いつも行く映画館ではもう最終上映です。まだ3週目なのに。原作の小説が完璧でボリューム満点なだけに、これを2時間にまとめるにはどこをどう削るか、あるいはどこを変えるかが悩みどころだったろうなぁというのが想像に難くないです。あぁ、そこカットしちゃったんだとか、そう変えたんだというのがいくつかありますが、もう仕方ないよなぁと思います。でも基本線は守られていて、十分原作の良さは出ていると思います。以下少しネタバレ。とにかく吉岡里帆がすごい。途中で吉岡里帆が演じているという意識がなくなって斎藤監督にしか見えなくなりました。原作の名台詞も全力で体現していて素晴らしかったです。特に「食い物にされるっていうなら・・・」のシーンはグッときました。映像もきれいだし、視聴率争いの表現(SNSの書き込みが画面にインサートされたり、ロボットとバイクのアニメーションが飛び回る)や、サバクの制作現場が徐々にチームとしてまとまっていく様や、ラストシーンの行城の「ジャンプ」もすべて含めて演出も秀逸。一方で残念な部分も多々。まず逢里が全く違う。原作に描写されたイメージと見た目が全く合ってないし、キャラもなんか違う。溢れるほどのアニメ愛の人という雰囲気が全くない。宗森もそう。健康的で体育会系のまっすぐな感じが足りない。ただの優男になっていて「そうか?」という感じ。二人とももうちょっと何とかならなかったんだろうか・・・。聖地巡礼のくだりがごっそりカットなのも残念。後日談的な要素な割には長い話しで、映像化するにはほとんどロケで大規模な撮影が必要なエピソードなのでカットは分かりますが、王子家の面々も見てみたかったな(笑)。あとチヨダコーキと黒木、鞠野も出してほしかったな。あとなぜフレンチクルーラーがエクレアに変わっていたんだろう。ミスドからオッケーが出なかったのかな?病室で行城からエクレアを渡された斎藤監督の「チョコじゃない」からの「おなか痛いですか?」「違います!」は絶対アドリブだろうなぁ。不覚にも笑い声が出てしまいました。タクシーでの王子のプロポーズに対する有科さんの「え?」からの王子の「え?」も最高。原作ではセリフは違いますが良いシーンだったので、あるかどうか気になってはいたんですが、そう来たかという感じです。柄本佑、尾野真千子、中村倫也といった主要キャストも良かったですし、劇中アニメもすごいレベルで作ってるなぁと。この劇中アニメを作るためにこの映画が7年もかかったという逸話も納得です。本当に良い映画です。何かの形で評価されてほしい。ひっそりとフェードアウトするには惜しい作品。Blu-ray出たら買うかもなぁ。
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