二銭銅貨

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魔笛/新国立劇場(二期会)2010

2010-09-18 | オペラ
魔笛/新国立劇場(二期会)2010

2010年上演
作曲:モーツァルト、演出:実相寺昭雄
指揮:テオドール・グシュルバウアー、演奏:読売日本
出演:パミーナ:増田のり子、タミーノ:小貫岩夫
   パパゲーノ:友清崇、パパゲーナ:鈴木江美
   夜の女王:安井陽子、ザラストロ:小鉄和広

パミーナの、
空間を強く切り裂くような、
美しいソプラノは、
きらきらする、
どきどきする、
青とみず色のドレス、
それはアニメのお姫様の衣装に、
良く似合っていた。
情熱的で美しいソプラノは、
強い正しいパミーナを良く表現していた。
このオペラの主柱だった。

タミーノは端正で礼儀正しく、
パパゲーノはおもしろおかしく、
パパゲーナは元気良かった。
ザラストロはまじめ風で、
夜の女王は高慢不遜な演歌歌手のようであった。

夜の女王は安井陽子で第1のアリアはちょっとこころもたなげな感じだったが、第2のアリアは強くて軽快、安定しているように思えた。すこし甘さがあるような声で、鋭く厳しいアリアがちょっとだけ優しくなっていたように感じた。

パミーナは増田のり子で全体に強くて美しい。ホール全部に響き渡るような声で、特にパパゲーノとの2重唱はアンサブルが良く、バリトンとは良く合うと思った。逆にタミーノのテノールとはいまいちの感じで、バランスが悪いように思ったが、しかしながら試練の場をぐるぐると一緒に2週廻った後にはすっかり合うようになっていて、最後には美しい2重唱になっていたように思う。

パパゲーナの衣装はピンクのアニメっぽい衣装で、こちらも可愛らしい。子供向けTV番組のような感じ。パパパの2重唱は子供体操のような感じで始まって、これも曲調に良くあった振り付けだった。

衣装はまんが家の加藤礼次郎で、パンフレットの絵も同様。様々な雰囲気の衣装で統一感に欠ける印象だったが、その方がこのハチャメチャで楽しい演出に合っていたのかも知れない。パンフレットのキャラクターを見ると、そのデザインは不統一な感じではないのだけれども、舞台での衣装はそんな印象だった。

指揮者が日本語で叫ぶ場面やプロンプターボックスとの数多くのやりとり、パパゲーノが首をくくろうとする木を寺田農がやったり、ぬいぐるみの怪獣たちやライトセーバーなど、いろんなものがごちゃまぜで楽しかった。

実相寺昭雄はウルトラマンの演出で知られた人で2006年没。
ウェッブによると2005/3/4-5に、二期会による新国立劇場オペラ劇場での公演があったようだ。

超楽しかった。

10.09.11 新国立劇場