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「夜の蝉」

2006-10-11 | 小説
<円紫師匠と私>シリーズの第2弾。落語家(円紫師匠)と女子大生(私)という変わった組み合わせが贈る、推理小説です。

北村 薫 / 東京創元社
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この本は、「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」の3編を収録。「朧夜の底」はお友達の正ちゃん、「六月の花嫁」は同じく友達の江美ちゃん、「夜の蝉」は主人公(私)のお姉ちゃんに関わるお話になっています。円紫師匠と私のキャラクターも良いのですが、この脇役たちもすごく魅力的☆これを読んで、全シリーズが読みたくなりました~。

私は「朧夜の底」ですっかり正ちゃんのファンになったのですが、「夜の蝉」もオススメ!主人公とその姉は仲の良い姉妹とは言えないのですが、お互い不器用ながらも相手を思いやっていて、とても切なくなりましたっ。兄弟がいる人は、特に共感できると思います。

<円紫師匠と私>シリーズはミステリーですが、人が亡くなったりすることはほとんどありません。主人公が日常で出会ったちょっとした謎について、推理していく物語です。例えば、「朧夜の底」は正ちゃんのバイト先である書店で起こった謎について。平台に並んである本が書棚の方を向いていたり、書棚の中の数十冊が上下逆になっていたり、不思議なことが続きます。でも、円紫師匠に掛かれば、見事にこの謎が解かれます!

主人公の「私」は文学部の学生で、本や落語が大好きな女の子。物語には、いろんな本のことから、落語や吟など日本の伝統芸能のことがよく描かれています。私はそういうのにあまり詳しくないですが、読んでいると面白そうだな~と思いましたっ。


まだこのシリーズを読んでいない方は、第1弾の『空飛ぶ馬』から是非!漫画家の高野文子さんが描いた可愛い表紙も気に入っています☆

北村 薫 / 東京創元社
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