ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

実家で紅茶難民化する! 起死回生のティーバッグ研究室…救援物資はハロッズNo.16 

2011年11月06日 | ティーバッグ研究室
以前書いたが
実家はとにかくコーヒー党である
ヤカンに湯を沸かし豆を挽くのが父の朝の楽しみである
家族は紅茶も好きなので
私が淹れればおかわりして飲むが
なぜか私がいないと紅茶は無いも同然となる

先月、久しぶりに法事で実家に帰った
2泊3日の初日到着すぐの夕方から紅茶を探すが
唯一まともな茶葉は
うちの母がたまたま買った
ルピシアのダージリン・ファーストフラッシュのティーバッグ
それも最後の一個
長旅の疲れを癒すダージリン
…このティーバッグ
確か1年以上前からあるよね
つまりそれから一切更新が無いのだった

このティーバッグを最後に
私は自分の実家で見事紅茶難民と相なった


その日は私の東京の仕事を引き継いでくれた偉い後輩が
久しぶりなので会いたいと実家に来てくれて
一緒に夕食を食べようという企画
後輩は実家の両親とも交流があり
家も近いので仲良くしてもらっている
後輩なのに世話になってるという
こちらのダメダメはどこにいても変わらない

そんな彼女は
なんと私と同じかそれ以上の紅茶マニアなのである
これは出会ってからかなり後に知った事実で
それ以来お互い紅茶をやり取りしてきた
類は友を呼ぶとは将にこの事である

さて久々の再会に旧交を温めつつ
食事は和やかに終わり
食後にお茶でも飲むか~というところで

…ろくな紅茶が無い

仕方ないのでほうじ茶を淹れて飲む
このほうじ茶は実家御用達の茎茶のほうじ茶で
加賀棒茶に近い味わいの狭山茶である
美味しいから良いのだが
後輩も加賀棒茶好きだから良いのだが

さて、状況は更に進む
我々の共通の友人であるヨガ行者が
この会合に参加するべく
こちらに向かっていると彼女の電話に連絡が来る
彼女とそのヨガ行者は職場の同僚で
また沖ヨガのインストラクター仲間として知り合ったと聞いている
その後私の仕事関係で二人と出会ったという経緯


そして彼はやって来た
お土産にウエストのリーフパイを携え…

ぐおーっ!
紅茶は無いのかーっ!
ウエストのリーフパイだぞ!

その時だった
「私、家から持ってきますよ紅茶!」
彼女の鶴の一声だった
この遭難に近い状況で
遠慮するなどという殊勝な私ではない
自転車で5分以内のお宅ということもあり
紅茶マニア同志の心意気とパイのためだ
彼女の持ってくる茶葉に間違いは無い!
「いいの?いいの?やった!頼む!」
鬼畜にもためらいの気持ちもなく送り出す
有り難いのは同好の徒である

そして戻ってきた彼女が
紙袋いっぱいに持って来てくれた
その中のひとつが画像のそれ

《ハロッズ No.16》である
彼女はこの缶をドンと置いて
「これ、中身がもう少ししかないので、どうぞ差し上げますよ」

うおーっ!
なんという幸運だろう
しかもハロッズのセイロンだぜ
これで後の2日実家で過ごせる!
地獄に仏
難民に救援物資
またしても世話してもらっているダメダメなNirvana・cafeであった


《ハロッズ No.16》

セイロンの王道ディンブラのクオリティシーズンをシングルで使用
2月と8月の2シーズン
ハイグロウンとミドルグロウンをブレンド
元々のディンブラ生産地域の茶葉で
甘味の中にもほのかな渋みが美味しいセイロンブレンドである
(↑缶の後ろの英語をいい加減に意訳)

リーフなら125g/1050円
お手頃なセイロンである
今回はシンガポール経由の缶いりティーバッグというもの
125g/50P=2.5g/1Pである
中はかなり細かいBOP


早速レビューを以下に記す

●ティーバッグ有り
・香り
多少控えめだがオーソドックスなディンブラ
フラワリーな柔らかい香り
茶葉とティーバッグの紙質が良いので
香りがちゃんとティーバッグを越えて
こちらに来てくれている

・味
濃厚でなめらか(メルロー系)
最初はまったく渋みがない
クセが無いが後味が良い
口の中に香りが残る

冷めると次第に渋みが出て来る
それもアクセントとしては良いと感じる

●ティーバッグ無し

・紙の味見
酸味の少ない紙だ
ほのかな昆布風味(笑)
多少な酸臭で匂いが都こんぶに似てくる
(なぜイギリスのティーバッグはどれも海産物風味に?)
だがディンブラのフラワリーな香りが紙に染み付いている
これはバッグごと浸出しないと
香りがしない残念なパターンかも知れない

・香り
やはり
吸われた分返せ!と言いたくなるが
それでも茶葉が良質なせいか
比べなければ多分分かりにくいぐらいのレベル
がっかりはしない

・味
ティーバッグよりクセが出ている
鋭い感じが添加され
よりパンチの効いた味に
後味により甘味が強く残る
渋みがアクセントに


●ミルクティー
濃厚な水色はミルクできれいなゴールデン・ブラウンに
ミルクの臭みのない
美味しい濃厚なミルクティーになる
クセはないがパンチはある

●総評
飽きのこない普段飲みに適した感じ
ストレートでもミルクでもいけるが
個人的好みではミルクが美味しいかな?
紙のティーバッグだがハロッズは優秀だ
さすがである


…というわけで難民はめでたく救助された
さて、だがしかし
ウエストのリーフパイのために淹れた紅茶は
実はこれではない
(な…なんだと?)

彼女の抱えてきた紙袋の中には
この変人3人組の再会を祝うべく
実は大変なレア物が隠されていたのである

それは次回にレビューするとしよう…
(引っ張りますね最近)