仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

法事の茶 / 古今亭菊之丞

2018年03月31日 | エンタメ
落語『法事の茶』古今亭菊之丞
噺は、「お座敷に呼ばれた太鼓持ちの一平。お客さんは菊の間でお待ちだよと言われるが、女将さんは名前を教えてくれない。上がってみると若旦那。座敷を見渡しても、贔屓のお梅姉さんがいない。そんな時の若旦那は機嫌が悪いと、次から次にご機嫌を伺う一平だったが、若旦那は"おまえさん近頃、面白いものを持ってるそうじゃないか"と言う。そう言われて一平が懐から取り出したのは・・・」という内容。
一平が持っていたのは、なかなかに不思議なほうじ茶。
目の前で焙じてお湯をかけると、いろいろなものが現れるという。
ここからは何度も袖に引っ込んだりと、菊之丞師匠は大忙しだ。
(^。^)
桂文楽(八代目)師匠は出るかい?」
「黒門町の師匠でございますな。しっかり焙じませんと、ペヤングソース焼きそばが出てきてしまいます」
というくだりが妙に面白いし、柳家さん喬師匠もそっくりだ。
(^_^)
枕では、現在7人存在するという太鼓持ちに対して落語家は800人もいるのだそうで、「そんなにいるんですかね。今日出演している5人でいいんじゃないんですかね」と話されていたのも面白かった。
(^_^;)

素人鰻 / 桂文楽(九代目)

2018年03月27日 | エンタメ
落語『素人鰻』桂文楽(九代目)。
噺は、「明治維新後。武士だった者たちは、米の代わりに支給された現金で不慣れな商売をすることになった。汁粉屋を始めようと思っていた旗本・中村は、かつて屋敷に出入りしていた板前職人・神田川の金を雇い鰻屋を開業することになったのだが・・・」という内容。
偶然出くわした金に「汁粉屋はつまりませんよ。料理で儲かって酒でも儲かる鰻屋はどうですか」と言われ、奥さんと話し合って決めたはずの汁粉屋の話がどこかに行ってしまった。
汁粉屋の計画がどこまで詰められていたのかは知らないが、道端での立ち話から無計画に始められた商売が、そうそう上手くいくはずはないだろう。
(^_^;)
金の職人としての腕は一流らしく、普段の話っぷりもいい感じなものの、それは"シラフ"の時の話。
酒が入ってしまうと豹変して、誰彼構わず毒づいてしまうのは近しい者なら誰でも知っていることらしいのだが、そんな金に「今晩くらいはいいだろう」と酒を勧めてしまったのが大失敗だ。
中村の友人である"麻布の旦那"が余計な気配りをしてしまったようだ。
(^。^)
さて、演者の九代目桂文楽師匠は、"黒門町の師匠"と呼ばれたという八代目桂文楽(1892年~1971年)師匠の弟子。
1975(昭和50)年から1992(平成4)年までの17年間、"ペヤングソース焼きそば"(まるか食品)の顔としてテレビCMに出演し続けていたということなのだが、北海道でカップ焼きそばといえば、"マルちゃんのやきそば弁当"(東洋水産)だし、まるか食品の商品自体、ほぼ販売されていないようなので、そのCMは見たことがないのだった。
残念。

羽団扇 / 柳家小満ん(三代目)

2018年01月10日 | エンタメ
落語『羽団扇柳家小満ん(三代目)。
噺は、「正月二日の年始回り。行く先々で酒を飲み、いい気持ちで帰宅した男。外で飲むのと内で飲む酒は違うと、まだ飲むつもりでいたものの、"今夜見るのが初夢だから、お宝を二枚買って枕の下に敷いてあります。早く寝ないと長屋の人達に良い夢を見られちゃいますよ"と言う女房に、酒を飲ませてもらえない。すっかり酔っぱらっていた男は、あっという間に眠ってしまったのだが・・・」という内容。
二日の夜から三日の朝にかけて見る夢が、"初夢"なのだそうで、江戸時代は正月二日になると、"舟屋さん"が「えー、お宝、お宝。えー、お宝、お宝、お宝」と、宝船の絵を売って歩いたのだそうだ。
それを枕の下に置いて寝ると、良い初夢が見られるという縁起担ぎということだ。
「早く寝ないと、長屋の人達に良い夢を見られちゃいますよ」というのは、酔っ払いを寝かしつけようとする子供騙しみたいなものなのだろうが、それを素直に聞いて寝てしまうのだから、酒癖は悪くない男のようだ。
(^。^)
噺の中に随分と俳句が出てくるのだが、"去年今年(こぞことし)"という新年の季語があるのだそうで、過ぎ去っていく年と来たる新年を思い、感慨深く神妙な心持ちになる様子が思い浮かぶようなナカナカ面白い季語のように思う。
さて、演者の三代目柳家小満ん師匠は、"黒門町の師匠"と呼ばれた八代目桂文楽(1892年~1971年)師匠の弟子だったが、文楽師匠の死去に伴い、五代目柳家小さん(1915年~2002年)師匠の一門に移籍したとのこと。
その五代目柳家小さん師匠も、入門した四代目柳家小さん(1888年~1947年)師匠の死去により、八代目桂文楽師匠の預かり弟子になったということなので、この辺りはなかなかに強いつながりがあるのだろう。
九代目林家正蔵師匠によると、三代目柳家小満ん師匠はとてもお洒落な人なのだそうだ。
(^_^)