられたバケットでしょう。昭和初期、地方鉄道の気動車を中心に流行したバケットを装備した姿は非常に印象的です。バケットカーの保存車は幾つか例がありますが、大型のボギー車でバケットが取り付けられた車両は殆ど残されておらず、貴重な存在と言えます。
当然ながら、車内は木張りとなっています。床の若干ヨレた木材が軋むのはなかなかのスリルでした。
復元された荷物室。郵便物を仕分けしていたであろう棚が設置されていますね。棚の左に写る扉は施錠されていましたが、どうなっているのでしょうか。
次回も引き続き、加悦SL広場の車両をご紹介して行きます。
<物件データ>
設置場所:京都府与謝野町 加悦SL広場内
公開時間:10時~17時
撮影データ:2018年2月27日14時頃