白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―エアルームトマトの種子採取―

2014年08月23日 | トマト

今年も新プランター栽培で育てたトマトの種取りを始めました。育てたトマトの種を採取して来年の栽培の為に保存する作業、趣味とは言え品種数が増えると結構手間が掛かり、保存管理も容易ではありません。

今では日本のトマト品種と言えば、殆どがF1であり、其の種子や苗を毎年購入して育てている方が多いと思いますが、家庭菜園での趣味のトマト栽培、出来れば昔から作られて来たトマトの中で、これぞと言う品種が見つかれば、其の種を自家採取して毎年トマト作りに励むのが、昔は何方もそうして居たのであり、本当の野菜園芸の醍醐味に成るのでは無いでしょうか。

 

―絞り出して発酵中のブランデーワインピンクの種―

今年は妻が他界して張合いを無くし、トマトの種取りも意欲がすっかり薄れ、それに昨年取った種子が少し残って居る事もあって、採取を決めたのは、エアルームトマトの「ブランデーワイン ピンク」、「ニュービックドワーフ」、「スプライト」の3種だけでした。

そんな中で先日、折しも当ブログで紹介した矮性トマト 「ニュービックドワーフ」の種子を、ご自分で育てたトマト種子と交換して欲しいと申し出された方が居られ、丁度気を取り直す機会と思い、喜んで対応させて頂く事に決めさせていただきました。

 日本でも、昔からの固定種のトマトや海外から入って来ている珍しいエアルームトマト品種等、いろいろなトマト種子を自家採取して居る方も居られるようですが、栽培情報と共にそうした種子の交換を申し出る方が増えるようになれば、トマトは品種が多いだけに栽培愛好家の輪も広がり、趣味と実益の本来の姿の家庭菜園が一層楽しく成るかと思います。

増してや店頭に並ぶ限られた品種の追熟トマトとは、一味も二味も違う、果汁の滴り落ちるいろいろな完熟トマトの本当の旨味を、自ら育てて味合う事の出来る機会が増える事になり、日本でもアメリカ並みに、そんなトマトマニアが増えるようになるかも知れません。

 

    Seed house Logo

実は、日本では余り見掛けない事ですが、アメリカの創業100年以上の老舗の 「シードハウス」、現在は自然交配種、エアールーム種子等に特化した、自家採取の種子販売を頑なに守って居る或る種子通販サイトの園芸情報の中で、トマト種子の採取保存法を園芸愛好家向けに 「 裏ワザ」として発表されて居るのを見つけました。

 トマトの種の取り方、ご存知の方も居られると思いますが、多分、多くの方が見様見真似の自己流でやられて居られるのでは無いか思い、参考までに一寸紹介させて頂きます。

 先ずは、その種子の発芽率、寿命ですが、日本では店頭に並ぶ種子の種袋には、印刷済の数字で期限を切って一律に発芽率が表示されて居ます。

しかし、そのカギを握るのは種子の保存状態にあり、変動する温度と湿度が種の寿命、発芽率に大きく影響します。 それに昨近のF1種子では、入っている粒数も極少なく、時には表示より悪い発芽率で、苦い思いを経験されている方も多く居るかと思います。それがきちんと自家採取したトマト種子では、発芽率は確実で間違いありません。

 トマトの種の寿命、一定の発芽率(70%以上」が得られる目安は一般に3年とあり、採取された種子の良し悪しや品種等で発芽率の違いが発生すると言い、発表されて居た参考資料には最大で9年とありました。

そして、保存法やウエットタオルを使った簡単な方法でできる発芽率の確認の仕方も、其処には紹介されて居ります。

 それでは、表示されていたトマト種子の採取法、添付の写真と共に順を追って説明致します。

 トマトの種子採取は発酵法が最も清潔であり、高い発芽率が得られる事が分かって居ます。其の方法を紹介するにあたっては、先ず種を採取するトマトは、F1交配種で無い事、純粋な自然交配種であり、異種トマトと交配させた果実で無いものと致します。

 

最初の写真は、当圃場で一般に見掛ける晩夏から初秋にかけて採取したトマトの種子を発酵させる容器です。 

大玉トマトでは、水平に輪切りして種を絞り出しますが、ミニトマトでは、写真のように、ラベルを付けた消毒済のプラ容器に直接絞り出します。けれでも、経験では、小さな実であってもカットして絞り出した方が種が飛び散らず、確実にタネが取り出しできます

 絞り出した種と果汁の入ったプラ容器は軽く蓋をして、直射日光を避けられる温度27℃となる場所に置いて発酵させます。

発酵途中で、2回程蓋を取ってかき混ぜると発酵が促進され、未熟な不良種子が発酵滓と一緒に成って浮き上がり、良い種だけが沈むようになり容易に分離させられます。

 

上の写真は、発酵が2―3日経過した状態であり、発酵中に見られる代表的な姿で有ります。大切なのは、発酵状態をチェックして、沈んだ種を必要以上に長く発酵中の液の中に置かない事です。種の発芽が起こる恐れがあり、もし、発酵過程が長くなるようでしたら、光を遮る暗い場所に置きます。

 

発酵処理は種子の周りを包んでいるゼラチン物質を分解することであり、其の持つ発芽抑制作用を持つゼリー状の物質が一旦無くなると、種子の発芽を止める事が出来なりますので、出来るだけ早く種子は乾燥させなくて成りません。

又、発酵処理は、種子から感染する病原菌の除去作用を持つと言われて居ますので、必ず行ってください。

発酵処理が終わったら、先ず浮いている発酵滓を捨て、清水を注いで何度も種を洗浄しては水を捨てます。

 

丁寧に清水を注いでは浮遊物を取り除きます。 そうする事で、悪い種子や果汁分、其の他の不用な物質が除去されます。

清水に依る洗浄作業は充分に行ってください。場合に依ってはストレイナー(濾し器)を使って不純物を取り除いてください。

 

完全に洗浄の終わった種子は、充分に喚起される直射日光の当たらない場所に置いて乾燥させます。湿度が高いようでしたら換気扇を利用し、乾燥は出来るだけ早くしてください。発芽して仕舞う恐れがあるからです。完全に乾燥するには1週間は掛かります。 


適切に乾燥して保存された種子なら、50%以上の発芽率を10年間は維持できる事が経験されて居ますし、50%の発芽率なら、4年から7年は先ず大丈夫です。

保存には空気の遮断できるガラス瓶に入れ、低温で乾いた場所で保管します。少量の乾燥剤をガラス瓶に入れる事で湿度を下げ、種子の寿命を延ばす助けにはなります。

これがトマト種子の保存の唯一の方法と言う事ではありませんが、今までの長い経験では、簡単で効果的な保存法で有る事は確かです。

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