ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

むかし猫がいて

2013-11-03 | 今日のクロコロ
子どもの頃、お向かいさんが飼っているタマというネコがしました。


大人しいグレーの雌のトラ猫で、私が生涯初めて出会った猫でした。
お向かいさんは農家を辞め、たくさん借家を持ち悠々自適でした。
でもタマはペットではなく、ネズミ捕りとして飼われていました。
一度目にしたタマのご飯は魚の骨にご飯を混ぜた残飯でした。


タマは毎日のように遊びに来てくれ、友だちがいなかった私は
学校から帰ると、縁側でタマをなでながら、長い時間を過ごしました。
どこをなでると喉を鳴らし、目を細めて喜ぶのかもその時に覚えました。


両親は大の動物嫌いで、花を大切にしていたこともあって、父は
庭に野良猫が入って来ると、脅かすために小石を投げていました。
そのための小石も用意されていました。


タマは大人しかったので石を投げられたりはしませんでしたが、
快くは思っていなかったようで、私が可愛がることにも怪訝そうでした。


「私が大人だったら、絶対にタマをもらって大切に飼う」
「残飯ではなく、ちゃんとご飯をあげる」

何度そう思ったことか。


小さな世界に住む、小学生の私にとってタマは大きな存在でした。
どんなにタマが好きで大切だったか、言葉にできないほどです。



20年以上経ち、結婚した私はシンガポールで猫を飼い始めました。

今でも愛して止まない
ピッピとチャッチャです。


初めてトラ猫のチャッチャを見たとき、色は違ってもすぐに
「タマみたい!」
と、20年以上前の記憶が蘇ってきました。
2007年にピッピが、2010年にチャッチャが天に昇りました。


ピッピとチャッチャをもらってからさらに20年後、

今度はクロとコロをもらいました。
なぜか我が家に来る猫は選んでもいないのにオスで2匹ずつです。


猫が寝ている姿を見ると、今でもときどき、

タマを思い出します。


お互い無言で寄り添いながら、それ以上何もできなかった時間。

今ではこうして猫を飼い、守り、愛していけることに、
時折目頭が熱くなるほど、感謝し感動しています。


まだ生後1年ですが、これからも1日でも長く一緒にいられますように



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