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岩千晶のつれづれ日記

教育工学を専門とし,高等教育における学習環境デザインに取り組むママ研究者の岩千晶が気の向くままに書いている日記

ハンヤン大学のCenter for Teaching and Learningの取り組み

2010年03月03日 | Weblog
今日はKwon先生講演の第二段!ハンヤン大学のCenter for teaching and learing(CTL)の活動について紹介します.


●CTLの基本情報

CTLの業務で60%は,教員向けの支援をしており,40%は,学生向けの支援をしている.スタッフは,ディレクターとPD2, アシスタント20名程度.専任の教員はいないが,各学部の教員が協力し合って実施している.教員向けの支援は以下に記すが,学生向けの支援は,英語で論文を書く方法,ロジカルライティングなどがある.
CTLが設置された背景には,政府からの指示があった.政府はCTLを設置しないといけないと指示し,各大学がセンターを設立した.この際,(就職に困っていた)多くの院生が職を得た.

●ハンヤン大学では教員向けに幾つものセミナーを開催

セミナーは,教員の経験年数に応じて,4段階の区別をしている.研修内容は,PBL,グループスタディ,PPT制作コース,MM制作コースなど科目ごとによって異なるセミナーを開催し,それぞれに異なるアプローチをしている.中でも,初任者と経験3,4年の先生に重点を置いたセミナーを実施している.

たとえば,初任者研修では,教え方,学生との接し方など半日の研修(4時間)を行う.ハンヤン大学の場合は,経験年数が長くなればなるほど,教員が授業方法を変えることが容易ではないという傾向があるため,①,②段階の教員へのセミナー,教育を実施しているとのこと(苦笑).定期研修として3月と10月に大きな研修をする.学期が始まる前に実施しておきたいためこの時期となっている.

①初任者 ②3-4年経験の先生 ③10年以上 ④20年以上

セミナーは,教育,教育工学,教育方法学などを専門とする教員が実施する.しかし,授業がうまい教員に協力してもらい,講師をしてもらうなどして,センターの教員だけではなく,学部の教員にも協力を願い実施している.

KWON先生は,センターだけで実施するのではなく,協力いただける教員を巻き込んでいくような活動が重要だという.一般の学部の先生方も「これだけの授業をされているのか!」という印象が,「私もやってみよう」という気持ちを誘発するからである.この,授業のうまい教員をどう抽出するのかに関しては,授業評価アンケートの結果を活用する.

ハンヤン大学では,学生からのアンケートなどの結果を通じて,評価の高い上位50名の氏名を公表している.(ちなみに,先生に対する学生の評価は給与などの評価にそれほど大きくは影響しない)

先生を集めて研修をする際は,専門を分けてすると円滑に進めることができる.そのためにはどういうグループに分けるべきかを調査していく.1回の研修の人数は30名以下で実施している.

また,ハンヤン大学の教員はセンターの実施する研修に出て,3ポイント得なければいけないということになっている(義務ではない).(セミナー出席1回=1ポイント)

●ハンヤン大学では授業コンサルテーションを実施

授業コンサルテーションという言葉は使われていなかったが,授業に対して課題を抱える教員への支援をするということであった.たとえば,リーダーシップ教育ではフレッシュマン教育(初年次教育)とのリンクの付け方をし,ある教員の授業を参観して,話し方,授業内容,PPTの提示方法などいくつかの評価項目を基に,その先生に対して授業改善のアドバイスをするような活動もある.

ハンヤン大学では,大きく4タイプの教員像を作っており,それぞれに対する支援や改善の方法を提示しているという.現在はこれをさらに16タイプに分類しようとしているという.

●韓国と日本の文化差によるFD実施方法の違い

日本の場合は,何か新しいことを決める際,学部から先生が集まり話をして決める.韓国の場合は,この方法だと時間がかかるため,3名ほど専門性を持った教員らで集まり大枠を決めてしまう.

その後,必要に応じて,各学部の教員の意見も聞く.但し,大学の教員の背景や考え方はかなり違っている.あまり異なる意見の人を呼んですることはしない.教育を専門とする教員,教育方法に長けている教員を中心に実施するという.お国柄ですね.

「(アメリカなどでは教員同士の学習コミュニティづくりに力量がおかれつつあるという傾向を受けて)セミナーだけではなく,教員同士で授業方法を学びあうようなコミュニティづくりをしたりはしないのですか?」という質問をしたところ,韓国では教育や教育方法を専門とする教員の意見は聞くけれど,教員同士同僚で話し合うという文化がないとばっさり(苦笑).だから,セミナーなどが適しているといえよう.

●先生を巻き込むためには
①印刷したNEWSLETTERが有効.WEBだと見ない先生も多いが,紙媒体だとちょっとしあい間に目を通す先生が多い.

②いろんな先生にまずは会うこと.菓子折を持ってドアをノックして,いろいろな先生に会いに行きなさい(と叱咤激励をいただきました.これは今までも実施していたことなのでこれからもやっていきたいと思います)

●センターの教員の立場,マインド
Kwon先生からは,センターの教員は以下のようにあるべきというお言葉をいただいた.
・デザイナーであるべき
・ファシリテータであるべき
・教員と大学のかけ橋であるべき
・他の人を助けたいというマインドを持つべき
・人と話をすることが好きであるべき


 「あなたは,どこをターゲットに授業改善をするのか.マニュアルは存在しないから,自分の大学にあったスタイルを,授業支援のプランを立てることが重要」「最初は人数も少ないし,人もいない.自分で歩いて先生たちを巻き込んでいくのよ」という言葉が非常に印象に残った.関西大学オリジナルのプランを立て,着実な成果を上げていくよう取り組んでいきたいなと思いました.Kwon先生,心の師匠として尊敬申し上げます.

我が家の医療費

2010年03月02日 | Weblog
昨年のこどもたちの医療費を調査した結果,約22万円かかっていることがわかった.ここに私の医療費を足すと…出産もしたし,ブログに書けないほどの額になっていることが判明.

こどもの医療費…ばかになりまへん.

韓国の漢陽(ハンヤン)大学のリーダーシップ教育の取り組み

2010年03月01日 | Weblog
先日,ハンヤン大学のKwon先生の講義に出席した.とても・・・とてもおもしろかった.今回はその一部,リーダーシップ教育についてご紹介♪

●オンラインコース(ブレンデッド)の必須科目
ハンヤン大学は,2005年リーダーシップ教育のオンラインコース(2単位)を立ち上げた(そもそもはテキサス大学が発祥の地である).これはブランデッドラーニングであり,半年に10回ほど講演会(大ホールでの)がある.オンラインコースは4学年ごとに異なる内容となっており,以下のとおりであるが,講演会に関しては全学年が共通講義として参加することになっている.

1年:どのように勉強したらいいのか,ハンヤン大学とはどういうところか,紹介,カレッジライフ,学習方法,コミュニケーション
2年:産業界について,リーダーシップとは何か?マネジメント
3年:リーダーとは何か?リーダーになりたければ何を習得する必要があるのか.オンラインコースを終わると,学生は「私は,,,になりたい」だから私は「英語を勉強する」→専門と結び付けるようになる.
4年:レポート まとめとしてポートフォリオを仕上げ

講演会ではサムソンの社長が来るなどして,どうやって今の位置にたどりついたのかなど苦労話を交えて話したりするような講義スタイル.企業の社長以外にも,NPOの代表,ジェンダーの取り組みをしている人など多岐にわたっているが,各世界でリーダーとして活躍している人物が講義をする.講義は全10回あるが,学生はそのうち6回以上出席しなければいけない.

●当初,リーダーシップ教育に反対した先生もいたが,学長の指示のもと必須科目に
実施当初,この取り組みに反対する教員もいたが,学長が実施することにしたため,全学的に広げて実施しており,2009年度必須コースとなった. 他の大学では実施していない.

●リーダーシップ教育と他の科目とのリンクが重要
リーダーシップ教育は,他の専門科目と必ず連携するように実施している.そうならないと,専門科目との関連性を意識したリーダーシップを持った学生を生み出すことにはならない.そのためには,科目とリーダーシップ教育を連携させる方法を先生方に習得してもらう必要がある.これをCenter for teaching and learningの教員ら25名が毎年交代しながらやっている. たとえばKWON先生は法学部の先生に,法学部の初年次教育とリーダーシップをどのようにリンク付け手教えるべきかについて,教えたと話しておられた.

●初年次におけるリーダーシップ教育への取り組みのモチベーションを上げることが重要
 このリーダーシップ教育の担当になった教員は,特に初年次に担当になった教員は,学生へのフォローをしなければならない.教員は20名の学生を担当し,研究室によんで,自己紹介をし,学生と仲良くなり,リーダーシップの進捗確認をする.オンラインコースをしっぱなしではなく,そのフォローとして進捗を確認したり話をしあったりすることが重要だと言う.初年次からリーダーシップ教育への取り組みの重要性や楽しさを理解すれば,その後上位年次においても自律的に学んでいく態度を育成できると言える.

●アドバイザ(修士院生)が重要な活動支援の担い手!
オンラインコースには小テストやレポートもされている.これらに対しては疑問などがあった場合は,アドバイザが対応している.アドバイザは,学生から寄せられた質問にすぐに対応することを重視している.アドバイザは,KWON先生など教育を専門とする教員の大学院生がなっている.
アドバイザに対する研修は実施していない.理由は「すでに院生などでいろいろなことを学んでいるから」ということ.KWON先生の院生だからこそいけると思う.院生同士での教えあいもインフォーマルに行われているのだと思われる.


雑感:全学的に必須科目にするとなると,やはりこのようなオンラインコースをとり,ブレンド型で講演やワークショップを交えるなどして進めていくのが妥当であると感じた.学生の動機を上げるため,コースへの脱落者を出さないためには,学生の進捗や状況を確認する担任制をしいているところ,アドバイザ(日本で言うTA)のオンラインコースでの対応が重要になるだろう.またリーダーシップ教育と従来の科目をリンク付けしようとしているところはすごいと思う.やはりこういう科目は他の科目との連動させていくことが重要.こうした意識を教員同士で共有していけているのはさすが.見習うべきところ.

りくとの大切な時間

2010年02月28日 | Weblog
毎日,さくのことで手一杯の私.なんとかりくとの時間を大事にしたいと思いつつもなかなかそれが難しい.けれど,夜寝る前に本を読む時間は私とりくだけの時間.(さくはもう夢の中なので…)

りくは本を選ぶのが楽しくて,にこにこして絵本を選んで持ってくる.そしてにこにこしながら聴いているが,終わりに近づくにつれて顔が曇ってくる.どうしたの?と聞くと,この本短い!といって怒っている.

私と過ごす時間が絵本では短すぎるみたい.じゃ,別の本持ってきたら?というと,今度は動物辞典を持ってきた.

え…辞典もってきたの?

さすがに全部読めなくて,それでもがんばってかなり読んだけれど,お互い疲れ果てて,もう明日にしようといって寝た.

それ以来,動物辞典は持ってこないが,毎夜のりくとの大切な時間はいまも続いている.これからも続けていきたいと思う.

烈火大斬刀は食器

2010年02月21日 | Weblog
朔久がシンケンジャーの烈火大斬刀を持ち出して,ひとりうろうろ.

よちよちとどこへ一生懸命歩いて行くのやら?と思ってついていくと,なんとそれをナイフや箸を収納している引き出しへ持っていき,そこをあけると中にしまって満足気に戻ってきた.(実際には箸の引き出しにはとどかなくて,その下にある引き出しになったけれど)

かなりうけましたー.

どうやらこの息子も几帳面らしい.

息子からのご褒美は虹でした

2010年02月20日 | Weblog
博士号がとれたよー

うれしいよーと19日からずっと家でほざいていました.
したらば,稜久が「ママ,花丸いっぱいいっぱいあげる.まるもいっぱいあげる.それで虹もいっぱいあげる」と言ってくれました.

花丸も丸もいただいたことがあったけれど,虹をもらったのは初めてだ.

息子よ.素敵なご褒美をどうもありがとうね

博士号取得しました

2010年02月18日 | Weblog
先ほど,審査委員会でパスしたとの連絡をいただきました.

うれしーよー.

博士号を取得することができました.

本当に,本当にうれしいです.

多くの人の協力があってこその博士号だと思っています.
それを忘れず,胸に刻んで今度の活動に活かしていきたいと思います.

嗚呼,今日はビールをがばがば飲んで,誰かに胴上げしてもらって,肩車してもらって,心斎橋辺りで騒ぎまくり,泥酔してタクシーに乗せてもらい,気づいたら朝になっていたというパターンを経験したい気分です.

でも実際は,家でごはんをつくって息子たちといつもどおりにすごします(笑)


集中するために欠かせないもの

2010年02月18日 | Weblog
PCに向かって論文を書いていると,欠かせないものがある.それはSWEETSである.決して上等なお菓子でなくてよいんです.何かちょっと気晴らしになるものがかなり重要.これが集中力をぐんと高めてくれる.最近の一押しはアルフォート.チョコとビスケットが大好きな私にはぴったりのお菓子.これがないとなんとも論文執筆がのりません.

アルフォート,また大人買いしなきゃ.

朔久はベビーサインの天才

2010年02月15日 | Weblog
えー,今日は親バカ日記を更新します.

先日まで自宅療養を入れると,半月近く朔久君と一緒にいる時間を過ごしました.どうせ一緒にいるなら,,,と思って始めたのがベビーサイン.

サインを通じて,彼の意志を受け取ることができたら,楽しいし,いろいろと便利かと思って始めました.

最初は,「おいしい」からはじめました.病院食でおいしそうなのがでてきたので,ほっぺをとんとんして,「おいしい」のサインを教えると,翌日にはご飯を食べておいしいと,「おいしい」のサインをしてくれるようになりました.

彼の意志がわかり,それからはなんだかご飯の時間が楽しみになりました♪調子に乗った私は,「おしまい」のサインを教えました.これも1日ですぐに覚えてくれました.

吸入のタイマーが切れると,朔久は「おしまい」のサインをして教えてくれます.ごはんを食べ,おなかが膨れると朔久は「おしまい」のサインをします.逆に,わたしが「おしまい」のサインをして,もうごはんがないことを伝えることも.これもすごく便利.

あと,朔久は本が大好きでもう同じ本を20回くらい読まされる.このとき,朔久が使うのは「もっと」のサイン.私が本を読み終わるや否や,朔久は「もっと」のサインをしてくれまう.ほかにも,いちごをおかわりするときに「もっと」のサインをしてくれることも.

イヤー便利です.

あとは,お薬を毎回飲ませていたので,薬のサイン.これもすぐに覚えた.きっとサインを通じて意思疎通ができて,朔久もうれしいのでどんどん覚えてくれる.

ほかにも「いたいいたい」「飲む」を習得しました.

10日ほどで一気にこれほどのサインを覚えてくれるなんて,朔久は天才!とママは思っています.これからもいろいろなサインを習得してくれることだろう…と思いつつ,もう仕事に行くからそんな時間はとれないなぁなんて気持ちも(笑)まあ無理のない,楽しい感じでやっていこうかなと.


入院,自宅療養は大変でしたが,朔久との時間をもてたことはとても幸せなことでした.

いろいろと落ち着いたらしたいこと

2010年02月13日 | Weblog
結果がどうあれ,いろいろと落ち着きそうなのが2月中旬.

この時期に絶対したいことがある.

それは大掃除.

研究のデータや書籍など,後手後手で積み重なっている…片付けなきゃと思いつつ,放置しちゃってた.えへ.

これを整理したい.

そして,フォルダの中も,全部整理して,何がどこにあるのかを理解できる状態にしたい.

欲を言えば,納戸のいらないごみも整理したい.納戸をプチ図書館にしたいと思っているので,この機会に余計なものを全部捨ててしまいたい.

さらにお庭においてあるいらないものを捨ててしまいたい.もう遊ばない砂場やお砂場道具をきれいに片づけたい.へんてこなつぼも捨てて,すっきりさせたい!

掃除掃除!

整理整頓!

これが2月にやりたいことです.掃除をして,部屋も思考も整理する!