ANANDA・Cafe

独善的偏向偏執的毒舌紅茶&カフェのブログ 真実は香り高く甘くそして…渋い 良い紅茶のようにね

余がやむなくオリジナル・ブレンド・ティーを製作した件 白いキャンバス…のような驚きのセイロン

2011年07月08日 | 紅茶・ブレンド

しばらく買い控えていた日々のリバウンドのように
この3ヶ月ほどなんだか新しい紅茶を買ったり
はたまた貰ったりとしているうちに

気がつけば梅雨の湿気と例年にない異常な暑さ
これは茶葉には良くない環境負荷である

にもかかわらず
夏前だというのに異常なほどの紅茶の量と種類が…!
冷蔵庫のない我が家におけるスリルとサスペンスなサバイバル・シーズンが
本年もやってまいりました

夏を越すと、常温で保存していた茶葉は
たとえしっかり保管していたとしてもやはり風味が落ちる
開封前に冷凍保存という手もあるが
解凍時に結露するのはあまり好ましくない
夏のうちに飲んでしまうに限る
いや、夏前に下手に紅茶の在庫を抱えないのがいつもの今時なんだが

そこに追い打ちをかけるかのように5月の末頃
誰かさん(誓って余ではないぞ!)が興味本位で買った200g/400円のセイロン
しかも駅前のスーパーの日本茶売り場で…

んがああああっ!
興味本位でそんな鬼畜な量のどこの馬の骨ともわからんセイロン買うなーっ!
「まあ、いいから淹れてみようよ~。案外美味しいと思うよ~」
「…この量で案外とか、試しにとかはやめろ」
「え~だって安いじゃん」
「ああ…だめだこいつ…早くなんとかしないと」

とにかく淹れましたよ手を抜かずゴールデンルール
ティースプーン小盛り2杯に 湯300mlで

淹れたら…は?

これは確かにセイロン
すごい
異常なほどの個性のなさ
良く言えばあまりのベーシックさに呆然とする
茶葉は古くない
香りもそれなりにある…素直な日東デイリークラブ系
味は渋みのない非常にクリアなすべての紅茶のベースにあるあの味
これにコクとフラワリーな香りを足したらディンブラだし
サリチル香と爽やかな渋みを添加してやればウバだろう

不味くない…不味くはないのだが
この、すべての銘柄や茶園や産地の特色をそぎおとした紅茶って…


これを飲んで思う
無意識にも意識的にも我々はある意味“お茶”というものの
「個性」を楽しんでいる、ということを

なぜ《世界の三大紅茶》が
ウバ・ダージリン・キーマンなのか
なぜそれが
ディンブラ・ニルギリ・アッサムではないのか

…なんとも不可解な体験であったな
こんな紅茶は初めてかも知れない
生まれる前の赤子のようじゃ
どうすればこんな味になるんだろう…?


さて、こんな紅茶が200g
1勝1敗1引き分けのセレクティーの茶葉がまだ3種合わせて100g以上
知覧紅茶のお返しにと買って味見と称して半分自分のものにした
ルピシアの2011年新茶のマハガストッテ・ヌワラエリアと、セイロン・ウバ(5012)
25g×2
トップバリュのセイロン・ジャワ・ティーバッグが30パック以上
知覧やぶきた紅茶90g
ちまちま大事に飲んでいるマカイバリ・ダージリンが50g
東インド会社アッサムは70gぐらい残っているし
トワイニングのアイリッシュ・ブレックファストもまだ半分の50gはある

合計600g以上
1杯分3gとしてだいたい200杯以上
(これでもフレーバーティーは除外してある)

6月半ばにはこんな状況であった

しばらく飲みまくってカフェイン中毒になりめまいが止まらず
しばらく1日おきのカフェイン抜き…とほほ
余は高貴な生まれ故、繊細なのじゃ

だがやはり、件のベーシックセイロンは飲む気にならないのである
むむむ
これでは残ってしまう
古くなればますます飲む気が失せよう

…というわけでオリジナル・ブレンドを作ることにした
いままでも茶葉はよくブレンドして飲む
気分に応じて、飲み方に応じて、だいたいポットの中で完成する
だが今回は一回づつが面倒なため、敢えて大量に作ろうという試みである
ベースとしてはこのセイロンは優秀だろう
言ってみれば白いキャンバスのようなものだ
“あなた色に染めて…”的な(笑)

とりあえず試作品を作った
ベース8
ウダプセラワ3
ストラスペイ5
シウプルアッサム2
セイロン・ジャワ・ティーバッグ3個分
アイリッシュ・ブレックファスト1
東インド会社アッサム1
ルピシア・ウバ1
(1単位=およそ3g)

だいたい70gくらいのものが出来た
空の紅茶缶に入れ軽く振って混ぜる
早速試飲してみた

香りはオーソドックスなセイロン寄り
だが輪郭はわりとある

味…甘っ!
これはマイルドでクセはなくコクが強く甘い!
そして旨味が強い
舌に訴える紅茶というべきか
ストラスペイの量とジャワの勝利だな
ストレートでもいける

だがこのブレンドはミルクで化ける

ミルクの脂肪と茶葉のコクと甘さが一体となり
香りがぐっと映える
これは隠しアッサムとウバ系の仕業だろう
甘さはへたらない
ストラスペイ茶園ディンブラの甘さは半端無いからだ

これは…いける!
毛利元就三本の矢の喩え
♪ひと~つひ~とつは~弱くと~も~
み~んなで~ち~から~を合わせ~れば~…とくりゃ
(そんな歌ありません)


というわけで
期待以上のできばえの
Ridgwaysの“H.M.B.”(ハー・マジェスティ・ブレンド)ならぬ
Nirvana・cafeオリジナル・ブレンドが完成した
…なんて名付けようかのう

“a Jewel in a Dunghill Blend”
曰く『掃き溜めに鶴ブレンド』(←直訳では『クソ山の宝石』)
だって200gで400円のセイロンがベースなんだぜ?


Nirvana・cafeの“J.D.B.”と呼べ!
(またそんな偉そうに)




 *ちなみにJ.D.B.をググったら
  1.日本デザイン事業協同組合
  2.jdb というJavaデバッガのこと
  3.日本開発銀行
  4.Justin Drew Bieber(ジャスティン・ビーバー)
   
   
 …みなさんすみません
 ベスト・キッドは良い映画だったぜ