こんにちは。理事長の田中啓昭です。
先日、公立保育所の所長先生から、こんなお話しを伺いました。
「私ね、保育士って仕事を30年以上もしてるんだけど、これだけ永く続けてるとね、ただ単に永く働いてますよ、っていうだけではダメだと思うの。子育ての人間国宝だって意識が必要だと思うのよ。だってそうでしょ。輪島塗の職人さんなんて、その道30年精進していれば人間国宝になる人だっているんだから。保育士もそれぐらいのプロ意識を持つ必要があると思うのよね。」
確かにそうですね。まったく同感です。
その道のプロなのですから、そんな意識を日頃から持ち合わせている必要があると思うのです。
意識が行動を変え、仕事を変え、そして人そのもののあり方までを変えていくのです。
有名な例えなので、ご存知の方も多いと思いますが、三人のレンガ職人の話があります。
一人の旅人が工事現場を通りかかりました。そこにはAさん、Bさん、Cさんという三人の職人がレンガを積んでいました。Aさんは笑顔でとても楽しそうに仕事をしています。Bさんは少し怖い顔で黙々と仕事をしています。Cさんはとてもつまらなそうに仕事をしています。そこでみんな同じ仕事をしているのに、表情があまりに違うので、旅人は尋ねました。
「なぜこの仕事をしているのか?」と。
Cさんが答えました。「生活するにはお金がいるから、しているんだよ。何をやっているのかって?レンガを積んでいるのさ」と。
Bさんが答えました。「僕の割り当ての仕事をしているのさ。レンガを積んで塀をつくっているんだよ」と。
Aさんが答えました。「教会をつくっているんだよ。この中でみんなが一生懸命にお祈りをしている姿が見たくてね」と。
所長先生が言われる人間国宝の保育士とはまさに、Aさんと同じ意識をもった人であることは疑いの余地はありません。
私たちは日々の仕事に追われて、ついついBさんやCさんのような仕事をしてしまいがちです。
しかし、そんな状態でただやみくもに何十年も勤続年数を重ねたとしても、永く働いているだけで、それが「キャリア」とは到底言えるわけないですよね。
プロ意識を持つためには、Aさんのように目標を持つということが大前提なのだと思います。
目的と言ってもよいかもしれませんね。
自分はなぜ働くのか?
自分はどんな保育士になりたいのか?
自分はどんな保育をしたいのか?
自分は何で覚えられたいのか?
私のような年齢になっても、仕事というものはとても大きなテーマの一つであり、それを包括している人生というものはこの世に生きていることそのものを問うものなのです。
そんな自分自身の仕事観を含めた人生という最大のテーマに目標と目的を持たなければ、きっとAさんのようにはなれませんね。
数年前に読んだのですが、ひょんなことから最近読みかえした本があります。
人生のプロジェクト (Sanctuary books) | |
山崎 拓巳 | |
サンクチュアリ出版 |
人生というテーマの目標や目的をすぐに実現するための方法と考え方がわかる、とても読みやすい本です。
誰にとっても等しく、一度っきりのもの。
それが人生なのです。
そんな人生を、人任せにしたり、その場しのぎのアドリブで過ごしたりせず、目標や目的を持って臨みたいですね。
あなたの「人生のプロジェクト」 計画してみませんか?