ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

約束の虹

2009-05-13 | 移住生活
89歳の友人ベットが今日、入院しました。

ここ数週間、体調が優れず、健康に自信がある人だけに精神的な打撃で動揺してしまうことがしばしばでした。この一件からすでに3週間経ちましたが、状況は改善どころかむしろ悪化していました。

今日も彼女をかかり付けの主治医に連れて行ったものの、精神的にかなり疲弊しているため、医者の指示で入院させることに。確かに独り暮らしではかなり限界に来ていました。みんなが届けた食べ物で食事だけはとっていたようですが、電話や付け届けで支えられるものにも限りがあるでしょう。

入院するとなったらむしろホッとしたようで、
1、 猫の世話
2、 親戚への電話
3、 隣人への連絡
4、 友人数人への電話
とテキパキと指示が飛び、それぞれの電話番号や住所を控え、迎えに来た救急車(今日のところはほぼタクシー代わり。NZの救急車は有料です)に乗るところまで見届けて別れました。

帰りしなに、彼女の友人宅と友人の店により入院を知らせ、彼女の家に行って猫の水・ご飯、戸締りを再確認し、隣人に用件を伝えて帰宅。帰ってからも親戚・友人に電話を続けたものの、みな冷静で、
「いいタイミングだと思う。」
とのこと。

独りでがんばってきた疲れが出ていたようなので、ここで十分なケアを受けながらせめてゆっくり眠ることができれば、と思います。

「明日には帰るわ。もしかしたら今夜にも返されるかもしれないわ。帰れることになったら電話をするから。じゃ、また明日ね!」
と相変わらず強気一点張りなベット。

その強気の鎧を脱いで、
ふーっとチカラを抜いて、
ぐっすり眠れることを、
祈ってます。

帰り道にかかっていたアーチのように大きな虹。

「心配しなくても大丈夫!」
と誇らしげに輝く約束の虹のようでした。

そう彼女の心臓は今でも力強く鼓動し、血圧もいたって正常。足腰もしっかりしていて、クリニック内でもスタスタ歩いていました。

強気ではなく元気という名の自信さえ取り戻せたら、またいつもの生活に戻れそうな気がします。

押してもダメなときは引いてみるのも手。

一緒にこの壁を乗り越えよう、ベット!