親鸞聖人750回大遠忌法要(その6)のつづき。
浄土真宗の宗祖である親鸞聖人については、『親鸞聖人750回大遠忌についての消息』(龍谷門主釋即如)に、「親鸞上人は、承安3年(4月1日)に御誕生になり、9歳で出家得度され、比叡山で学問と修行に励まれました。しかし、迷いを離れる道を見出すことができず、29歳の時、聖徳太子の示現を得て、源空聖人に遇われ、本願を信じ、念仏する身となられました。35歳の時、承元の法難により、越後にご流罪となられますが、後にはご家族を伴って関東に移り、ひとびとと生活をともにし、自信教人信の道を歩まれました。晩年は京都で、ご本典の完成に努められるとともに、三帖和讃など多くの著述にお力を注がれ、90歳を一期として往生の素懐を遂げられました」とある。
京都日野の里での誕生は、今の暦でいうと西暦1173年5月21日だそうで、源氏と平家が相争う世情に世の無常を感じられ東山の青蓮院において出家・得度されたのだそうである。
「源氏と平家」はすでに無くとも、「世の無常」はいつの時代にもあるというわけだ。
自ら死を選んでしまう人が圧倒的に多い現在の日本だが、命を絶ってしまうのではなく、生きて何か新しい道を切り開いていけないものなのかと、「迷い」という文字を見るとそう考えてしまう。
つづく