ニュージーランド移住記録:みたび

移住は帰らなくてもいい終わりのない旅。人生そのものも旅。そして気づき始めたあの世への旅。旅と夢限定ブログ

白いネグリジェのスー:些細な誤解

2019年09月09日 | 夢の周辺

ややご無沙汰していました。
多忙旅行で更新が疎かに
今日からいつものペースに
戻りたいと思います(祈)


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2回り年上で同じ寅年
今年81歳になる、スー


彼女とは民族や年齢を超えた
理解と共感がありました。


その中でも一番の共通点は
本当の孤独を知っている
ことだと思っていましたが、
彼女は若い頃の辛い経験が
尾を引いているのか、
人付き合いには慎重で
なかなか心を開きません。


私たちはボランティアで
知り合いました。人の善い
優しい仲間が多い中でも、
スーは頑なな態度や発言で
孤立してしまいがちでした。


私はできる限り中立に
スーの人付き合いの悪さ、
というよりも未熟さを
受け流すようにしていました。


私たちはNZの美しさへの
愛と称賛では一家言を持ち、
海よりも山や湖が好き
(海派のキウイの中では少数派)
南島より北島が好き
(NZの観光地は南島に集中)
という共通点もあり、旅の
話が尽きませんでした。


「だから私は海外に行かないの。
前は行ったけれど、そのたびに
やっぱりNZが一番いい!
と思って帰って来るので、
もう行くのをやめたの。」


「そうね。私もそうだわ。」
深く考えずに、私は相槌を打ち
話を流してしまいました。


NZが一番いい!
というのは揺るぎなく、
その点は私の本心でした。


その会話は2015年頃の話で、
今に続く一連の海外旅行や
海外不動産投資を始める前で
私も日本や香港への里帰り
以外では、まったく海外に
行っていませんでした。


それが2016年に入るや、
夫が思いがけず
「旅行元年」宣言を出し
年に何回も海外に出かける
今の生活が始まりました。


ちょうどその頃からスーは
ボランティアを変わり、
私たちはなかなか会う
機会がありませんでした。


2017年に入ってみんなで
集まったときに、珍しく
スーもやってきました。


他愛もないおしゃべりの中で、
70代後半の仲間の1人が、
「知ってた?この子ったら
ハワイのホテルの1室を買って
これから毎年行くのよ
と、私を話の肴にすると、


スーは燃えるような瞳で
私を見つめ、無言でした。


失望を露わにした硬い表情に
私は取り返しのつかない事態に
なったことを悟りました。


人付き合いに慎重で、なかなか
心を開かなかったスーの心は
私に対してもピシャリと閉じ、
2度と開きませんでした。


スーは仲間の中から完全に消え、
誰が誘っても来なくなりました。


些細な誤解を解く機会もないまま
月日が流れ、スーはときどき
白い清楚な木綿のネグリジェで
夢に登場しては、彼女そのままの
声と仕草で声をかけてくれます。