西のつぶやき

日々考える事

世界ボクシングタイトルマッチに思う

2007-10-13 08:55:08 | Weblog
10/13
 10月11日に亀田と内藤の世界タイトルマッチが行われた。これまでの両者のボクシングスタイルは対象的なものであった。
 内藤は、負けても負けてもハングリー精神で、30才を越えてチャンピョンベルトを手にした苦労人。
 一方亀田は、兄とともに亀田三兄弟という華々しいパフォーマンス、そして圧倒的な力、対戦後に歌を歌うなど、今までにない、スター的なボクシングをやってきた若者。
 それぞれのボクシングスタイルについては、特に何とも思わないが、今回の対戦が決まったあとの舌戦については、亀田に対して非常にがっかりというかむなしさを感じた。
 特に調印式の時の「負けたら切腹」発言。「死ぬ気で頑張ります」なら気持ちよくうけいられるものの、「負けたら俺は腹をきる。おまえも負けたら腹を切れ」という恫喝めいた挑戦。内藤がさらりとかわすと、追い打ちをかけるように「所詮その程度の気持ちで戦うなら自分に勝てるはずはない」といいきる発言。
 私には自信ある発言と言うより、負け犬の遠吠え的な嫌悪感を覚えた。
 この時点で、私は内藤に勝って欲しい思った。判官贔屓なのだろうか。

 しかし、もっと驚いたのは、戦前の予想集計で、圧倒的に内藤選手に軍配が上がったこと。もっと接戦、もしくは亀田の勝利を期待している若者が多いと思っていた。
 これは、どう考えればいいのだろうか。予想は携帯による投票だから、ランダムな年齢層だろうし、いやどちらかといえば若者が多いのではないか。
 私と同様に判官贔屓になったのか。それともやはり冷静な分析のもと、内藤が上と判断したのだろうか。もし後者であれば日本国民の目は冷静であり、すごいと思う。

 対戦結果は、皆さんご存じの通りであるが、しかし、結果的に亀田の反則負けという前代未聞のタイトルマッチとなってしまった。
 若さが露呈した試合とするにはあまりにお粗末な試合だったような気がする。勝てないとわかった瞬間に、子どもが親にだだをこねるように体をぶっつけていくような、無様な試合だった。
 ボクシングは肉弾戦もあるが、やはり自分の距離をとってマイペースで試合の主導権を握ったものが勝ち。パフォーマンスや大きな声で勝てるようなものではない、ということを改めて知らされた試合だった。

 ちょっとうがった見方かもしれないが、今回の、ボクシング戦に関する国民の判断は、今回の参議院選挙と似通っていたような気がする。小泉元首相のパフォーマンスに国民が酔いしれたあと、そして、阿倍政権がその余勢で政治をごり押ししたこと。このことに対して本当に必要な政治は何なのかと冷静に国民が判断した選挙。
 
 冷静な国民の目があることを、政治家も含めて、人の上に立とうとするものはしっかり感じ取っていかなければならないと私は感じた。