TNK@BLOG

明日へ続く道

090906 夏の総括5 Mini-1(3)

2009-09-06 | 授業作りネットワーク
ミニワンのことを思い切って書いていたら、すごい人からいくつかレスをもらってしまった。
ちょっとびびってしまってはいるものの、背中を押してもらった気もするので
最後の決勝戦までふれておこうと思う。

決勝は更に自分のことはさておきの話になりそうだ。

決勝の3方は、いずれもすごい授業だった。
自分自身の予選での評価もこの3名が上位だったので、ちょっとホッとした。
とりあえず間違った評価はしていなかったようだ。

ミニワンの審査方法もいろいろご意見がある。
大した実績もない自分のような者が審査員をしているのだから当たり前である。
もっと、会場の声を聞いた方がいいという意見もある。
もっともな意見だと思う。
ただ、島田紳助氏の「自己プロデュース力」という本の中で本家M-1がふれられいて、
Mー1と普通の舞台の違い、舞台とテレビの違いが語られていた。
そして、M-1は会場やテレビのお客さんでなく審査員を意識する必要があるというような話があった。
やっぱりこうした企画には、ある程度普段と違う特性がつきもので、
どこかで割り切らなければいけないと思う。時間やシステム的な制約もある。
だから、このシステムの中で勝負しなければいけないし、
こちらは任された以上、精一杯審査をしなければいけない。
そう言い聞かせることにした。

さて、結果として、この3名の自分の評価は、全て9点の同点とつけた。
どの方もすばらしく甲乙がつけにくかった。
誰が一人でも頭一つ抜けてくれればと思ったのだが、その一歩がなかった。
ちょっと偉そうな言い方だけど、その一歩があれば申し分ない。
だから点数とすると10点までいかない9点とした。

しばさんの授業は、そつなく流れてはいかたが、
どこか一つ大きなインパクトがほしかった。
もちろん、普段通り流すことを否定しているわけではなくて、
あと一歩があれば、迷わず優勝と決めることができたということ。
あの場で日常をさりげなく出していてけるのは、やっぱりすごい。

山田さんの授業も、同様だ。
展開は文句ないと思う。思わず授業に入り込んでしまう子どもの姿が見えた。
やんちゃぼうずは特に盛り上りそうだ。
ただ、題材を辞世の句とした意図がもう少しアピールできれば、「うまい!」と
迷わず10点だったと思う。ちょっとそこを期待してしまった。
あとから山田さんにその話をしたら、やっぱりいろいろと考えはあったようだ。
7分という制約の中では、削ったり目をつぶったりする判断も必要だ。

中條さんは、初めに血液型で声だしで、ルールやリズムを慣れさせておいて
地方の特色を覚えることにつなげていく展開。
いきなり、地方名や特産などから入ったらきっともっとうまくいかなったはずだ。
7分という時間を見事に生かして、配分していたと思う。
ただ、血液型の声だしのテンポが良かったのに比べて、
本ネタの方は、テンポが崩れてしまっていた。
言葉が違うのだから仕方がないのだろうが、もし何かの方法でテンポ良く流れていたら、
こちらも迷わず10点をつけることができた。
中條さんは、いつも社会科ネタにこだわっている。
そこもすばらしい。社会科はちょっと難しいイメージをもたれている。
一部の社会科好きの子はいても、全体的に人気がない。
そんな社会科嫌いの子のためにもこうしたネタの開発が大事だと思う。

ということで、自分の中で順位は横一線だった。
でも、審査員の責任として、優劣はつけなくてはいけない。
だから小さなこだわりで、点数に差をつけて提出した。
それは、ここではふせておきたいと思う。

3回目のミニワンを、元チャンピオンとして、審査員として見ていて
ものすごく刺激を受けた。
逃げている人と向かっていく人では、やっぱり力のつき方が違う。
こうしてミニワンにかかわってきた一人として、
今挑戦しているみなさんに恥ずかしくない姿勢でいなければいけないと思った。

主催の土作さんもきっと同じ、それ以上の思いだったのだろうと思う。
やっと総括している自分とは違い、土作さんはもうとっくに次のアクションに入っている。

JUTの開催だ。
http://www.kyoin.com/jut.html

自分自身も成長のためにも、今後も積極的にミニワンやJUTとかかわっていきたいと思う
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

090903 夏の総括4 Mini-1(2)

2009-09-03 | 授業作りネットワーク
(5)山田さん
 昨年の大会のネタ検討を見せてもらってから、すごい人だなと思った。今年は、更に磨きをかけていた。随所に小さなネタを取り込んで、ずっと飽きさせない。しかも時間ぴったり。相当練ってきて、練習も積んできている。ただ、山田さんのすごさは、多くの小ネタよりも、合間の指示や発問、説明だと思う。自分の経験では、指示がちょっと違うだけで、その後の展開が平気で1分くらい変わってしまう。45分の授業ならばそれをごまかせるが、5分、7分の中ではそういうわけにはいかない。説明も同じ。ちょっと長いとだれるけど、それがないと内容がぼやける。山田さんの授業には趣意説明などが的確に入っていたはずだ。そうした言葉を磨き、要所要所に入れ込んでいるから、テンポの良さを感じるのだと思う。

(6)飯村さん
 理科の実験の導入のネタで、その後の学習にかかわる学習問題につなげていく展開。45分の授業、あるいはひとつの単元の中の一部としての7分がはっきり見える授業に挑んでいたところが、個人的には一番よかったと思っている。飛び込みの7分もいいけれど、やっぱり指導計画の中の7分を意識していかなければいけない。
 ミニワンの性質上つい小さなネタのアピールになりがちだけど、芯になる構成を意識して展開した方が飯村さんのやりたかったことがストレートに伝わった気がする。普通の授業+αが何となく要求されてしまうから難しいことなんだろうけど。
 今年から時間が5分から7分になった。この意図は、自分は2分間は何らかの子どもの活動の時間を入れ込む余地ができたと捉えている。全体を通しても感じたことが、その増えた2分で、本筋と直接関係のないネタをあまり入れ込みすぎてしまうと全体がぼやけてしまった気がする。

(7)神山さん
 家族や職場の人ともいっしょに練り上げてきたということが特によかった。本番にいたるまでのドキドキ感が伝わってきた。衣装とパフォーマンスでの入場の様子は、本人の個性を十分発揮していたと思う。「あれはわたしたちにはできない」ではなくて、「その人にならできる」ことができていることが大事だと自分は解釈する。
 ディズニーシーのマップを元に子ども役の人たちとやりとりをしていた。子どもがどのエリアを選んでも展開は変わらないのだが、何となく自分たちで選んで進めている気にさせられる。単純なしかけのようだけど、実際にスムーズに進めるのは思ったより簡単ではないだろう。低学年などは特に喜ぶだろうなと思う。

(8)中條さん
 ミニワンに3年続けて参戦されている。あの緊張の中に3回も身を置いたという事実だけで頭が下がる。そして着実に力をつけている。ただのおもしろ企画ではない価値のあるミニワンにしてくれているのが、中條さんだと思う。
 話し方、テンポ、間、明らかに1回目とは違う。一つ一つが自分のものになっていた。馬の面をつけて登場して笑いを誘っていたが、そのつかみネタの出し方、引き方も絶妙だったと思う。
 挑戦し続けることの価値を教えられた。審査員としてではなく同士として、自分ももっとがんばらなければという思いを持った。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

090902 夏の総括3 Mini-1(1)

2009-09-02 | 授業作りネットワーク
授業づくりネットワークの夏の集会でここ3年、Mini-1グランプリという企画をやっている。
奈良の土作先生が中心となってやっている企画だ。
5分(今年は7分)という時間の中で、若手?の先生達が授業の展開力を競う。
自分は、第1回に出場し、優勝した。その縁で2回目には、審査員となり、今年も審査員の役を頂いた。
このMini-1、いろいろなご意見やご批判もあるが、出場者の思いは熱く、授業力の向上にもつながっていく。これは自分自身が実感していることでもある。
今年の第3回大会では更にその価値を実感した。

自分は3度のミニワンにかかわってきた。それも参加者、審査員という立場で。
だからこのミニワンをもしかしたら、一番知っている存在なのかもしれない。
というようなことを池田修先生かわ言われたあるひとことで、ちょっと気づかされた。
だから、自分が感じるミニワンを少しでも書き残した方がいいのだろうと思う。
あれからもうずいぶん日が経ってしまったが、あのとき残しておいた自分の思いや感想を、夏の総括ということで今更ながらアップしておこうと思う。


(1)松久さん
 ミニワンのあの雰囲気、しかも3回目の今回は会場の人数も参加者も多くなった雰囲気の中でのトップバッターは、きっとものすごい緊張だったろうと思う。その中で、サッカーのユニホームを着て、リフティングで登場。これ以上ないパフォーマンスだった。自分の個性を120%以上出し切れることが本当にすごいと思う。
 ミニワンのあのようなパフォーマンスを見て、「自分にはできないから・・・」「本来のねらいは・・・」といった否定的な声を聞くことがある。けれど自分はそうは思わない。何もみんながパフォーマンスをやる必要はない。でも、中には授業では苦戦しているけど、パフォーマンスなら得意だという人もいるはずだ。そういう人は、それを取り入れればいいのだ。それを見せるのがミニワンだと思っている。
 明るさ、元気、サッカー技術、自分が生かせるものをもっていることはすごい。まずは、自分なりのそれをみつけることが大事だろう。そんなことを最初から考えさせられた。
 あとはそれをどう授業内容につなげていくか。笑いがあってもいい、パフォーマンスがあってもいい、ただ最後はやっぱり本来の教育内容へのつながりがどこまで垣間見れるかが高得点のカギとなるのだろう。

(2)田中聖吾さん
 まずはわざわざ九州から出てくるだけですごい!自分がこちらから九州に行ってやってと言われても多分無理だろう。ものすごいアウェイ感を感じる。
 田中さんも笑いが多く、とても明るく活気ある展開。やっぱりクラスには明るさ、元気さは大事だ。自分の好きな原監督を入れ込んでいるところも、自分らしさを武器にしていてとてもよい。グータッチで子どもとつながっていくのもいい。あとは、やっぱり最後はその個性をどう授業内容とつなげていくかが得点を決める。 
(3)西原さん
 プロジェクタやプレゼンソフトなどに頼らず、話術でもっていこうとしていたところがよかった。みんなといっしょでないということが、ミニワンの大きなポイントになると感じている。そこに挑戦しようとした気持ちが本当にすごい。
 子どもたちとのかかわりを大事にしすぎたところがあったが、恐らく芯となるネタはしっかりしていて、それをどう持って行くかの構成もできていたのだと思う。中核となるネタとか、自分が一番伝えたいこととかを伝えるために必要なことは何か、それを最後の7分から逆算にして考えておくと、無駄な部分が精選されて、西原さんの意図がストレートに伝わってきたのだろうなと思う。

(4)しばさん
 中学校の英語、すごい授業だった。それこそ自分らしさをしっかり発揮できている授業展開で、子役の人たちも、会場の人たちもいつのまにか、その世界に入り込んでいた。真似できることではない。でも自分らしさを知り、それを磨くことができればこういう授業もやっていけるということなのだろうと思った。
 しばさんは、緊張や欲がないように見えた。その分平常心だったようで、その落ち着きが授業にも表れていた。才能がない奴は努力で何とか上がっていくけど、才能あるとすぐにここまでこれてしまうんだななんて思ってしまったけど、多分日頃の授業の中で少しずつ身につけていった技術が、自然に出せるところまで高まっているということなのだろうなと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする