仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

羽団扇 / 柳家小満ん(三代目)

2018年01月10日 | エンタメ
落語『羽団扇柳家小満ん(三代目)。
噺は、「正月二日の年始回り。行く先々で酒を飲み、いい気持ちで帰宅した男。外で飲むのと内で飲む酒は違うと、まだ飲むつもりでいたものの、"今夜見るのが初夢だから、お宝を二枚買って枕の下に敷いてあります。早く寝ないと長屋の人達に良い夢を見られちゃいますよ"と言う女房に、酒を飲ませてもらえない。すっかり酔っぱらっていた男は、あっという間に眠ってしまったのだが・・・」という内容。
二日の夜から三日の朝にかけて見る夢が、"初夢"なのだそうで、江戸時代は正月二日になると、"舟屋さん"が「えー、お宝、お宝。えー、お宝、お宝、お宝」と、宝船の絵を売って歩いたのだそうだ。
それを枕の下に置いて寝ると、良い初夢が見られるという縁起担ぎということだ。
「早く寝ないと、長屋の人達に良い夢を見られちゃいますよ」というのは、酔っ払いを寝かしつけようとする子供騙しみたいなものなのだろうが、それを素直に聞いて寝てしまうのだから、酒癖は悪くない男のようだ。
(^。^)
噺の中に随分と俳句が出てくるのだが、"去年今年(こぞことし)"という新年の季語があるのだそうで、過ぎ去っていく年と来たる新年を思い、感慨深く神妙な心持ちになる様子が思い浮かぶようなナカナカ面白い季語のように思う。
さて、演者の三代目柳家小満ん師匠は、"黒門町の師匠"と呼ばれた八代目桂文楽(1892年~1971年)師匠の弟子だったが、文楽師匠の死去に伴い、五代目柳家小さん(1915年~2002年)師匠の一門に移籍したとのこと。
その五代目柳家小さん師匠も、入門した四代目柳家小さん(1888年~1947年)師匠の死去により、八代目桂文楽師匠の預かり弟子になったということなので、この辺りはなかなかに強いつながりがあるのだろう。
九代目林家正蔵師匠によると、三代目柳家小満ん師匠はとてもお洒落な人なのだそうだ。
(^_^)