露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

古民家の庭剪定の日々。

2013-10-13 23:04:19 | 庭仕事
暑くなったり寒くなったり毎日気温差が激しいですね


ここ一週間は古民家の庭の剪定に周っています。




施主様に頂く物も自然の中の美しいものばかり



採ったばかりのアケビ頂きました
その他にも柿やクリ、サツマイモ等等・・・
いつもありがとうございます(´∀`)



古民家は美しいです。


室内の座敷から庭を眺めると感動する景色が現れます。

広い軒と縁側があることで額縁に縁どられた景色が絵のように飛び込んできます。









私は仕立て物が大好きです。

長い年月大切に管理されてきた本物の仕立て物は繊細で本当に美しいです。


過去の庭園ブームで庭が身近になりましたが、樹を見よう見まねでめちゃくちゃに刈り込んだり、
外だけバリカンで整えられたものが氾濫し、本物の仕立て物の評価をさげてきたのも事実です。


仕立て物は光が奥まで入るよう透かしこんで、枝が更新できるように将来を計算して剪定します。



仕立て物こそ限られたスペースで生き続けるための究極の自然樹形です。
雑木の自然樹形は限られたスペースでは何十年も繊細さを維持することは出来ません。





先日工事に使う松の下見で生産者を訪れた際の美しい松。





素晴らしく繊細です。



本物の樹を大切に管理するためには、維持費がかかります。

松を例にすると、芽数が増えて繊細になればなるほど、手入れに時間がかかります。




古松の手入れ中の親方。



しばらく手をいれていなかった庭や手入れが雑で荒れた庭の剪定を依頼されることもありますが、
一年目は大きく強剪定することが多いため、2、3年は樹が暴れます。

それでも一年一年良くなっていくように一本一本の樹と向き合い、剪定していると樹が落ち着いてきます。



今日は親方が独立されてから最初に依頼された庭の手入れでした。
親方は8年目、私は3年目の手入れでしたが、庭木も随分落ち着いてきました。





180度山を借景にした古い庭です。


行き交う人が立ち止まって庭を眺め、綺麗になった、料亭のようだと褒めてくださいました。


祭りに間に合ってよかった・・・!


庭を眺める主は亡くなられ、空家になった家とは思えないほど美しい。


毎年春と秋に咲くヒラドツツジ。
一本の樹に咲く白と桃の咲き分けです。

後を継がれたご主人はここに住まわれてはいませんが、頻繁に草を取ったり落ち葉を掃除したり
こまめに手入れに来られているため、状態を維持されているのです。



ご先祖が大切に手入れしてきた庭を愛情かけて手入れしていると、
今まで気付かなかったことに気づくかもしれません。




そして今日夜からは平家谷の秋祭り。



神社の入口に建てられたてんびん。




美しい・・・美しすぎる。







明日からはお寺の手入れに入ります。




それではおやすみなさい





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