日本人は、「音」にあまり神経を尖らせない様に思います。僕の、通勤でいつも乗っている新宿と八王子を結んでいる私鉄。この車内アナウンスが凄いのです。「車内では携帯電話はマナーモードにして、通話は御遠慮下さい。また、優先座席のそばでは携帯電話の電源をお切り下さい」・・・ここまでは、どこの鉄道会社とも同じ。この他、僕が聞いて凄いなと思ったのは、「車内で床に座られている方がおられますが、他のお客様の足が引っかかったりして、危険ですので、床には座らないで下さい」・・・子供じゃないんだから、そんなことアナウンスして、どうするんだよ!って感じ。また、或る日、車両点検か何かで、電車のダイヤが乱れた時、当日は勿論、翌日も「昨日は、○○駅での車両点検の為、ダイヤが乱れ、列車に遅れが出た事を深くお詫びします」との車内アナウンス。親切部門では、「次の桜上水駅で急行に乗り換えられますと、笹塚駅で本八幡行きに接続します。途中止まらない下高井戸、代田橋にお越しの方はこのまま、この列車にお乗り下さい。急行列車とこの列車の新宿到着は2分ほどしか変わりません。急行列車は混雑しての到着になりますので、この列車もご利用下さい。ホームと列車の間が広く空いているところがありますので、ご注意下さい。桜上水には4番線に停車します。駅の直前で列車が揺れますので、お立ちの方はご注意願います」など。もちろん、車掌さんによっては短い場合もありますが。携帯電話の着メロより、車掌のアナウンスの方がウルサイという逆転現象を起こしていて、変なの・・・って思います。また、京王線(実名を出してしまった・・・でも、本当のことだから)の列車の床は二色に塗り分けられているか、二本の茶色の線が入っています。これは何かと思っていたら、親交のあった故・マルセ太郎サンが教えてくれました。「座席に座って、色が変わっている、或いは、線がひいてあるところから、『足を出すな』ということ」でした。最近になって、この事実が乗客に伝わらなかったのか、列車の中吊りポスターにも明記されるようになりました。

京王線の良いところも書いておきましょう。「雪が降っても、豪雨でも、不通にならないこと」、これは素晴らしい。新宿と小田原を結んでいる私鉄は、割とすぐ止まりますから。関西の阪急電車は、まず「優先座席」を廃止しました。そして、「すべての座席が優先座席ですよ」というニュアンスのステッカーを各車両に貼りました。大人の対応ですよね。また、列車のいちばん前の車両といちばん後ろの車両を「携帯電話電源OFF車両」にしました。


阪急以外、JRも入れて、「優先座席付近では、医療機器使用のお客様を守る為、携帯電話の電源をお切り下さい」というアナウンスが流れますが、この「優先座席付近」の広さがあいまいで、大阪の阪急電車の対応は素晴らしいものだと思います。また、阪急電車では、通勤時間含め、駅でのマイクによるアナウンスを止めました。駅員の肉声のみになっている(はず)です。だから、阪急電車に乗っていると、車内アナウンス含め、「なんと静かな電車なんだろう」と幸せな気分になります。日本人は「音」について、もう少し、注意を払った方がいいかも。