「私」は家族らしき数人と自
宅らしい家にいました。背後
から人の話声が聞こえてきて
和やかな落ち着いた雰囲気。
「私」は廊下に立っていて、
これ以上はない笑顔で見下ろ
しています。下によちよち歩
きの小さな女の子がいます。
立っているのもやっとのお誕
生前と思われる女の子です。
「私」を見上げ、女の子はゆ
っくりと両手を挙げ、まるで
「抱っこ」と言わんばかり。
愛らしい姿に「私」は感無量
で、抱き上げることも声を出
すこともできませんでした。
「〇〇が手を挙げたわよ~」
とやっと口にできた叫び声。
親と思われる若いカップルが
「ホントだ!手挙げてるよ」
と感動の面持ちで言い、辺り
に光と喜びと幸せが静かに満
ちていくように感じました。
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思い出せるのはたったこれだ
けの一場面ですが、起きてか
らも胸の中に仄かな温かさが
残っているような夢でした。
歩けるほどの赤ちゃんはそれ
以前に「抱っこ」とせがめる
はずですが、なぜかみんなで
その姿に感動していました。
さて、この赤ちゃんは誰か?
①知り合いの妊娠が発覚して
「女の子」というお告げか
②若いカップルは次男とガー
ルフレンドのようでもあり、
「私」の「初孫」か
これが一番確率が高そうな、
③次男たちが飼っている保護
犬「ベス」の擬人化かも
私は犬を飼ったことがないの
で、いまだにベスが前足を挙
げて再会を喜んでくれる姿に
心から感動しています。夢の
中の感覚もそれに似ていて、
慕われることの幸せなのか。
赤ちゃんの万歳を見るまで、
他の大人との会話があり状況
がもう少しはっきりしていた
のに、あの笑顔を目にするや
すべての記憶が飛んで、〇〇
という名前さえ思いだせず。
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ここまで書いて早数日経過。
今になりさらに浮上してきた
④2月3日に永眠した母かも
という突拍子もない発想。な
ぜか夢から覚めたときも母の
ことが頭に浮かんだのです。
私がビデオ通話で目にした生
前の母の最期の姿は万歳で、
居合わせた私たち夫婦、長男
と妹夫婦は、揃って驚きと喜
びの声をあげたものでした。
腕を挙げている寝たきりで
もこんな体力が残っている
その3日後に母は逝きました。
家族が揃った場と万歳という
設定が共通しており、私に母
を起想させるお膳立てが揃っ
ていたように思えるのです。
笑顔で見つめ合うことなど物
心ついてからなかった母子。
すべてが終わった証左なのか
夢は深淵です。