兵庫県尼崎市を通るJR西日本の福知山線での快速電車脱線転覆事故からまもなく1週間になる。
事故発生からこれまでの間、さまざまな情報が伝えられている。ちなみに私の情報源は新聞とWEBが中心で、TVからはNHKのニュース10とテレビ東京のワールドビジネスサテライトでの報道ぐらいである。
さて、新聞でもテレビでもラジオでも話題の中心になっているのは「事故はなぜ発生したのか」であろう。
事故調査委員会などの発表からは、遅れを取り戻そうとした運転士による速度超過が原因、ということで話が進んでいる。
今後はさらに脱線時の状況が詳しくわかってくることだろう。
その情報の中で、いくつか知りたいものがある。私が今感じている疑問点に対する答えがあるかどうか、探してみたい。
私が知りたいのは、以下の点である。
「列車が100km/hで脱線した理由」である。
5月1日夜の段階で、事故を起こした列車は曲線半径300m、制限速度70km/hの区間に100km/h前後の速度で進入した、とされている。そのために車体が遠心力で曲線の外側に傾き、脱線したという説明がされている。
JR西日本は当初、当該区間では計算上133km/hを超えると脱線する可能性があるというデータを出した。このデータは空車状態での計算値であり、実際に乗客が乗っている状態で出したものではないが、速度超過が脱線の原因となることを裏付けるものであろう。
これに関連した内容で、NHKが放送した特番のなかで工業大学の教授が、
「乗客が乗って重心が上に上がると遠心力が強くなり、脱線しやすくなる。重心の高さによっては、低い速度でも脱線する可能性がある」
と話していた。
では、事故を起こした列車の重心はどのあたりにあったのであろうか。
その重心位置は、100km/hで車体が曲線の外側に倒れてしまう位置であったのか。
5月1日付け毎日新聞(東京本社版)の1面トップに興味深い記事が載っている。
脱線した列車の1両目に乗車していた毎日新聞社記者の証言である。
それによると、事故当時の1両目車内は「座席はほとんど埋まり、立っている乗客はまばらな込み具合」であったらしい。
これの他に、消防や警察による救出活動の記録(死傷者を何人、どの車両から運び出したか)からも、事故当時に何人の乗客がいたのかがわかるはずだ。
それをもとにして是非、「事故当時の乗車量では○○km/hを超えると脱線する」というデータを出してもらいたい。
そのデータが例えば、90km/hを超えると脱線する、というものであれば「速度超過が脱線の原因」ということでよいだろう。
しかし、110km/hを超えると脱線する、というものであった場合はどうなるだろうか。
その場合は、事故の原因を運転士による速度超過だけ、とすることはできなくなるのではないか。直接の原因は速度超過であったとしても、その他に車両の欠陥、線路の欠陥、なんらかの外部からの物理的要因などが加わったことによる事故であった可能性が出てくると私は考える。
4月30日付け毎日新聞(東京本社版)の社会面に独立行政法人「交通安全環境研究所」の松本陽・交通システム研究領域長に取材した記事が掲載されている。その中に、
「120km/h以下の速度で脱線することは考えにくく、他にどんな要因があるのか、事故調査委員会の報告を待ちたい」
という談話がある。どのような乗車量を設定して計算されたものかは記載されていないが、100km/h前後の速度では脱線の可能性が低いことを示すものである。
鉄道会社が線路を作ったときに制限速度を設定する場合は、線路の設計速度に安全率を掛けて設定する。
例えば設計速度(列車が脱線する速度)が100km/h、安全率0.6とする。この場合の制限速度は60km/hになる。これは、不測の事態。たとえばブレーキの故障や、乗務員の体調急変などが発生したときに制限速度を超えてしまう可能性がある。そのようなときにすぐに脱線する速度とはならないよう、制限速度には余裕を持っているのである。
JR西日本は事故が起きた区間について、設計速度約130km/hに対し、制限速度を70km/hに設定している。
空車ならば130km/hまでは脱線しない区間を100km/hで走って脱線した。いくら乗客が乗ることによって重心が上がり、遠心力が大きくなるからと言われても、素直に「はい、そうですか」と言えるだろうか。
思いつくままに書きなぐってしまったが、とにかく事故調査委員会には「100km/hで脱線した理由」を説明してほしい。
早い段階で置石の可能性を否定したのだから、速度超過を主原因とする明確な理由が聞けるものと思っている。
事故発生からこれまでの間、さまざまな情報が伝えられている。ちなみに私の情報源は新聞とWEBが中心で、TVからはNHKのニュース10とテレビ東京のワールドビジネスサテライトでの報道ぐらいである。
さて、新聞でもテレビでもラジオでも話題の中心になっているのは「事故はなぜ発生したのか」であろう。
事故調査委員会などの発表からは、遅れを取り戻そうとした運転士による速度超過が原因、ということで話が進んでいる。
今後はさらに脱線時の状況が詳しくわかってくることだろう。
その情報の中で、いくつか知りたいものがある。私が今感じている疑問点に対する答えがあるかどうか、探してみたい。
私が知りたいのは、以下の点である。
「列車が100km/hで脱線した理由」である。
5月1日夜の段階で、事故を起こした列車は曲線半径300m、制限速度70km/hの区間に100km/h前後の速度で進入した、とされている。そのために車体が遠心力で曲線の外側に傾き、脱線したという説明がされている。
JR西日本は当初、当該区間では計算上133km/hを超えると脱線する可能性があるというデータを出した。このデータは空車状態での計算値であり、実際に乗客が乗っている状態で出したものではないが、速度超過が脱線の原因となることを裏付けるものであろう。
これに関連した内容で、NHKが放送した特番のなかで工業大学の教授が、
「乗客が乗って重心が上に上がると遠心力が強くなり、脱線しやすくなる。重心の高さによっては、低い速度でも脱線する可能性がある」
と話していた。
では、事故を起こした列車の重心はどのあたりにあったのであろうか。
その重心位置は、100km/hで車体が曲線の外側に倒れてしまう位置であったのか。
5月1日付け毎日新聞(東京本社版)の1面トップに興味深い記事が載っている。
脱線した列車の1両目に乗車していた毎日新聞社記者の証言である。
それによると、事故当時の1両目車内は「座席はほとんど埋まり、立っている乗客はまばらな込み具合」であったらしい。
これの他に、消防や警察による救出活動の記録(死傷者を何人、どの車両から運び出したか)からも、事故当時に何人の乗客がいたのかがわかるはずだ。
それをもとにして是非、「事故当時の乗車量では○○km/hを超えると脱線する」というデータを出してもらいたい。
そのデータが例えば、90km/hを超えると脱線する、というものであれば「速度超過が脱線の原因」ということでよいだろう。
しかし、110km/hを超えると脱線する、というものであった場合はどうなるだろうか。
その場合は、事故の原因を運転士による速度超過だけ、とすることはできなくなるのではないか。直接の原因は速度超過であったとしても、その他に車両の欠陥、線路の欠陥、なんらかの外部からの物理的要因などが加わったことによる事故であった可能性が出てくると私は考える。
4月30日付け毎日新聞(東京本社版)の社会面に独立行政法人「交通安全環境研究所」の松本陽・交通システム研究領域長に取材した記事が掲載されている。その中に、
「120km/h以下の速度で脱線することは考えにくく、他にどんな要因があるのか、事故調査委員会の報告を待ちたい」
という談話がある。どのような乗車量を設定して計算されたものかは記載されていないが、100km/h前後の速度では脱線の可能性が低いことを示すものである。
鉄道会社が線路を作ったときに制限速度を設定する場合は、線路の設計速度に安全率を掛けて設定する。
例えば設計速度(列車が脱線する速度)が100km/h、安全率0.6とする。この場合の制限速度は60km/hになる。これは、不測の事態。たとえばブレーキの故障や、乗務員の体調急変などが発生したときに制限速度を超えてしまう可能性がある。そのようなときにすぐに脱線する速度とはならないよう、制限速度には余裕を持っているのである。
JR西日本は事故が起きた区間について、設計速度約130km/hに対し、制限速度を70km/hに設定している。
空車ならば130km/hまでは脱線しない区間を100km/hで走って脱線した。いくら乗客が乗ることによって重心が上がり、遠心力が大きくなるからと言われても、素直に「はい、そうですか」と言えるだろうか。
思いつくままに書きなぐってしまったが、とにかく事故調査委員会には「100km/hで脱線した理由」を説明してほしい。
早い段階で置石の可能性を否定したのだから、速度超過を主原因とする明確な理由が聞けるものと思っている。
あと207系の台車で使われている空気バネ、車両の傾き若しくは荷重が限界を超えれば当然パンクする訳で、これがどうなったのかも気になる。パンクした瞬間に一気に外側に行っちゃったとも考えられるし。どうなのよ?この辺り。