ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

ロトルア行:ホワイトテラスとピンクテラス

2014-01-15 | 旅行
美しく透明で静かだったタラウェラ湖

その向こうには穏やかな稜線を描くタラウェラ山


しかし、128年前の1886年には、この山の大噴火がありました。



真夜中に始まった地震は徐々に規模を大きくし、タラウェラ山が噴火

3つの山頂が同時に火柱を上げ、その規模たるやオークランドや
南島のブレナムでも噴火音が聞こえ、
クライストチャーチでも噴煙が目撃されたほどだったそうです


その結果、120人とも150人とも言われる人命が失われ、

マオリの集落や観光客の宿泊施設も失われました。



今では住む人もいない、こんなに静かな場所ですが

当時のタラウェラ湖は世界中から観光客が集まる場所でした。


すぐ隣のロトマハナ湖に面して、世にも不思議な
ホワイトテラスとピンクテラスというものがありました。

テラスは温泉の沈殿物であるシリカというものが固まって
ガラスの棚田のようなものが自然に形成された場所でした。


世界の8不思議と言われ遠路はるばる観光客がやってきました。

テラスには温泉が流れ続け、ちょどいいお風呂になっていました。
名前の由来は白いテラスとピンク色のテラスがあったからです。
特にホワイトテラスは大きく、高さ30m幅240mもあったそうです。


テラスはテワイロアという集落に住む、マオリの一族が所有し、
彼らは世界中からの観光客を相手に、テラスまでの交通とガイドで
それまでの自給自足経済から、思いがけず貨幣経済に突入し
一財をなしました


タラウェラ湖とテラスがあったロトマハナ湖とはつながっていません。

わかりやすく地図を横にしました。
左の大きいのがタラウェラ湖。右の小さいのがロトマハナ湖


観光客は舟でタラウェラ湖を渡り、歩いてテラスに向かいました。

(※左の大きい部分がタラウェラの南端。小さな湖は噴火前のもの)
その間のロジスティクスはすべて現地のマオリ頼みだったのです。


シャトー・トンガリロに飾ってあったホワイトテラスの絵

それはそれは美しい
(※シャトーができたのは20世紀に入ってからですが)


何度も繰り返された大噴火で湖ができたり形が変わったりし、
ロトマハナ湖は従来の大きさの5、6倍に広がりそこに水が入り、
テラスは完全に水没してしまいました。
今でもピンクテラスの一部が湖底にあるのが確認されているそうです。


マオリたちは、観光業で一財をなした部族がカネ、酒、タバコ、
西洋から持ち込まれたきらびやかな物に溺れてしまったため、
天罰が下ったと信じているようです。


飯の種というよりも打出の小槌だったテラスがなくなり、

150年以上の時を経て、西洋人が訪れる前の静かさに戻っているのは
皮肉な話です。


近くでフラックスの蜜を吸っていたトゥイ

1世紀以上前の観光客もこの美しい鳥を眺めていたのでしょう。


これは2006年に行われた噴火120周年記念に埋められた
タイムカプセル

噴火200周年にあたる2086年に開けられるそうです。
さすがに生きてない



でも、見てみたかった~
ホワイトテラスの雪のような白さ
ピンクテラスの綿菓子のような甘いピンク



ここで耳寄り情報
実はあるんですよ~、
今でもテラスがぁ


ワイラケイ・テラスという温泉スパには

人工的に造ったテラスがあります!
(名前のとおり


コンクリで階段状にして

延々と温泉を流していれば、中のシリカが沈殿&固まって
テラス完成
触るとガラスというよりも岩のようにカチンコチンです。


天然ではないもののかなり雰囲気出てます。
涼しくなったら、また行きたいな~



ということで、いよいよロトルア行、これにて終了
(※はー、やっとトンガリロの話が始められる~


ちんたら旅行記にお付き合いいただき、ありがとうござしました。
(タラウェラに関してはコチラでもどうぞ)


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