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獣害を裏返せ!

獣害に関する状況と対策の最新ニュース。他地区での取組や状況を知り、「マイナス」を「プラス」に転じよう!

【101120】鳥獣管理士が始動

2010年11月25日 | 獣害-対策:全般
鳥獣管理士が誕生したという記事は、これまで数回取り上げてきました。
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【101001】鳥獣管理士:17人の修了式、宇都宮大で 獣害対策に活躍期待
【100921】里山守る「鳥獣管理士」、宇都宮大が新資格
【091116】『鳥獣管理士』 講座

今回は、鳥獣管理士が取り組みを開始したという11月20日付の日本農業新聞の記事。

自分で取材をした訳ではなく、記事からしか判断できないので事実と異なる、あるいは偏っているかもしれませんが、よりよい形になって欲しいという意味で意見を言いたいと思います。

まず、記事にある「鳥獣管理士の役割」については、こう書かれています。
1.専門知識を生かし、地域内のつながりを育てる役目を担う
2.目下の問題である鳥獣害を解決し、地域が将来に明るい展望を描くところまでコーディネートするのが仕事


鳥獣管理士が担う役割は、すごい内容です。
普通に考えれば、「地域内をつなぐ」だけでも大仕事です。

ただここで問題だと思うのは、結局のところ「問題解決型」であるということ。
これは皆が共有している難しいシビアな問題なだけに、ある意味一番手をつけやすい(解決し易いと言っている訳ではありません)。

記事の中で、管理士のお一人が「対策を押しつけるのではなく、どうしたら一番よいか一緒に考えていきたい」と抱負を語っています。
これを読む限り、やはり「獣害対策の枠組み」の範疇で考えているように感じます。
言葉尻を捕まえて、敢えて先程の管理士の役割の流れから換言すると、「獣害が解決したら地域に明るい展望が見えてくる」というイメージ。

地域が将来に明るい展望を描くコーディネートをする時に、私は問題解決型の手法では達成できないのではないかと思っています。

記事では「住民みんなで取組むのがいいのは分かっているが、なかなか簡単にはいかない」ことに対し、鳥獣管理士の働きに(住民は)希望を託している、とあります。

簡単にいかないのは分かっています。だからといって、働きに希望を託していいのでしょうか。
そもそも、誰かに希望を託していると考える時点では、将来展望は見えません。

そう考えると、この地域で仮に獣害がなかったとしたら・・・今のこの地域に明るい展望があったと言えるでしょうか。

ここまで落ち込んでいない、耕作を放棄する要因が減っているという事実はあるでしょう。
しかし、獣害があろうとなかろうと、将来展望を持っている地域は存在し、逆もまたある。

つまり、獣害を解決することでマイナス要因が減ることは間違いないが、地域に明るい展望が見えてくる訳ではない。
今の対策は、あくまでもマイナスの消去に過ぎないと考えるべきです。

じゃあ、どうするのか。

鳥獣管理士の専門性が大変貴重である。このことに異論はありません。

何度も主張していますが、要は一人で抱え込むべきではない。
そして、農村の問題は獣害一つではない。
様々な専門家がネットワークしながら集落に関われる仕組みを作らねばいけないと考えています。

そのためにも、無報酬ではなく経済的にも循環する仕組みをはじめに組み込むこと。
行政支援ではなく、地域で自立し、地域で専門家を雇う仕組み。
つまり、ブログのタイトルにあるように「害を裏返す」ことを大前提にスタートしなければ、マイナスの消去どまりです。

プラスを仕組む。その延長線上に、ようやく将来の明るい展望が見えてくるのではないでしょうか。


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