二銭銅貨

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巴里の空の下セーヌは流れる

2006-08-08 | 洋画
巴里の空の下セーヌは流れる
☆☆☆☆
Sous le Ciel de Paris Coule la Seine
1951 フランス、白黒、普通サイズ
監督・脚本:ジュリアン・デュヴィヴィエ
脚本:ルネ・ルフェーヴル
出演:
ブリジット・オーベエル (ドニーズ 上京した娘)、
クリスチアーヌ・レニエ (マリー モデル)、
ダニエル・イヴェルネル (ジョルジュ 医師候補)、
ジャン・ブロシャール (エルムノー ストのお父さん)、
レイモン・エルマンチエ (マチアス 狂気の男)、
マリー・フランス (コレット 迷子の小娘)、
ミッシェル・ロブ  (海賊ごっこの男の子)、
ルネ・ブランカール (Prof. Bertelin)、
ポール・フランクール (Milou)、
マルセル・プランス (パルタザール夫人 占い師)、
カトリーヌ・フォントネー (La Bourgeoise)、
シルヴィー (Miss Perrier)、
ジャック・クランシー (Armand)、
ピエール・デタイユ (Michel)

田舎から始めてパリに出てきた20才の娘、
大きな恋と、希望に胸を膨らませ。
その幼友達はモデル、
フィアンセが医師になれるよう、試験の成功を祈っています。
その彼氏、今度こそはと、ひどく思いつめています。
八百屋の小さな娘は小学生、
いい成績を取ってこないと叱られます。
家に入れてもらえないかも知れません。
その近所に住む老婆は猫好き。十数匹の飼い猫に、
餌をやらなきゃなりません。
スト中の工場に働くお父さんは、その日、銀婚式のお祝い。
妻と家族と祝いたい。でも、
ストで工場に缶詰なんです。
ストを早く終えて、早く帰りたいと思っています。
芸術家は精神を病んでいます。
ナイフですでに何人もの女性を殺しています。

それぞれの運命。それぞれの人生。
運命は確率です。人生はモンテカルロ・シミュレーションです。
カラカラ・ギリギリと鳴る確率的運命の音。
でも、みんな、頑張っています。
みんな優しいです。

セーヌの川べりに降りて行く階段、
下から見上げた構図、全体が黒。
その中で中央上部に小さく矩形領域が輝いている。
これは階段の降り口で、白く明るくなっているのは外の空。
逆光の中、そこに少女が立っています。
小さく黒く写っている。
パタパタと階段を駆け降りて来る少女。
思い切って、少年と海賊ごっこの旅に出るのです。

パリの名所がたくさん出てきます。
今も昔も変わりません。
パリの空の下、セーヌの流れ、人々の気持ち、人々の暮らし、
人生、運命、出会い。
ぐるぐる、ドキドキ。
パリの鼓動、人々の鼓動。
ゆったりと、柔らかに、
ゆるやかに、ゆっくりと、
全体が流れていきます。

みんな頑張れ。
06.07.09 日仏学院、75前後 NFC(字幕なし)、60後半 TVで2回

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