二銭銅貨

星の数: ☆良い ☆☆すごく良い ☆☆☆激しく良い ☆☆☆☆超激しく良い ☆☆☆☆☆ありえない

ボエーム/洗足学園2015

2015-10-20 | オペラ
ボエーム/洗足学園2015

作曲:プッチーニ、指揮:松下京介
演出:小澤慎吾、演奏:SENZOKUオペラ管弦楽団
美術:車田幸道
出演:ミミ:嘉目真木子、ロドルフォ:澤原行正
   ムゼッタ:田川聡美、マルチェロ:岡昭宏
   ショナール:望月一平、コリーネ:片山将司

嘉目は声が低いソプラノで声量がある。器楽的な声でドイツ的なオペラが合いそう。セリフ的な部分や重唱の部分もしっかりと声が出ていて、声はドイツっぽいけど歌はちゃんとイタリアになっていた。澤原は透明感のある美しいテノール。田川はハキハキと元気が良い。岡は迫力と安定感のあるバリトンで良く声が出ていた。望月は安定したバリトンでショナールっぽい明るい芝居が良かった。片山は低い声が良く出ているバスで、「古い外套よ」をゆっくりと大地を踏みしめるように歌って大拍手だった。

美術はオーソドックスにベリズモ的な、あるいはネオ・リアリズモ的な、暗くて重厚な厚塗りの油絵のような質感のものだった。それほど予算はかけていないとおもうけれど、3場面とも別々に作成されたしっかりした美術だった。演出もオーソドックスで、ミミの悲劇がしっかりと描かれていた。男性陣の歌や芝居の個性が良く出ていた故か、4人のボヘミアンの友情が印象に残る舞台だった。

オーケストラの演奏は、良くイタリアの歌を歌っていたように思う。特に「私の名はミミ」にはイタリアオペラの空気が強く感じられた。

文化庁委託事業の「平成27年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」、主催は文化庁と洗足池学園。

15.10.16 洗足学園、前田ホール
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする