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Nonのひとりごと

大好きなお菓子のこと、グルメ、出会った寛ぎの空間、映画、仕事のことなど、私のたわいもないひとり言を綴ります

「大いなる陰謀」「ミスト」

2008-07-21 16:51:23 | 映画
  29 大いなる陰謀

   ロバート・レッドフォード監督作品。
   出演はロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、
   トム・クルーズの豪華な顔ぶれ。

   対アフガニスタン・テロ戦争の問題をベースにして
   政治家やジャーナリスト、戦場の兵士のそれぞれの
   心情が交差する社会派作品。

   まるで舞台劇のような静と
   戦場の動が交互に語られるのがとても印象的。
   兵士の現状など知るよしもなく陰謀を腹に持ち
   机上で語られる絵空事のような政治家の企み。
   人の命など物ともしないその企みを暴こうとする
   ジャーナリストの正義。
   しかし、政治の陰謀にはあらがいようもなく
   悲劇が生まれてしまう…

   現実にこういうことが起こっているだろうことが
   予測され、胸がひきちぎれそうになる映画だった。

  30 ミスト

   スティーブン・キングとフランク・タラボンの
   組み合わせといえば
   「ショーシャンクの空に」と「グリーンマイル」。
   どちらもいい映画だが、「ショーシャンクの空に」は
   特に好きな作品だ。
   そんな2人が久々に組んだのがこの「ミスト」。

   2人が組む、しかもタラボンだからただの
   ミステリーではないと期待がかかった。
   ミスト…霧…
   その霧の中に潜むものはいったい何?
   恐怖とパニック。
   それを人々はどうやって乗り越えようとするのか!?
   中でも閉じ込められた空間で狂信的な女の存在が
   どんどん大きくなっていく様は
   宗教の違いはあるが、本当にありそうで怖い!

   そして最後に迎えるショッキングな結末。
   これは、たまらない!辛すぎる!
   主人公を救いたくても救えない私たちがいる。
   この結末が原作とは違うカ所であり、
   スティーブン・キングもタラボンの演出を
   快諾したということを聞いた。

   

映画の予告編 

2008-07-20 23:08:26 | 映画
  映画の予告編は、次の映画を見る時の参考になるが、
  「アイアンマン」はどうなんだろう?
  予告を見る限りはすごくおもしろそうなのだが、
  もしかしたら期待はずれになる可能性も秘めている。
  「トランスフォーマー」に続く第2弾という気がするのだが…

  実は「トランスフォーマー」は大好きな映画なのだ。
  日本のアニメのようなところが気に入ってて
  あの乗りがすごく好きなのだ。
  あれを期待してもいいのか、悪いのか…

  「ハムナプトラ3」の予告も見た。
  ブレンダン・フレーザーはハムナプトラシリーズ以外では
  見かけないが、あれは、はまり役だね。
  相手役のレイチェル・ワイズがまた良かったのだけど
  今回は女優さんが違うみたい。
  残念だ~。
  ある意味、B級作品っぽいが、お金はかかってるし
  出来がいいんだよね。
  そういった意味でも今回も期待してるのだけど…

  でも一番気になるのは「20世紀少年」。
  浦沢直樹原作の漫画の映画化。しかも実写。
  え~!?大丈夫?と思っている私…
  漫画はおもしろい!スケールがでっかすぎて実写でいけるの?
  ってすごく心配している。
  しかも主演が唐沢寿明…。イメージが違うんだけど…
  見るのが怖いけど、でも怖いもの見たさで
  多分、見に行くと思う。
  頭から当てにしないで絶対見ないものもあるけど
  これは一応、見に行く気にはなっている。
  さて、どうなのか…?!
  

繋がってる…

2008-07-19 07:47:50 | 映画

  いくつか映画を観ていく中で「へえ」と気づくことがある。
  先ず、「ノーカントリー」に出ていたジョシュ・ブローリン。
  知らない俳優だったのだが、その容姿と名前で
  ジェームズ・ブローリンの息子ではないかと気づいた。

  ジェームズ・ブローリン…あの傑作「カプリコン・ワン」の
  宇宙飛行士役がとても印象深かった。
  他にも子どもを誘拐され必死に探す父親を好演した
  「ニューヨーク/ジャグラー25時」。
  クラーク・ゲーブルを演じた「面影」という作品もあった。

  そのジェームズ・ブローリンがリチャード・ギア主演の
  「ハンティング・パーティ」に出ていた。
  全く気づいていなかった私。パンフを見て、あ~。
  キャスター役でちょっとイヤな役だったけど
  懐かしいわあ。

  そのジェームズ・ブローリンの実の息子が
  ジョシュ・ブローリン。

  そして、最近チョコチョコと映画にまた出始めた
  「ブラック・サイト」や「ジャンパー」の
  ダイアン・レイン。
  今、名前を忘れたけど、ショーン・コネリー出演の
  「氷壁の女」などに出ていたカッコいい俳優と結婚してたけど
  離婚した…というのは知っていた。

  そのダイアン・レインの今の旦那さんが
  なんとジョシュ・ブローリンなのだ。

  繋がってるね~

  ところで、最近、ショーン・コネリーはどうしてるんだろう?



映画「ブラックサイト」

2008-07-18 18:22:20 | 映画
  28 ブラックサイト

  インターネットが欠かせない時代になった。
  私も仕事上、どうしても必要なのでネット検索を
  しない日がないくらい活用している。
  便利な反面、顔や名前が見えないので悪用されることも多い。
  ネット犯罪は、今、増加の一途をたどっているという。
  そんなネット社会を震撼とさせる映画が「ブラックサイト」だ。

  いや、怖い!本当に怖い!
  ネットの映像に映し出されるのは何と公開殺人の場なのだから。
  監禁され身動きできない人物の姿がライブで中継され
  アクセス数が増えれば増えるほど、その人物の死が早まる。
  物見遊山で見ている人たちはまさか自分たちが見ることで
  その被害者が死ぬ目に遭うなどとは思わない。
  自分たちが共犯者になっているってことなのだ。
  とにかく怖い設定だ。

  姿を見せない残虐な犯人に立ち向かうのは
  FBI特別捜査官ジェニファー(ダイアン・レイン)。
  コンピューター犯罪のエキスパートで相棒のグリフィンとともに
  クレジットカード詐欺などの犯罪を取り締まっている。

  大胆に仕掛けて来る犯人の罠。
  処刑のシーンは辛い。辛すぎる。
  自分一人くらいいいだろう…という心理をうまくつき
  しかしそこに映し出される被害者の姿はあまりに残酷だ。

  夫を亡くし、一児の母であるジェニファーは
  自分の母親と3人で暮らしている。
  そんなジェニファーが果敢に犯人に挑んで行く。
  母として捜査官として、凛とした姿勢で悪に挑む
  ダイアン・レインは久々にカッコいい。
  さすがに老けた感は否めないが、いい味が出て来たと思う。

  相棒のグリフィンが犯人に捕まりその餌食になろうとしている
  その最中に見せるグリフィンの捜査官としての姿がまた
  素晴らしいし、痛ましい。
  胸がえぐられそうになる。
  そして相棒を失ったジェニファーの心の痛手…

  こんなネット犯罪はあっちゃならんと思いつつ
  でも本当にありそうでゾッとする。
  真似する人が出てくるのではないかとヒヤヒヤする。

  ブラックサイト…人々の好奇心が殺人を呼んでしまう
  あってはならない現実を思わせる映画だった。

  
  


映画を見る時

2008-07-11 17:06:24 | 映画

 映画を見る時、何を基準に選ぶか…

 先ずは予告編。見ていておもしろそうだなと思ったもの。
 雑誌や新聞の評やあらすじで決めることも。
 それともちろん大ファンの俳優さんの出演作品。

 ヒュー・ジャックマン、ジョージ・クルーニー、ハリスン・フォード
 トビー・マグワイアー、マット・デイモンetc.
 あれっ、女優さんがいない…
 そうですねぇ。最近好きなのは、ニコール・キッドマン、
 ダイアン・クルーガー、エヴァ・グリーン…
 探せばもっといるはずだけど…

 もちろん好きな監督作品ってのもある。
 最近では「ボーン・アルティメイタム」のポール・グリーングラスや
 「ヴァンテージ・ポイント」のピート・トラヴィスなんて
 とっても気になっている。
 クリント・イーストウッドはすごい才能を持ってると思うし
 やはりスピルバーグもはずせない。
 昔はジョン・バダムとか好きだったんだけど…
 いろいろ思い出しているとキリがなくなるけどサ。

 映画を見る時、予告編ははずせない。
 次はこれを見ようと決めてにもなるし、
 映画を見る時のワクワク度がここから始まるから。

 昔は、映画を見る時は絶対食べ物なんて食べなかった。
 私にとってすごく神聖な場所で、飲み食いするなんてもってのほか!
 今じゃあ、おなかがすくから絶対食べるけどね。
 やっぱり3本、4本続けて見るとなると外で食べてる暇なんてないし。
 そういう意味では映画の見方も随分変わったもんだと思う。

 

映画「ネクスト」

2008-07-10 17:13:36 | 映画

  27 ネクスト

  2分先の未来が見えるって嬉しい?
  映画の予告編を見た時、
  「2分先の未来が見える?」って何が魅力なんだ?
  だから期待していなかった…

  ところが意に反して、これがなかなかおもしろい作品だったのだ。
  主演:ニコラス・ケイジ
  監督:リー・タマホリ(007/ダイ・アナザー・デイ)

  2分先の未来が見える予知能力者クリス(ニコラス・ケイジ)は
  その能力をマジックという職業でカモフラージュし
  ラスベガスのショーで生活していた。

  もちろんその2分先が見える能力はマジックで活かされるが
  何がおもしろいかというと、2分先が見えるだけに
  やり直しがきくということだ。
  何度でも何度でもやりなおしがきくのだ。
  それはそれは便利だが、わずか2分先なので
  かなりの体力、能力がいるだろうな…。

  そんな彼の能力に目をつけたのはFBI捜査官
  クリス(ジュリアン・ムーア)。
  核兵器テロの捜査協力を要請するが、クリスは断る。
  そしてFBIと巨大テロ組織を相手にたった一人で戦いを始める。

  そんな中でおもしろいのは、クリスは恋する女性の心を
  射止めるために、何度も何度も2分先の未来を予測し
  失敗を成功へと導くところ。こういうシーンは初めて。
  新鮮でおもしろかった。

  しかし、彼女との出会いは、運命づけられているかのように
  昔から見ていた予知能力だった。そこがちょっと都合がいいのかな?
  と思わせる部分ではあるけど、まあ、許そう。

  派手なアクションが始まり、2分先を予測しながら
  逃げていくところはよく考えられていてとにかくスピーディ!

  最後、捕まった彼女を探す予知のシーンは
  ちょっと不思議なとらえ方ではあるが、見せ方としては
  なかなかユニークだと思う。

  たかが2分、されど2分…。
  2分先をこれだけおもしろく見せた映画はないのではないかと思う。
  私の中では、ナショナルトレジャーに続いて、
  ニコラス・ケイジを高く評価する映画になった。

  どうも今まで、こけることが多くて…

  

映画「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

2008-07-09 18:51:53 | 映画
  26 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

  6月に見た映画の1本。
  ダニエル・デイ=ルイス主演の
  アカデミー賞主演男優賞と撮影賞を受賞した作品。

  20世紀初めのカリフォルニア。
  一人の鉱山労働者が苦労の末、石油を掘り当てる。
  採掘によって富と権力を手にしていくのだが
  ここでアメリカンドリームの話が始まるのかと思いきや
  果てしない欲望は、男を怪物へと変えていく…
  そんな話なのだ。だから、かなり重い。

  先ず、音楽が重い。
  音楽グループのギタリストジョニー・グリーンウッドが
  手がけ、意外性に満ちたアプローチと書かれてあったが
  とにかく、次に何か不吉なことが起きそうな音楽ばかりで
  そこが狙いだったのかもしれないが、私には重すぎた…

  大地から噴き出すどす黒い石油は大金を生む黄金だが
  その色同様に人を狂わせていくのが象徴的に語られる。

  最初は淡々と語られる石油の鉱脈探し
  そして採掘…
  当時の人の行う作業では事故はつきもの。
  ダニエル・プレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)本人も
  事故で足を悪くし、仲間は子どもを残して死ぬ。
  その子どもを引き取り育てるダニエル。
  ああ、やさしい人なんだ…と初めは思った。
  しかし、その子どもさえ、相手の警戒心を解くための道具。

  ダニエルの石油があるという勘とその土地を買い叩く手腕は
  才能そのもの。富と権力を手にし、その油井のある町も賑わう。
  ここでネックになるのは、町の若きカリスマ牧師イーライの存在だ。
  イーライにしてもダニエルは共同体の秩序を乱す疎ましい存在。
  ある日、油井やぐらの爆発で息子のH.W.が吹き飛ばされ
  聴力を失ったことで、ダニエルの態度は変わっていく。

  他人を信じず、富と権力のみを求めて巨大化する彼の欲望は
  確実に彼の人生を、そして魂を狂わせていく。

  いやあ、まさに怪物…
  ダニエル・デイ=ルイスの鬼気迫る演技。
  息子のH.W.が父親だと慕いつつ、信じられなくなっていく
  様子が痛々しい。
  父と慕う息子の心を傷つけるだけでなく、
  弟と名乗りを上げた男を殺してしまう。
  怪物がどんどんどんどん頭をもたげてくる。

  石油は人を狂気に追いやってしまうのだ。

  監督は、「ブギーナイツ」「マグノリア」の
  ポール・トーマス・アンダーソン。

映画「ハンティング・パーティ」

2008-07-02 18:29:51 | 映画
  25 ハンティング・パーティ

  随分、遅ればせながらの登場になってしまった。
  予告編を見た時に「おもしろそう!」と思って見たのだが
  そのおもしろそう!以上におもしろい映画だったのだ。

  先ず、映画は戦場リポーターとして活躍するサイモン
  (リチャード・ギア)とカメラマンのダック(テレンス・ハワード)の
  戦場でのハラハラドキドキのリポートシーンから始まる。
  死をも恐れないサイモンの仕事ぶりにタジタジしながらも
  尊敬の念を抱くダック。
  それがある事をきっかけにサイモンは破滅への道を辿る。

  次のシーンでは、都会に戻り出世街道を行くダックの姿。
  そこにサイモンの姿はない。

  そして、2000年のサラエボ。取材のためにダックは5年ぶりに
  この地を訪れる。そこへ消息を絶っていたサイモンが現れる。
  その変わり果てた姿。輝いていた頃のサイモンの姿はない。
  実は、サイモンは驚くようなネタを持って現れたのだ。

  危険な生き方から離れ何不自由ない生活を送っていた
  ダックだがサイモンの再起をかけた持ちかけに乗る。
  それは、懸賞金のかかっている重要戦争犯罪人フォックスの
  インタビューを撮ることだった。
  新米プロデューサーのベンジャミン(ジェシー・アイゼンバーグ)は
  スクープで副局長の父を見返してやるという野心から
  2人についていくことにする。
  そこから3人の男たちの危険きわまりない冒険が始まる。

  先ず、作り方、構成・演出のうまさがある。
  シーン毎にクイックイッと見ている者の心を少しずつ掴んでいく。
  戦場ではあるが、華やかなりし頃のシーンに始まり、
  次は全く違う世界、都会の穏やかな暮らしが語られる。

  そして5年後のサラエボが接点。
  騙し騙されつ、ぶつかり合い…
  サイモンに対して不信感を持つベンジャミンに真実を伝えるダック。
  サイモンの狂気と見えた行動には実は悲しい話が隠されていた。

  ひとつずつ小出しにして心を掴んでいき、展開していく映画に
  私たちはどんどんどんどんはまっていく。

  「テレビに映る世界と本当に起きてることとは違う」
  ベンジャミンを諭すダック。
  見ている私たちもそこでサイモンの大きな心の傷を知る。

  どこまで本当でどこまでウソなのかわからないサイモンに
  ダックと同じように信じたいと思いつつ、
  そしてベンジャミンと同じように不信感を募らせ、
  でも次第にサイモンの気持ちに近づいていく。
  そして、実はサイモンは何としてもフォックスを
  捕まえるつもりだったことを知る。

  CIAと間違われ、CIAに成り済まし
  意外に機転の効くベンジャミンに苦笑いし…
  しかし、フォックスに近づいたと思ったとたん
  逆に捕まってしまう…
  そして意外な事実が見えてくる…
  そこで3人のジャーナリスト魂に火がつくのだ…

  サイモン役のリチャード・ギアがいい。
  鬼気迫る情熱は、まさにイカレた男そのもの。
  キラキラ輝く頂点を生きるサイモンと
  張り裂けんばかりの絶望と悲しみを抱えたサイモンを
  見事に演じきっている。
  こんなリチャード・ギアは初めてだ。

  ダック役のテレンス・ハワードもはまり役。
  サイモンの心を思いやり、そして騙され憤慨し
  最後には危険な戦場で生きることが自分の真の姿だと
  悟っていくダックを好演している。

  最初は、ちょっと嫌な感じのベンジャミン。
  少しずつ、ダックやサイモンの気持ちを理解しながら
  本物のジャーナリストとは…を悟っていく姿を
  若手らしい嫌みのない演技で見せてくれる。

  アメリカという国家に立ち向かう3人のジャーナリストの話。
  これは実話を元に作られた映画だという。
  戦場で起こっている事実を伝えたい。
  自分の身を危険にさらしてまでそこに留まるのは
  ある意味、もうそこでしか生きられない
  刺激的な日々が忘れられないからなのだろう。
  イカレた男たちの気持ちがうまく描かれた映画だったと思う。

  監督・脚本は、リチャード・シェパード。
  その手腕に私は大注目!
  他の作品もぜひ見てみたいと思った。  
  
  
  

映画「西の魔女が死んだ」

2008-06-29 18:53:50 | 映画
  24 西の魔女が死んだ

  「ハワイより北極で生きる方を選んだからといって
   誰がシロクマを責めますか」
  「私はまいのような子が産まれてきてくれたことを
   本当に感謝しているんです」

  少女まい(高橋真悠)にはイギリス人のおばあちゃんがいる。
  まいが「おばあちゃん、大好き!」と言うと
  おばあちゃんは必ず「I Know 」と答える。

  中学に入ったばかりのまいは学校に行けなくなる。
  ママ(りょう)の提案で、ママとまいが「西の魔女」と呼ぶ
  森で一人暮らすおばあちゃん(サチ・パーカー)の元で
  過ごすことになる。
  西の魔女から魔女修業を受ける毎日。
  早寝早起きに始まる規則正しい生活が魔女修業の第一歩。
  その規則正しい生活こそが、まいには一番苦手なことだった。

  野原でワイルドストロベリーを摘んでジャムを作り、
  シーツを足で踏んで洗濯し、ラベンダーの上に広げて干す。
  ハーブや野菜を作り、鶏小屋の掃除をして卵をいただく。
  自然と共に生きる生活が楽しくてたまらなくなるまい。
  心がどんどんどんどん解放的になっていく。

  温かい両手でまいの頬をはさんで見つめてくれるおばあちゃん。
  何でも自分で決めるということを教えてくれたおばあちゃん。
  しかし、いつも温かでやさしいおばあちゃんと垣根が出来てしまう。
  それは、隣に住むゲンジ(木村祐一)のことばや行動が、
  まいにはどうしても許せなかったから。
  でも、おばあちゃんはどこまでも寛容で、まいはそれが理解できない。

  そして、とうとうわだかまりが出来たまま
  まいはおばあちゃんの家を後にしてしまう。

  サチ・パーカーはシャーリー・マクレーンの娘だと聞いた。
  なぜ、サチ・パーカーに白羽の矢が立ったのか
  その経緯はよく知らないが
  優しさの中にある芯の強さ、そして寛容な心、
  まいに注ぐ無償の愛…
  繊細で力強く、そしてやさしい心が彼女の中から
  あふれでている。

  そして何よりもきれいな日本語をしゃべってくれた。
  イギリス人らしい気高さと頑固さを持った
  ごく普通にイギリスにいるおばあちゃん。
  まだ、50代初めだというのにすごく頼もしくて
  素敵なおばあちゃんであり、魔女だった。

  森の中の洋館。自然とともに生きる生活。
  ワイルドストロベリーの丘。
  ラベンダーの上に干されたシーツ…
  私たちの日常から少し離れた所にある
  少しばかりファンタジーの世界。
  だから魔女が似合う。
  魔女ということばがこんなにも魅力的に聞こえるなんて。

  家の中で特に好きなのが台所とダイニング。
  おばあちゃんが一番長く過ごす場所。  
  食事をするテーブルが窓際に置かれ、まるでカフェのよう。
  外に見える美しい自然…。あこがれるなぁ。

  「おばあちゃん、人は死んだらどうなるの?」
  「そうですね。おばあちゃんが信じてることを話しましょう」

  わだかまりを持ったまま、おばあちゃんと別れたまいが
  次におばあちゃんと出会ったのは
  おばちゃんが永い眠りについた後だった。
  初めてすごい後悔の念に苛まれるまい。

  「おばあちゃんが死んだらまいに知らせてあげますよ」

  まいの元に死んだ西の魔女から素敵なメッセージが届く…
  もう涙しか出ない、素敵な感動。
  この上もなく美しい心が私の元にも届いた瞬間。

  なーんか私も亡くなった祖母を思い出してしまった。
  中学時代、祖父母の元で2年間過ごしたので
  人ごとではない部分を感じてた。
  私の場合は父の転勤で、子どもの私が
  単身赴任みたいな形だったのだけど。

  祖母のお葬式の朝、私は初めて心臓発作に襲われた。
  「おばあちゃん、お願い!まだ私を連れていかんで!」

  病院に行ったらストレスのための安静型狭心症と言われた。
  今はもうすっかり元気だけど…。

  以来、祖母はずっと私を見守ってくれている。

  魔女修業、私もこれからしてみようかな…。
  何かが変わる気がするのは私だけ…?
  

映画「奇跡のシンフォニー」

2008-06-27 21:25:10 | 映画
  23 奇跡のシンフォニー
 
  これほどまでに周囲で聞こえる音という音が
  音楽として聞こえるんだと感じたことはない…くらい
  主人公エヴァンと一緒に音を音楽として
  感じてしまう楽しさを教えられた。

  養護施設で育ったエヴァン(フレディ・ハイモア)は
  全ての音が音楽として感じる素晴らしい感性の持ち主。
  そして家族が自分を必ず迎えに来てくれると
  信じて疑わないピュアな心を持っている。

  ルイス(ジョナサン・リース・マイヤース)と
  ライラ(ケリー・ラッセル)は11年前運命的な出会いをした。
  しかし、運命は意地悪で2人はすぐに離ればなれになる。
  運命的な出会いだっただけに、
  それから2人の人生は大きく変わっていく。

  町にひとり、家族を探しに出るエヴァン。
  それぞれの道を歩んでいるルイスとライラの人生が
  並行して語られて行く。

  エヴァンの天才的な音楽の才能に魅了されていく人々。
  その中にその才能を見いだすウィザード
  (ロビン・ウィリアムズ)もいる。
  ウィザードはエヴァンの才能でひと儲けしようと企む。
  こんな役をやらせても、やはりロビン・ウィリアムズは上手い!
  というか、こんな役だからかえって久々にいいなと思った。

  児童福祉局の職員に最近よく出て来るテレンス・ハワード。
  ジョディ・フォスター主演の「ブレイブ・ワン」や
  リチャード・ギアの「ハンティング・パーティ」にも出ていたっけ。
  彼は、なかなかいい味を持った俳優で
  今は脇役が多いけど、すぐに主役級になりそうだ。

  実はライラは妊娠していてその子どもがエヴァンなのだが
  この11年間、ライラは死産だと思わされていて
  子どもがいたということを知らなかった。
  死の床にある父親から知らされ、そこで生き甲斐を見いだし
  子どもを探し始め、一度は捨てた音楽を始める。
  また、ルイスも同様にライラを探し始め
  彼もまた捨てていた音楽を始める。

  会ったこともない3人の人生が同時に進行していく。
  どこかで3人は繋がっているというのを
  私たちは確信し、会えることを願い始める。

  ほんの一晩の巡り会いが、運命的すぎたので
  人生を狂わせていったわけだが、ありえな~いと思いつつ
  これだけの思いをしてみたいというくらい許せてしまう。

  家族を探すエヴァン、エヴァンを探すライラ、
  ライラを探すルイス…
  それぞれの思いが奇跡を起こす…

  本当にありえなーいと思ってしまうのだが
  すごくきれいな映画で、純粋なエヴァンやライラ、ルイスの
  一つ一つの行動に感動し応援してしまう。
  3人が3人ともすごく魅力的。
  3人ともそれぞれの音楽をすごく勉強したそうで
  見事な腕前を披露してくれる。
  ルイスの歌声は素敵!

  音楽がすごく好きになる映画で
  奇跡を信じてしまう映画だった。
  

映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」

2008-06-26 22:06:21 | 映画
 
  22  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

  行きましたよ。封切りの日に。
  忙しくてもこれだけはと思っていました。

  歳相応のインディが私の前に現れました。
  体つきは変わらず、老けたというイメージもなく
  昔のままに敏捷で機転がきき、野性味あふれるインディ。
  もうそれだけで嬉しくなってしまいます。

  酒場での乱闘、KGBの手から逃げながらのカーチェイス
  ジャングル内での息も着かせないアクション、
  さすがスピルバーグはおもしろさを心得ています。
  しかもちょっと遊び心も入ってたりして
  存分に楽しませてくれます。

  砂漠のプレーリードッグのかわいらしさがあるかと思えば
  何百万ものアリの大群には度肝を抜かれます。

  懐かしいのは、レイダースでインディの恋人だった
  マリオン(カレン・アレン)が再び登場すること。
  さすがおばちゃんになったなという感は否めませんが
  だからこそリアリティ。時間に沿っています。
  それに男顔負けの気性はますます磨きがかかっていました。
  カッコいいです。

  そして今回、マットという向こう見ずな青年が登場。
  最近活躍目覚ましいシャイア・ラブーフが演じていますが
  カッコ良くないところがいいなぁ。
  人によってはカッコいいと思うのかもしれませんが。
  それにスパルコ役のケイト・ブランシェットの悪のカッコ良さ。
  クリスタル・スカルの鍵を握るオックスリー役の
  ジョン・ハート。
  キャスティングも絶妙で、ハラハラドキドキワクワクで
  期待を裏切らずに物語は展開していきます。

  最初のだだっ広い倉庫のシーンはレイダースの1シーンを思い出させ
  今回はどんな仕掛けが待っているのか怖いものみたさの心境で
  物語の中へ引きずり込まれます。
 
  65歳のハリスン、インディはいい歳の取り方をしています。
  一時、インディの映画の話が噂になった時
  ハリスンが今、つき合っている若い彼女を自分の作品に出したいと
  言ってるという話を耳にしました。
  ガックリしたんです。すごーく。
  で、そんな映画になったらどうしようと心配していました。
  心配し過ぎでしたね。
  そりゃ、天下のジョージ・ルーカスにスティーブン・スピルバーグ、
  そしてハリスン・フォードがそんな映画にするはずはないんです。

  あ~、良かった!
  想像のつくところ、つかないところも含めて
  終わり方はちょっと意外で素敵でした。
  多分、次回もありますよ。

  ハリスン・フォードに乾杯!
  インディ・ジョーンズに乾杯!

映画「最高の人生の見つけ方」

2008-06-18 13:14:44 | 映画
 21 最高の人生の見つけ方

 生きる世界の違う2人が、運命のいたずらか…
 出会ってしまった…
 勤勉実直な自動車修理工と大金持ちの敏腕実業家。
 そんな2人の共通点は末期ガンで余命6ヵ月だということ。

 余命宣告…。
 そこから患者たちの悩みや苦しみ、
 そして病気との闘いが始まるが
 2人の場合はちょっと違った。
 人生でやり残したことを書いた棺桶リストの夢を叶えるために
 カーターとエドワードの生涯最後の冒険旅行が始まる。

 エドワードは、ジャック・ニコルソン。
 カーターは、モーガン・フリーマン。
 ハリウッド最高の名優同士が初共演した最高に素敵な映画。

 残された命の中で、生きることと真摯に向き合う…
 「死ぬまでにしたい10のこと」という秀作もあったが
 これは、笑いがたくさん散りばめられていて
 楽しく、そしてホロッとしながら見ることができる。
 決して重たくなく、それでいて私たちに
 素敵なメーッセージを送ってくれる。

 エドワードのような大金持ちと出会って
 夢のような願いを叶えていくというのは
 なかなかあり得ないことだが、
 全く違う世界の2人が共通の運命を抱え
 自分の気づかなかった大切なことに
 それぞれの立場で気づかされるという意味では
 おもしろい組み合わせなのかもしれない。

 最後に見つける本当の幸せとは…?

 エドワードの秘書トマスの存在が
 すごくいいエッセンスになっていて
 ショーン・へイズが淡々と演じていてなかなかいい。
 2人の真の友情が育まれ、気づけばトマスも
 隠れた友人だったんだと最後、気づかされる。
 ラストがいい!とても爽やか…!

 余命宣告された時、私はどう受け止めるだろう?
 ただ、いつも思うのは一度きりの人生だから
 やりたいこと、やれることは、やるべきだと思っている。
 やらなくて後悔するより、やって後悔した方がまだいい。
 自分の人生は幸せだったか否かなんてことは
 死ぬ時にならないとわからないと思うから
 だから、今の内に思いっきりやりたいことはやろうと思う。

 「スタンド・バイ・ミー」「ミザリー」「恋人たちの予感」
 「ア・フュー・グッドメン」など、あらゆるジャンルの映画を
 手がけたロブ・ライナーが監督。
 名優2人の魅力を存分に引き出す手腕はお見事!

 カーターとエドワードのキラキラ輝く笑顔が
 いつまでも心に残るいい作品だった。
 

 
 

映画「幸せになるための27のドレス」

2008-06-09 20:01:17 | 映画
 20 幸せになるための27のドレス

  実は、見た順番ではないのだが、
  楽しく温かかったので…

  「プラダを来た悪魔」のスタッフが送る…が
  この映画の売りだった。
  残念ながら「プラダを来た悪魔」は見逃してしまって
  見たかったのに見れなかった映画。
  評判も良かったし、じゃあこれも…と思ったけど
  あらすじを見る限りはごく平凡。
  どうなのかなぁ?とたいして期待もせずに臨んだ。

  先ず、おもしろいのは日本ではあまりなじみのない
  花嫁付添い人という設定。
  花嫁の代わりにウェディングドレスを試着したり
  婚約パーティの会場探しをしたり、
  挙げ句の果てに笑うのは、花嫁の好みの衣装に身を包んだ
  付添い人が数人花嫁をもり立てて並ぶということ。
  衣装の趣味が良かったり、悪かったり…
  ドレスというより、コスチュームといった方が合ってるような。
  結婚式の風習も国によって随分違うものだ。

  ヒロインは、頼まれたことに絶対ノーと言えないおひとよし。
  アメリカにもこんな人がいるんだ…と
  つい思ってしまうすごーく身近なタイプ。

  花嫁付添い人としてはパーフェクト。
  脇役として幸せを感じてる風のジェーンは
  本当は主役となる日を夢見ているごく普通の女性。
  ずーっと片思いしている上司をわがままな妹に
  取られてしまっても何も言えない。

  あれは、辛いなあ…
  しかもそんな妹のためにいつものように気持ちを
  隠して奔走してしまう。
  なんでそんなに人に気をつかって生きてるの?
  どうしてそんなにやさしいの?
  いつも人のため。人のためなら自分を殺してまで尽くしてしまう。
  出来んなあ。私には…

  結婚式会場を掛け持ちするジェーンに興味を示したのは
  新聞社で結婚式の取材記事を書き続けているケビン。
  実は、今の部署から抜け出したいがために
  花嫁付添い人にやりがいを感じているジェーンを
  記事にしようと考え近づいていく。

  記事のネタにと思いつつ、少しずつジェーンに惹かれていくケビン。
  このケビンにあの「魔法にかけられて」の脳天気な王子様役の
  ジェームズ・マーズデン。何?このアニメそのままのような
  アホっぽい王子は…なんてちょっとバカにしていた彼が
  ケビン役でいい味出してる。
  この映画見てると結構、好きになっちゃうんだな…

  ジェーンも何となくケビンが気になり始めてた頃、
  記事の掲載の延期を申し出ていたのに
  ケビンの書いた万年花嫁付添い人の記事が紙面に出てしまった。
  裏切られたと思ったジェーンに更なる悲劇が襲う。
  妹のテスが大事な母親のウェディングドレスを
  原型がとどめないほどリフォームしてしまったのだ。
  母の形見のウェディングドレスを着るのが夢だった
  ジェーン…。
  彼女はある決意をする…

  何ちゃない内容といえば内容なのだが、よう出来とる!
  ちょっとした心の機微を何気なく見せてくれる。
  おもしろおかしく、しかし、ジェーンの魅力全開の
  27のドレスをまとってケビンに披露するシーン。
  酒場で二人が酔って歌うシーン。
  あそこは最高に好きだ!

  ジェーン役のキャサリン・ハイグルがとってもキュート。
  恋に臆病な等身大のヒロインをとっても魅力的に演じている。
  彼女、時々ふっと見せる表情が、
  木の実ナナに似ていると思ったのは私だけ…?

  本当の自分と向き合うことを教えてくれるケビン。
  わがままなテスの本当の気持ちも理解し
  彼女は勇気を振り絞り、自分の幸せを勝ち取る。

  また、最後の落ちがいいんだ…
  配役の妙、脚本の妙、演出の妙…
  最高に楽しいエンターテイメントな作品に乾杯!


  
  
  
  

 

映画「ノーカントリー」

2008-05-29 18:27:08 | 映画

 19 ノーカントリー

  絶対悪!
  この殺し屋がなぜこうも冷酷、無惨なのか…
  なんてこの作品には全く関係ない。
  彼はとにかくコインの裏表で簡単に人を殺し
  自分の体さえ道具の一つ。
  酸素ボンベを改造した特殊な武器で
  いとも簡単に人を殺して行く。
  顔色一つ変えず、感情もなく、
  淡々と行っていくその行動に鳥肌が立つ。

  殺し屋。アントン・シガー(ハビエル・バルデム)
  消えた金を取り戻すために雇われた男。
  ルールに忠実、生真面目、しかし冷酷無惨。
  金を持ち逃げしたモスを執拗に追う。

  ルウェリン・モス(ジョッシュ・ブローリン)
  偶然死体の山に遭遇し、大量のヘロインと大金を
  見つけたことから人生を狂わせて行く。

  保安官エド・トム・ベル(トミー・リー・ジョーンズ)
  モスの身柄を保護するべく、また殺し屋を捕えるべく
  2人の行方を追う。

  3者3様。
  これが運命か…!それぞれの思いが全てを狂わせていく…
  絶対逃げ切れると信じるモス。
  絶対に金を取り戻すと信じる殺し屋シガー。
  法と正義を信じる保安官。

  しかし、どこにも気持ちの入れようがなく
  気づいたら、ルウェリン・モスを応援してる私がいた。
  結構、利口でうまいこと逃げて行く。
  だからそれでうまく逃げ切れるのだと思っていた。
  しかし、呆気なくその思いは裏切られる。
  気づいたら、簡単に殺されてしまっているモスの姿…
  ガ~ン!

  見終わった後の後味の悪さ。
  凄い現実だけど、現実とはこういうものか…!
  と考えさせられもする。
  絶対悪が勝利し、正義も太刀打ちできず
  映画のハッピーエンドなんて、実はあり得ないんだと
  思い知らされる。

  あ~…  


  

映画「フィクサー」

2008-05-28 13:35:55 | 映画
 18 フィクサー

  間を置いてしまうと遥かかなたに気持ちが遠のいて
  書けなくなってしまいます…

  大好きなジョージ・クルーニーの映画でした。
  ジョージ・クルーニーとスティーブン・ソダーバーグの
  映画製作会社と
  シドニー・ポラックとアンソニー・ミンゲラの
  映画製作会社の共同製作。
  それだけでもすごい!
  しかも、「ボーン・アイデンティティー」シリーズの
  脚本を手がけたトニー・ギルロイが監督デビュー。

  今年3月、アンソニー・ミンゲラが
  54歳の若さで亡くなってしまったのは残念ですが…
  (イングリッシュ・ペイシェントでアカデミーを
   受賞した監督です)

  おもしろいわけがない!
  なのに、なのに、前半、私を襲ったのは睡魔です。
  だから書けなかった…
  これ、ジョージの映画よ!
  このヤロメ! ←私に向かってです。

  友だちも最初に眠気が来た…と言ってました。
  その時、私はまだ見ていなかったので
  私のジョージに失礼だと言ったのです。
  しかし、結果は…
  友だちにはお詫びしました。ごめんなさいと。

  後半は息もつかせぬサスペンスでおもしろく
  眠気どころではありませんでしたが…
  最初の展開の仕方でしょうか…
  それとも疲れていたのか…
  過去に眠気と戦った映画は数えるほどしかない私にとって
  不可解な出来事です。

  フィクサーとは法律事務所のもみ消し屋のこと。
  昇進することもなく、フィクサーとしてしか認められず
  マイケル・クレイトン(ジョージ)は今後の人生を考え直していた。
  そんな時、同僚の弁護士アーサーが農薬会社の集団訴訟に関わる会議中
  良心の呵責に耐えきれず、公衆の面前で服を脱ぎ捨てる…
  そしてアーサーは訴訟の妨害工作に出る…

  この事件に関わることで恐るべき陰謀に巻き込まれていくマイケル。
  マイケルの孤独な戦いが始まる。

  アーサー役のトム・ウィルキンソンの演技がいい。
  公衆の面前で服を脱ぎ捨て、
  事務所を裏切る行動を取り始める。
  事件の鍵を握る重要な彼から私たちは目を離せない。

  そして、主役のマイケル・クレイトンは
  スーパーヒーローでも何でもない。
  カッコいいジョージはここにはいない。
  もみ消し屋から這い上がれず、離婚した妻との間には
  親権を争う10歳の息子がいる。
  病気療養中の父親に会う時間も作れず、
  ビジネスには失敗し多額の借金も背負っている。
  そんなお先真っ暗なマイケルが真相を暴くために事件を追う。

  だからおもしろいのかもしれない。
  だから真実味があるのかもしれない。
  眠気と戦った私が言うのも何だけど…

  ラスト、タクシーに乗り込み
  有り金50ドルを運転手に渡して
  これで行けるところまで行ってくれと言う。
  町を走るタクシーの中のジョージの複雑な表情…

  このラストを観客がどう受け止めるか…
  勝ちなのか負けなのか…
  空しいのか誇らしいのか…

  ジョージの心情を表すこのラストシーン
  いい終わり方だったと私は思う。
  前半睡魔と戦った私が言うのも何だけど…

  アカデミーを受賞したティルダ・スィントン。
  最近、キアヌ・リーブスの「コンスタンティン」を
  テレビでやっていたが、ああ~そうだ…出てたっけ。
  天使ガブリエルの役。

  それとやはり「ナルニア国物語」をテレビで見てたら
  ここにも出てた。
  白い魔女。
  こうして、いろんな役の同じ俳優さんに出会うのも
  映画を見ていて気づくおもしろさなんだよね。