レトロな空間と芽吹きの庭

2012年に完成しましたK様邸「レトロな空間と芽吹きの庭」をご紹介します
レトロな空間って、どんな空間を想像されますか?
「レトロ」を改めて調べると、辞書に「復古調、懐古的であること」とあります。
「昔の体制・状態に戻すこと、昔のことをしのび、懐かしく思うこと」
私は古き良き時代の日本が大好きです。
石や木材などの使い込まれた美しさは、お金では買うことが出来ないその家の歴史です。
今では当時のような素材は簡単には手に入らなくなりましたが、10年、20年、30年と
年数をかけて家族の歴史を刻む庭に天然素材を使った空間があればと思います。
今回使用したトロッコに使われていた枕木やオーストラリア産の枕木は全て中古です。
既にトロッコ線路だった時の記憶を持つ美しい材ですが、枕木塀に姿を変えて生まれ変わりました。
出来た時が「レトロ」の完成ではなく、これから何十年も時を刻んでいき、本物の「レトロ」になれるのです。
最近は何十年かかってもレトロになれない素材が氾濫しています。
全て天然素材にする必要はありませんが、要所要所に取り入れるとやさしい空間になりますよ
時が経っても家族から愛され続ける庭になるよう想いを込めて名前を付けさせて頂きました。
K様ご夫妻にお会いして打ち合わせを重ねるうちに、共感できることが多く、
特に古いもの、歴史を感じるもの、長く大切に使える物が美しいと感じる
価値観がとても近いと感じました。
南に面した建物は軒がなく、夏の照り返しや吹き降りなど問題点が多いと感じ、
それらを解消するためのデザインと素材にこだわりました。
リビングの前にはオーストラリア産の中古枕木のテラス。

クレオソート等不使用の枕木なので変な匂いもありません
傷み防止のため、天然オイル塗料を5~6回塗り重ねます。
枕木は土に当たるところから腐食するため、石積みで高さを出します。

施工中

施工後


ご主人が購入されていた水栓柱に合わせる水受けはアイアン作家フジオさんに依頼して製作して頂きました。
水と鉄という相反するとされるものが、お互いの力を借りて風化していくさまはなんとも美しいです。
世界にひとつの作品。

ト、トンボがとまってる!!

フジオさんってねぇ、すんごい方なんです
毎回工場に長時間おじゃまして図面を書いたりしながらこんな感じとお願いするんですが、
フジオさんから出てくるアイデアも出来上がったものも
想像以上に感動的で愛おしいものばかり・・・

枠は鉄ですが、底面と排水部分はステンレス。
美と用を兼ねてます。
フジオさんの他記事はコチラ
↓
やさしいと感じる鉄。「藤尾工作所」
現場に向かう途中、橋で脱輪した車に遭遇。

親方はどんな時でも道路で困ってる人を助けます。
みんな横を通り過ぎて行く中、釣り上げたり引っ張ったりして無事救出
なかなか真似できませんが、見習いたいです。

お嫁に来たイロハモミジ、ガマズミ、ミツバツツジ、ナツハゼたち。
モミジは株立ちでまんべんなく葉を揃えたものを植え付けます。
偏った曲線美のものや繊細な樹形のモミジは、木漏れ日や限られた一方からの太陽を浴びて日陰で育ったものです。
こうした樹形の樹は真夏に一日中強光が当たる所には適しません。
無理やり植えると一斉に幹吹きを出して生き残ろうとするので、将来的には樹形が乱れます。
土壌はバーク堆肥やパーライトに加えて、露花で落ち葉から作った腐葉土で改良します。
夏の日照りが厳しい環境では、真砂土だけで植え付けると、樹が焼けてしまいます。
良質な有機物には微生物がたくさんいます。
腐葉土をたっぷりすき込むと水持ちも違いますよ。
三年ものの腐葉土はカブトムシの赤ちゃんがいっぱい


赤ちゃんはまた連れて帰ります
駐車場はアンティーク耐火レンガ貼り。


ひとつずつ色も風合いも違います。


来客時には4台駐車可能です。
南に面した庭の一番の問題点は真夏の照り返しです。
草が生えないように駐車場をコンクリートで覆ってしまっているのをよく見かけますが、
夏は激アツです
照り返しが眩しく、室内まで熱気が入ります。
エコ住宅にしたつもりでも、夏はガンガンに冷房を効かせる状態になってしまうのです。
煉瓦や植物でできるだけ地温をさげることをおすすめします
春には一斉に草花が芽吹く。



秋にはモミジやコバノズイナ、ドウダンツツジなどの紅葉したオレンジに包まれる空間。







奥さんが植えたプリンセスミチコも頑張って咲いています
そして私の一番好きなカット。

K様とご縁があって本当に良かったです!!
人混みが苦手なお二人ですが、ばら祭りや緑化祭などのイベントには
わざわざ足を運んで下さり、差し入れを頂きました。
イベントって思いのほかハードで、夜は救急病院に運ばれるほど余裕のない状態でしたが、
私も親方もお二人のニコニコ笑顔にどんなに励まされたことでしょう!!
ここに全てを書ききれませんが、やさしいお心遣いに感謝します
そして先日伺ったときのこと、冬枯れの光景もまた美しいのですが、
その中に揺れるオレンジ色のビオラを発見!
か、可愛い~

お会いした頃には植物にはあまり関心がないと言われていた奥様でしたが、可愛い寄せ植えがあちこちに
ご主人は夏の間、毎日モミジやヒメイワダレソウたちに散水しておられました。
お二人で草も丁寧に取られ、草花たちは生き生きしていました。
私たちが庭に求めるものはまさにこのことです
生活感のあるもの、愛情を注いでもらっているものが尊く美しいと感じます。
庭は完成した瞬間からスタートです。
植物が家族にいかに長く愛されるか、そのための庭師です。
完成の報告が遅くなってすみません
K様、やっとブログでご紹介できました!!
これからも見守っていきます
何か困ったことがあればいつでもご連絡くださいね。
末永くお力になりたいです
ありがとうございました!!

2012年に完成しましたK様邸「レトロな空間と芽吹きの庭」をご紹介します

レトロな空間って、どんな空間を想像されますか?
「レトロ」を改めて調べると、辞書に「復古調、懐古的であること」とあります。
「昔の体制・状態に戻すこと、昔のことをしのび、懐かしく思うこと」
私は古き良き時代の日本が大好きです。
石や木材などの使い込まれた美しさは、お金では買うことが出来ないその家の歴史です。
今では当時のような素材は簡単には手に入らなくなりましたが、10年、20年、30年と
年数をかけて家族の歴史を刻む庭に天然素材を使った空間があればと思います。
今回使用したトロッコに使われていた枕木やオーストラリア産の枕木は全て中古です。
既にトロッコ線路だった時の記憶を持つ美しい材ですが、枕木塀に姿を変えて生まれ変わりました。
出来た時が「レトロ」の完成ではなく、これから何十年も時を刻んでいき、本物の「レトロ」になれるのです。
最近は何十年かかってもレトロになれない素材が氾濫しています。
全て天然素材にする必要はありませんが、要所要所に取り入れるとやさしい空間になりますよ

時が経っても家族から愛され続ける庭になるよう想いを込めて名前を付けさせて頂きました。
K様ご夫妻にお会いして打ち合わせを重ねるうちに、共感できることが多く、
特に古いもの、歴史を感じるもの、長く大切に使える物が美しいと感じる
価値観がとても近いと感じました。
南に面した建物は軒がなく、夏の照り返しや吹き降りなど問題点が多いと感じ、
それらを解消するためのデザインと素材にこだわりました。
リビングの前にはオーストラリア産の中古枕木のテラス。

クレオソート等不使用の枕木なので変な匂いもありません

傷み防止のため、天然オイル塗料を5~6回塗り重ねます。
枕木は土に当たるところから腐食するため、石積みで高さを出します。

施工中

施工後


ご主人が購入されていた水栓柱に合わせる水受けはアイアン作家フジオさんに依頼して製作して頂きました。
水と鉄という相反するとされるものが、お互いの力を借りて風化していくさまはなんとも美しいです。
世界にひとつの作品。

ト、トンボがとまってる!!


フジオさんってねぇ、すんごい方なんです

毎回工場に長時間おじゃまして図面を書いたりしながらこんな感じとお願いするんですが、
フジオさんから出てくるアイデアも出来上がったものも
想像以上に感動的で愛おしいものばかり・・・


枠は鉄ですが、底面と排水部分はステンレス。
美と用を兼ねてます。
フジオさんの他記事はコチラ
↓
やさしいと感じる鉄。「藤尾工作所」
現場に向かう途中、橋で脱輪した車に遭遇。

親方はどんな時でも道路で困ってる人を助けます。
みんな横を通り過ぎて行く中、釣り上げたり引っ張ったりして無事救出

なかなか真似できませんが、見習いたいです。

お嫁に来たイロハモミジ、ガマズミ、ミツバツツジ、ナツハゼたち。
モミジは株立ちでまんべんなく葉を揃えたものを植え付けます。
偏った曲線美のものや繊細な樹形のモミジは、木漏れ日や限られた一方からの太陽を浴びて日陰で育ったものです。
こうした樹形の樹は真夏に一日中強光が当たる所には適しません。
無理やり植えると一斉に幹吹きを出して生き残ろうとするので、将来的には樹形が乱れます。
土壌はバーク堆肥やパーライトに加えて、露花で落ち葉から作った腐葉土で改良します。
夏の日照りが厳しい環境では、真砂土だけで植え付けると、樹が焼けてしまいます。
良質な有機物には微生物がたくさんいます。
腐葉土をたっぷりすき込むと水持ちも違いますよ。
三年ものの腐葉土はカブトムシの赤ちゃんがいっぱい



赤ちゃんはまた連れて帰ります

駐車場はアンティーク耐火レンガ貼り。


ひとつずつ色も風合いも違います。


来客時には4台駐車可能です。
南に面した庭の一番の問題点は真夏の照り返しです。
草が生えないように駐車場をコンクリートで覆ってしまっているのをよく見かけますが、
夏は激アツです

照り返しが眩しく、室内まで熱気が入ります。
エコ住宅にしたつもりでも、夏はガンガンに冷房を効かせる状態になってしまうのです。
煉瓦や植物でできるだけ地温をさげることをおすすめします

春には一斉に草花が芽吹く。



秋にはモミジやコバノズイナ、ドウダンツツジなどの紅葉したオレンジに包まれる空間。







奥さんが植えたプリンセスミチコも頑張って咲いています

そして私の一番好きなカット。

K様とご縁があって本当に良かったです!!
人混みが苦手なお二人ですが、ばら祭りや緑化祭などのイベントには
わざわざ足を運んで下さり、差し入れを頂きました。
イベントって思いのほかハードで、夜は救急病院に運ばれるほど余裕のない状態でしたが、
私も親方もお二人のニコニコ笑顔にどんなに励まされたことでしょう!!
ここに全てを書ききれませんが、やさしいお心遣いに感謝します

そして先日伺ったときのこと、冬枯れの光景もまた美しいのですが、
その中に揺れるオレンジ色のビオラを発見!
か、可愛い~


お会いした頃には植物にはあまり関心がないと言われていた奥様でしたが、可愛い寄せ植えがあちこちに

ご主人は夏の間、毎日モミジやヒメイワダレソウたちに散水しておられました。
お二人で草も丁寧に取られ、草花たちは生き生きしていました。
私たちが庭に求めるものはまさにこのことです

生活感のあるもの、愛情を注いでもらっているものが尊く美しいと感じます。
庭は完成した瞬間からスタートです。
植物が家族にいかに長く愛されるか、そのための庭師です。
完成の報告が遅くなってすみません

K様、やっとブログでご紹介できました!!
これからも見守っていきます

何か困ったことがあればいつでもご連絡くださいね。
末永くお力になりたいです

ありがとうございました!!

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