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明日へ続く道

110228 ミニレッスン ~作文~ 「行動描写」

2011-02-28 | ミニレッスン
『早速ミニレッスンを始めます』
そういうと、ちょうど黒板を消していていた係の子が“今日のミニレッスン”と書いたカードを差し出してくれた。
ずいぶん定着してきたようだ。
“気持ちの表し方”と書いて、『今日は、復習です。前に難しい言葉を教えたんだけど、覚えていますか?』
 そう言うと、作文ノートの前のページをめくりだした子が何人かいた。
「あ、ノートを新しくたから、前のノートに書いてあったんだ」
そんな声も後ろの方から聞こえてきた。

ノートから、そのときのミニレッスンのメモを探し出した子が、手をあげた。
一人を指して尋ねてみる。
『最初の言葉は何?』
「こ」です。
 『そうだね。みんなも思い出した?ノートにきちんと書いているとふりかえることができるね』
 そして、黒板に黄色のチョークで、“行動描写”と書いた。

 “行動描写”は、“風景描写”と共に、ある研修会で筑波大学附属小学校の桂先生に教わった表現技法である。
 前年度の6年生でのWWでも好評だった文章表現の技だ。

 黒板に板書する。
 “漢字テストで100点だった。うれしかった。”
このうれしい気持ちをもっと表すには、
 “漢字テストで100点だった。ものすごくうれしかった。”
『でも、自分がした動きをくわしくあらわすと、もっと上手にうれしい気持ちを伝えることができます。みんなは、漢字テストで100点だったらどんな行動をするかな?詳しく言ってみて』
 子供達が口々に言っている言葉を取り上げて、二つの表現を板書した。
“漢字テストで100点だった。両手をあげてガッツポーズをした。”
“漢字テストで100点だった。家に帰ってすぐにお母さんに見せた。”


『この方が、どれだけうれしいか気持ちが伝わってくるでしょう。今書いてる作文の中に、気持ちを表す文章があったら、それを行動で表せないかためしてみよう』

(今日のミニレッスンの所要時間 6分)

 書く時間の後半で、ある子が作文ノートをもってきて、「これでいいんですか」と聞いてきた。ノートには、“ぼくは両手を頭にのせ、下を向いた。なぜなら、雪だるまが、こわれていたからだ”と書かれていた。『そうそう、うまい。よく書けているよ』そういうとうれしそうに席に戻っていった。
 この日に宿題となったふりかえり作文の中で、その子のノートに次のような文があった。
 “うれしかったことが2つあります。1つめは、行動びょうしゃでOKされたことです。2つめは、はじめて行動びょうしゃができたことです”


 今回、行動描写を教えたのは2度目となる。前のことを思い出しながら聞いたり、つぶやいたりしている子の様子を見ると、一度目の時よりも主体的にレッスンを受けているように感じる。
 同じことを一度教えるよりも、2度教える方が定着できるはずである。30分で一度のことが、15分ならば2度できる。5分ならば6回できる。これがミニレッスンの大きな効果。ミニレッスンの「ミニ」の大きな意味のひとつだと感じている。
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110218 ミニレッスン ~ 学び合い~ 「友達支援」「目標の持ち方」

2011-02-23 | ミニレッスン
ある研究の一環で、漢字テストの前に、漢字を学び合いで覚える時間をとっている。
今日は、その前にミニレッスンを行う。
前回の漢字テストで、合格点(100点)をとれなかった子が2人いた。
そのことのふりかえりからミニレッスンに入った。

『○○くん、なぜ取れなかったと思う?』
とれなかった子をクローズアップしたくはないが、
それを責める土壌はないだろうと思い、思い切って聞いてみる。
「教えてばかりで、自分がやっていなかった」

この子はいつも合格点をとれる子。
だから一生懸命、苦手な子の学習を手伝っていた。
そのため自分のノートをふりかえったり、友達に見てもらったりしなかったようだ。
一文字まちがって覚えてしまっていた。その結果、100点をとれなかった。

更に、うちのクラスでは名前をきちんと書くと10点プラスされる。
最高点は、110点となる。
名前で点数をとれば一問ミスをしても、合格点になるサービスだ。
それで100点に至った子もいる。
でも、この子は漢字ができるので、名前で点数をとる必要があまりない。
だから、10点とれる名前を書いていなかった。
100点をとれればいいのだから、110点はいらないと考えてしまうようだ。
同じような傾向の子が何人かてい、合格点を80点にすると80点分しか覚えようとしない。その結果、どこかでまちがってしまっていて、合格点にならない。

そんな話をした後、次の2つのことを示す。

・最後のたしかめが必要。そのとき、自分だけでは気がつかないこともあるから、友達の力を借りることも大事。
・確実に100点をとるためには、110点を目指す。100点を目指すと、90点、80点になる。


一つのミニレッスンで、教えることは1つ方がスッキリしそうだけど、2つくらいのことは覚えられるだろうと思い、連ねてしまった。


(今日のミニレッスンの所要時間、2分30秒)


漢字テストを採点し返却した後、あまり漢字が得意でない二人の女の子がこんなことを叫んでいた。
「やったー、120点を目指したら110点とった!」
どうやって120点をとろうと思っていたのかはよく分からないけど、ミニレッスンの話をしっかり意識していたようだ。
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ミニレッスン ~調べ学習~ 「参考資料について」

2011-02-22 | ミニレッスン
テーマにそって調べ、まとめるという総合的な学習の時間の中でのミニレッスン。
一番伝えたいことは次のこと。
(1)まとめている新聞やポスター、作文に参考資料を明記する。

更に、次にことも伝えておきたい。
(2)丸写しはいけない。
(3)たくさんの資料から調べられるとよい。

“今日のミニレッスン”を黒板に貼り、“参考資料について”と板書。
そして、学級文庫から絵本「ともだちや」をもってくる。
『先生が、この本をそっくりそのまま書き写して、先生の名前を書いて、
新しい絵本が出ましたって紹介したり、売り出したりしてもいいですか?』
「だめ」「ずるい」
『そう、先生はこの本を盗んだわけではないけど、それは、盗作と言って盗んだことと同じになってしまうんだね。』
『では、この本がらアイデアをもらって作品を出すことは?』
「それならいい!」
『それもあまり量が多いといけないことです。それに、やっぱりだれかから情報やアイデアをもらったのかは、きちんと伝えた方がいいよね。だから、もしアイデアをもらったのならば、そのことを参考資料として、きちんと書いておくようにします。その方が、読んでいる人が、だれからアイデアをもらったのかがわかるし、いただいた相手にもしつれいがないでしょ』
“参考資料を書く”と板書する。
『だから、今みんながまとめている新聞や作文にも、きちんと参考資料を書いておくことにしましょう。そして、この参考資料が多い人は、たくさんの資料から調べたことだから、いい調べ学習ができたということになるね』

この後の調べ学習では、多くの子が参考資料を明記していた。でも、やっぱり書かずに提出しようとした子も何人かいた。そんな子には、
『今日のミニレッスン、何やったんだっけ?』
と問いかける。
「あっ」
と言って机に戻る。
ほとんどの子は、それ以上言わなくても参考資料を書いてもってくることができた。
『ミニレッスンで何やったっけ?』と聞く方が、『さっき先生、何教えたっけ?』と聞くより思い起こせるように思う。
ミニレッスンという括りの効果なように感じる。

それから、参考資料をなぜ載せるかは、読んでいる人が他の文献にも当たることができるという意味も強いのかもしれないが、今回はそれはいれなかった。

(今日のミニレッスンの所要時間、5分)
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110215 ミニレッスン ~マルチ能力~ (漢字の覚え方)

2011-02-15 | ミニレッスン
今日は、専科の先生が急病で、急遽、マルチ能力を使っての漢字の学び合いに変更。
ミニレッスンは、以前やったことの復習にあたる内容にした。

 黒板には、「今日のミニレッスン」と書いた紙と、漢字のおぼえ方「言葉」「数字」と板書。そして、マルチピザにマインドマップを書き加えた模造紙を貼る。
 『今から5分間、ミニレッスンをします。今日は、マルチピザを使っての漢字のおぼえ方の復習です。「言葉」と「数字・図形」を使っての漢字の覚え方をまた確かめてみましょう。』
 「ああ、ミニレッスンっていうから、作文かと思ったけど、ピザのほうね」と、前の方の子のつぶやきが聞こえた。
 『まずは、「言葉」と「図形」を使った覚え方です。ういいちのひ・・・』って言いかけていたら、明らかに聞かずにドリルの漢字を見ている子たちが数名目に映り、全く関係のない話声が聞こえてきた。
 未熟にもカッとなって聞いていない子を大きな声でしかってしまう。
『たった5分がなぜ聞けないのですか。先生のことを無視しないでください。』 
 聞かない子供たちよりも聞かせられない自分がいけないのだが、分かっていてもついやってしまう。でも、聞くという態度、マナーを教えることも必要。こちらが短く話すように努めているのだから、聞く方もしっかり聞き取ろうとする気持ちをもつことが大事だと指導をした。
 そして、怒った顔マークと、下を向いた顔マークを黒板に書いて今の担任の気持ちを伝えて、しっかり聞いていた多くの子供たちに謝った。
 でも、そのおかげでその後の集中度がぐっと高まった。

 仕切り直してミニレッスンを開始。
 『ういいちのひは、ウ+イ+一+ノ+日で、「宿」です。こんなふうに言葉や形で覚えることができます。
『次に数字を使った覚え方です。一画一画声に出して画いていきます。』
と言って「発」という字を書き始める。
途中で、不覚にも書き順をまちがえてしまい、子供たちの指摘を受けながら、最後まで書く。全部で9画となる。
『「発」という字は、9画だから、それより少なかったり、多かったりしたらとまちがえてということもかわるね』と話した。
最後に『自分に合った学習の仕方をみつけて、全員100点を目指しましょう。もちろん「人」の能力を使って友達とやってもいいし、「自分」の力を使って一人でやってもいいよ』
と話して始めさせた。

 その後の20分間の学び合いでは、難しそうな漢字をバラバラにして覚えようとしている子が何人か見られた。ある女の子からは、「先生、ウ+イ+百の方が覚えやすいよ」との声があがった。一方で「宿」という字の最後を「目」にしているミニレッスンがなかなか反映されない子どもたちも見られた。

 (前段の説教を除き、今日のミニレッスンの所要時間、約3分30秒)
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110205 熟議!?の実践研修会

2011-02-06 | 東京コーディネーター研究会
昨日は、東京コーディネーター研究会の実践研修会だった。
今年度は、9月、11月、2月と3度の実践研修会を勉強会形式で行った。

過去2回はワールドカフェの手法を用いて、「校内体制」「学級づくり」「授業づくり」について意見を出し合ってきた。
第3回の昨日は、それぞれが1つのテーマにしぼってじっくりと話し合いをすることにした。
自分の担当は「学級づくり」。
集まったメンバーは、7人だったが、その7人の構成が何だかすごかった。
本研究会の野村会長。大学の教授として、これまでの日本の特別支援を作られてきた方だ。
そして、文部科学省の特別支援を担当しているH先生。
本研究会を立ち上げた通級指導のエキスパートの黒川先生。
コーディネーター研究会の中核を担っている運営部のメンバー
そこに、学校現場での声を発してくれる一般会員の方が加わった。

こんなメンバーで、今抱えている問題とか、学校・学級の現状とか、それをどう見取って、どんな手立てを立てていくのかとか、そんなことを出し合った。
これって、最近よく耳にする「熟議」ってものなんじゃないかと感じだした。
政策を決めているわけではないけど、教育会を支えている縦のつながりの人たちが膝をつき合わせ話し合っているこの研究会、何だかすごいなと改めて感心してしまった。

前回2回は、ワールドカフェのホスト役を担っていた自分は、マインドマップとにわかファシグラで、模造紙での記録を行っていたが、今回は、構成メンバーの様子から、そのやり方はとらないことにした。とりあえず机の真ん中に置いた模造紙に、話し合いながら考えたことを構わず紙上につぶやいてみてくださいとお願いをしてみた。
みんなこんなつぶやきには慣れておらず、そんなにたくさん書けてはいなかったし、話し合い上もあまり機能はしなかった模造紙だが、最後に見てみると、これだけのメンバーが同時につぶやいているこの模造紙が、とても価値あるもののように思えた。話し合いは目に見えない。担当の人が内容を記録してくれているのだけど、その記録は、当たり前だけど意見を言っている人の記録になる。聞いている人の考えていることは、見えてこない。でもこの模造紙は、簡単ではあるけれど、1時間以上の話し合いでのそれぞれの人の頭の中が視覚化されているように思う。こんなツールがやっぱり会議には必要だなって再確認した。
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110203 研究授業の視覚化

2011-02-03 | 教師力
若手の先生の校内での研究授業に携わった。
事前研、事前授業を共にして、研究授業を迎える。
そして協議会を行うわけだが、この協議会の時間が十分にとれない。
十分にとれない中でどれだけ有意義な会にできるかということを考えた。

そこで、研究授業が視覚化できるように、事前研からやりとりを模造紙に書き込んでいって見た。
それを当日の朝に公開し、授業後には、参観した先生たちに意見等を書き込んでいってもらった。

やっていることはファシグラとホワイトボードミーティングの折衷のようなものだろうか。
協議会は時間にしてわずか30分程度であったが、形式的な会よりは授業者、参加者にも実りあるものにできたかと思う。
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