苺は先のブログでも一寸触れましたが、家庭園芸栽培では人気は高く、トマト以上にプランターやポットでの栽培には向いて居り、都市部の住宅空間で育てるのにより相応しい、観賞と収穫も兼ねる園芸作物であってもっと広く普及して多くの方がテラスやベランダ―で苺栽培を楽しむようになってもおかしく無いのではと思います。
―苺は追熟しないと言いますが、ご存じですか?-
それで、日本のイチゴの園芸栽培についてのネットサイトを改めて一寸見て廻ったのですが、多くが通りの一辺倒のどれも同じような程度の栽培情報ばかりであり、イチゴ栽培を始めたくなるような動機付けとなる魅力的な話が先ず見当たりません。
毎年、その季節になると大量にスーパー等の店頭に並べられ、手頃な値段で手に入る珍しくもない果物の苺からは、赤く熟れてたわわにたれ下がる姿を想像させる園芸果物としての関心や自ら育てて見たいと思うイメージが中々生まれて来ないのかも知れません。
―苺植え付けの基本、何故大切なの?―
其の苺、歴史は大変古く、石器時代から野生種が食用とされて居た事が考古学的に明らかにされて居り、野生苺を選別した原種イチゴの栽培が始まったのは古代ペルシャと言われています。
その苺の種がシルクロードに沿って、遠くヨーロッパから極東アジアにも伝わったとありますが、今日栽培されている美味しい食用イチゴが登場した歴史は大変浅く、18世紀になってからであり、16世紀に北アメリカからヨーロッパに持ち帰られた苺と、その後見つかった大粒で名高い南アメリカ苺との交雑種であり、1780年にフランスで生れたのが、今日日本で言うオランダ苺であります。
―鈴なり苺は見ても楽しい!-
実は、その苺の歴史から、其の種類等、苺を育てる事から料理の利用法まで、関心の全てに応えてくれる苺綜合情報サイトを海外ネット上で見つけました。
それが、“Strawberry Plants .org”です。言うなれば 「苺植物全科」であり、その中の数ある情報項目の中に、自ら苺を育てる理由として揚げられて居た10項があり、其の3番目に 「苺は汚れている!」“Strawberry is dirty”とあったのです。
この話、以前にも紹介したと思いますが、アメリカのワシントンに本部を置くNPO団体が、毎年店頭に並ぶ野菜や果物をランダムに取り上げて、農薬汚染の程度を測定し、その結果を発表していますが、其の汚染度No2の位置を、不動にしているのが「苺」であります。
―これが農薬汚染No.2のイメージ?ー
今も盛んに店頭に並ぶ日本の「苺」 それが汚れているか如何は分かりませんが、苺の全てが学べる “Strawberry Plants .Org.” でその経緯が説明されていますので、日本でも皆さんがそれを参考にして、自ら苺のポット栽培を始める動機に成ればと思い、内容を抄訳の形で披露させて頂きます。
“Strawberry is dirty”―抄訳
苺はビックビズネスであり、真に大産業であります。誰もが苺が大好きですから、アメリカを始め世界の消費者の需要に応える為に、苺は何十億ドルの大産業へと発展致しました。カルフォニアは苺生産のリーダーですが、フロリダ、ノースカロライナ、其の他の地域でも、毎年大量の苺が収穫されて居ます。
しかし、人間だけが苺が大好きな訳では有りません。なめくじ、かたつむり、菌類も亦、この栄養豊富な果実や植物体を好んで食べて仕舞うのです。
果実が多く破壊されれば、生産者がいくら頑張っても、消費者に販売する量がそれだけ減って仕舞います。
其処で収穫量を増やす為に、殆どの苺生産者は最大収量と最少損失を実践する技術を開発したのです。その結果、大規模な消毒の為の燻蒸剤、殺虫剤の使用が主流となりました。この事は主流となりつつある有機栽培の食品と対立します。
全健康食品や自然食品を扱う店舗では、単に従来農法生産物を締め出して、有機産物は多くがコスト増えると言う事実が有るにも拘わらず、替わって扱う事が容易に定着して来ました。
加えて、種々の団体が、我々が消費する無印品等を監視して、その隙間を埋める様な情報を用意しては、スーパー等の製品部門の人気アイテムの実施した検査結果を発表して居ます。
そんな団体の一つが Environmental Working Group (EWG)であります。
毎年、この団体、EWGは商品棚や展示品を追い駆けて、沢山の人気食品の化学残留物の検査をしています。
そこで発表されているのが、尤も汚染されている、又、尤も汚染されて居ない、「汚れた1ダース」と「クリーンな15種」の食品リストです。
彼らが作ったリストの限りでは、残念な事に到達した結論は 「苺は汚れている」でした。有機栽培で無い限り、苺には(多くが有機栽培では無いのですが)生育過程で使用された殺虫剤噴霧やその他が残留しているのです。そうした残留異物を口にする事を心配する消費者に取っては、これは問題となる事であります。
―農薬汚染のNo1とNo2、林檎と苺―
其処で、従来農法で育つ苺を消費する事を好まない選択肢は下記の2つになります。
1. 余計にお金を特に払ってでも、有機栽培の苺だけを購入する。
2. 自分で苺を育てる。
本サイトは自ら苺を育てる方の為であり、もし、更なる動機が必要でしたら、自ら苺を育てる10の理由、此処に用意されています。
1. 自ら育てた苺は時には味も優れています。
2. 苺を店で買うよりも苺の苗を買う方が安価です。
3. 苺のは多年性です。
4. 苺は自然に増えてくれます。
5. 自分で育てる苺は無駄にしないで済みます。
6. 自分で育てる苺なら、何も特別なものがいりません。
7. 苺は小さくて場所を取らず、簡単に何処でも育てられます。
8. 店から購入する苺は汚染されているかも知れません。
9. 苺は本当に健康に良い優れた果実です。
10. 新鮮な苺は誰でも大喜びです。
以上ですが、本サイトでは、市販で購入できる苺品種のリストやその栽培法の解説も用意されて居ます。
何しろ、アメリカは世界一の苺生産量の多い国であり、其の75%の苺生産はカルフォニア洲が占めているそうですが、苺は追熟しない果実であり、完全な成熟果の手摘みが唯一の収穫法と言いますから、収穫は大変な作業量です。
―カルフォニア苺の収穫風景―webPhotesより
日本では生食が当たり前の苺、収穫して、選別して、箱詰めされて、出荷される苺の陰で、損失を減らす大切な作業が病虫害管理であり、殺菌、殺虫剤噴霧は当然多い筈ですが、収穫後の成熟した柔らかい果実はじゃぶじゃぶと洗う訳にも行かず、其の薬剤散布の実体を知れば、食べるのに一寸躊躇したくなります。どんな農薬が多く使用されているのか一般情報は殆ど無い事は、数えたら切りが無い程その種類が多いと言う事かも知れません。
今年は、新プランター栽培で苺を6株育てて居ますが、季節に合わせた一期成り苺の無農薬ポット栽培ができる事が一番の関心事です。
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