二銭銅貨

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10国立劇場9月/良弁杉由来、鰯売恋曳網/文楽

2010-09-29 | 歌舞伎・文楽
10国立劇場9月/良弁杉由来、鰯売恋曳網/文楽

(第1部)
良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)
 志賀の里の段
 桜宮物狂いの段
 東大寺の段
 二月堂の段

渚が文雀、良弁が和生。桜宮物狂いの段の花売りと吹き玉(シャボン玉)屋がこのせつない物語の間で踊る。明るい気楽な時間を作り出していた。ちょっとすました花売り娘が勘彌、快活で滑稽な吹き玉屋が幸助。シャボン玉を上手の作っていた。足で空気を送り込んで作るらしい。渚も良弁も優しい様子で特に良弁は優しい気持ちがよく出ていた。

志賀の里の段で八雲琴というのが使われた。ちょっと高音が強すぎてアンサンブルが良くないように感じた。


鰯売恋曳網(いわしうりこいのひきあみ)

原作:三島由紀夫、脚色・演出:織田紘二
作曲:豊竹咲大夫、鶴澤燕三、振付:藤間勘十郎
補綴:国立劇場文芸課

 五条橋の段
 五条東洞院の段

猿源氏が勘十郎、蛍火が清十郎、海老名が玉女。蛍火の頭が現代的で美しい。ほっそりとした顔つきに短く切った鬘が良く似合い、活発でボーイッシュな感じを与えた。清十郎が使う凛々しい姿と良くあう。猿源氏が一目惚れするもの無理はない。髪型は唐輪髷、兵庫髷と言われるような男性的な髪形。猿源氏のほうも現代的な男性。いわいる草食系のナヨナヨ感がよれよれとうまく表現されていた。現代の恋愛の相を室町時代に映して描いた、かわいらしい恋愛劇。

もとネタはお伽草子「猿源氏草子」。

10.09.19 国立劇場