白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―イチゴ園芸 海外情報を求めて―

2014年12月13日 | 苺栽培

今年も残り少なく成りましたが、来年の新プランター栽培に、トマトの他に何か新しい、これはと思う作物は無いかとを色々想いを巡らして行き着いたのが、矢張りイチゴのポット養液栽培でありました。

それと申しますのも日本のイチゴの商業栽培、既に用土を離れた高設養液栽培が多く普及して居り、また一方、イチゴの養液土耕栽培も盛んに導入されつつあると聞きます。これはイチゴの養液栽培が、トマトと並んで成果を揚げて定着し始めていると言う事であり、イチゴは養液肥料栽培向きの作物と言う事かも知れません。

 

―イチゴの高設養液栽培―WebImagesPhotoesより

それでは此処で、一寸その養液栽培で用いられる液体肥料、一般の固形肥料との違い、その使い方等に就いておさらいしたいと思います。

 作物を元気に育てるには先ず欠かせないのが肥料であり、其の原料の違いで化学肥料と有機肥料に大別されるのですが、植物の生育に必要な其の成分、化学肥料であっても有機肥料であっても同一の元素であって何も変りは有りません。

では其の違いは何か申せば、肥料成分が無機物の形で与えられるのが化学肥料であり、それらの肥料成分を含む有機物(堆肥や腐葉土、油カス、米ヌカ、草木灰、魚カス、骨粉、家畜糞尿等)で与えられるのが有機肥料であると言う事です。

 

―肥料は作物を育てる養分!-WebImagesPhotoesより

ご存じのように、有機肥料は土壌に施されると、土壌に棲むカビやバクテリア等の微生物によって分解されて菌体肥料となり、やがてそれが無機化され、化学肥料同様の無機物成分となって植物に吸収されるのです。

自然界では、木の葉や枯死した植物残さ、野生動物の死体やフン尿等、そのすべてが大地の土に還り、永年かかって植物に必要な肥料分を含んだ栄養豊かな土を作り上げて来ました。

 人間は其の大地を耕して食料となる作物を栽培し、その土壌から吸い上げた養分を収穫物と共に外に持ち出して来たのですが、その養分を土に戻して補うのが肥料であり、其の為に有機物を土壌に還元する事が自然の物質循環に最も叶った方法と言う考え方、それが有機農法の原点です。

 

―有機肥料となる堆肥を施す!-WebImagesPhotoesより

其の人類が長い農耕の歴史の中で学んだ有機農法の考え方、それを大きく変える事に成った発見が、19世紀半ばにドイツの化学者リービッヒが唱えた、植物が吸収する養分は無機物であるとする無機栄養論であり、その結果化学肥料が開発され、近代農業は大発展して今日のような高い農業生産性を達成する事が出きるようになったのであり、化学肥料が増大する地球人口を支える食糧増産に大きく貢献して来た事は言う迄もありません。

 その植物に必要な無機肥料成分、良く言われる窒素、リン酸、カリの三大要素が中心ですが、続いて、カルシューム、マグネシューム、硫黄があり、その他に微量要素と呼ばれる、鉄、マンガン、銅、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、ニッケルの14元素、今日までの知見で明らかにされている植物の必須要素であります。

 其の化学肥料の使い方、有機肥料成分を土壌還元する有機農法とは異なり、無機質肥料成分は作物が直ぐ吸収できる速効性があり(肥効調節した遅効性肥料もありますが)、肥料としての効果、確かで優れてはいますが、その成分は限られています。

最も一般的に使われている化成肥料、多くが含まれる成分は窒素、リン酸、カリの三要素ですが、一部には不足しやすい他要素を添加した配合肥料もあり、利用に当たってはそれらを上手く使い分ける必要があります。

厳密には化学肥料の使い方は、必要な肥料要素の単肥を配合して、栽培作物に合わせた肥料設計と施肥管理が必要であり、それだけに専門的な肥料知識が必要になります。

 

化成肥料のイメージです!ーWebImagesPhotoesより

其処で肝腎なのが、先のブログで申した肥料の4Rsであり、作物毎に、どんな配合で、どのくらいの施肥量を、何時、如何与えるかですが、それが肥料の使い方で最も大切な要点です。

これは又、化学肥料のみならず、有機肥料であっても同様であり、肥料の即効性が期待できない有機肥料では、肥効の予測や施肥量がそれだけ難しく、化学肥料と合わせて使い分けるのが最も好ましい施肥法と良く言われる所以です。

尚、プランターやポットを使った容器用土栽培では、「ボカシ肥」と呼ばれる有機肥料の一部を予め、微生物に依って分解させた肥料以外は其の利用は殆ど無理であります。

それでプランターやポットの用土栽培では、少量の化成肥料を、溝を作って分割して与えるか、或いは化成肥料を溶解した液肥を作り、その濃度を調節して給水替わりに与えるのが、最も適切で無難な施肥法となるのです。

 

―イチゴの高設ポット養液栽培―WebImagesPhotoesより

それでは此処で話を戻しますが、先のイチゴの高設用土栽培、用土に替わる有機媒体のココナッツコイアなどを利用する、培養液掛け流し栽培が多いと聞きます。又、ハウス温室栽培土耕では養液を灌滴する、灌水と施肥を一体化したファーティゲーションと呼ばれる栽培法です。

養液栽培で利用される養液肥料、一般に植物に必要な無機肥料成分すべての必須要素を溶解した肥料溶液であり、今から80年程前に、ハイドロポニックスと命名されて誕生した肥料成分組成を高度に均衡させた培養液による土壌に頼らずに動的に給液する栽培法です。

 そのイチゴの家庭園芸栽培の海外情報を求めてネットサーフィンして見ると、イチゴ商業生産量が世界一のアメリカは、又ハイドロポニックス発祥の国でもあり、大変豊富なイチゴ栽培情報が溢れています。その中で、参考になる要点を一寸纏めて見ました。

 イチゴは品種選択が大切!

イチゴの開花特性には、単日性の一季成り、春と秋の二季に開花する結実する四季成り、光周性を持たず随時結実する品種があり、其の開花時期で早生種、中生種、晩生種とあるようですが、イチゴは栽培地域の気候条件に合わせて其の開花特性を考慮して品種を選ぶと言います。 たったの5-6種の野生イチゴから広がったイチゴ品種、ざっと600種以上もあるそうです。

その中から、香りや酸味、甘味等、其の食味特徴と鑑賞価値や好みにあわせて育てる品種を選ぶのが、イチゴ園芸栽培を楽しむコツ、醍醐味とあります。其のお薦め品種の数、何とも羨ましい話です!

 

―見ても楽しいイチゴ栽培―WebImagesPhotoesより

ところで、日本のイチゴ品種、登録されている品種数は157種あると言いますが、その多くが、食味優先の果実高品質を求めて開発された商業栽培目的の促成栽培向きであり、その品種特性、本来イチゴの持つ園芸鑑賞的な価値は二の次であり、一般の園芸の露地栽培条件でも簡単に育てられる、病虫害耐性等を備えていてかどうかもはっきりはして居ません。尚、昔から品種には、ダナー種、宝交早生、アイベリーが揚げられています。

 イチゴの株は更新が大切!

イチゴは多年草ですが、病害が発生しやすく、収穫量が減るのでプランターやポット栽培では、毎年新しい苗に更新する必要があるようです。又、露地でのベット栽培等では、収穫後、親株は葉刈りして古葉をすべて除去して圃場を清掃し、発生したランナーの小苗に順次更新するのですが、それでも三、四年の連続栽培が限度であり、時期を見て全てを撤去して、栽培場所を替える輪作が、家庭菜園でも必ず守る事と言います。

 

―イチゴのベット栽培―WebImagesPhotoesより

尚亦、病害が発生したら、其の株は直ちに除去しては廃棄する事が大切であり、一方容器栽培では、用土の吟味が特に大切で、毎年の更新は欠かせません。

 イチゴはハイドロポニックス栽培に向いている!

イチゴには土壌由来の病原菌の感染で発生する病害が多いので、土壌を離れるハイドロポニックス、養液栽培に好適と言います。又、イチゴの根は、その根域が狭く、圃場でも地上表面から15cm以内の深さに70%の根が展開すると言い、其の為に水分不足が発生し易いのですが、一方で、大変加湿に弱い性質の作物と言います。

従って、栽培上、株の上部のクラウンと呼ばれる部分は常に地上より上に出ている必要があり、果実を含めた疾病対策から、土壌から隔離する敷きわらやシートマルチ栽培が欠かせないのであり、ストローベリーと名の付いた理由もそこに在ると言います。

そうした栽培上の要件を満たすのが、ハイドロポニックス、養液栽培向きと言う事です。その上にイチゴは其の栽培目的に合わせて徹底的に品種改良されて来た園芸植物であり、其の養水分摂取が大変旺盛であり、栽培要件を満たせば、大変良く育ち、其の収量も多くなり、経済価値の高い作物です。

 

イチゴはハイドロポニックス向きーWebImagesPhotoesより

今日本で盛んに行われているイチゴ促成栽培、年内の12月から始める果実収穫、翌春の4-5月まで連続して収穫できるのであり、そうした長期の栽培期間には、それに見合った施肥管理を必要としますが、其の条件にぴったりなのが養液栽培と言う事です。

 イチゴ栽培の課題はIPM(綜合病虫害管理)です!

イチゴ栽培にな欠かせ無い土壌消毒剤であり、長く使って来たメチルブロマイドの禁止によって大打撃を受けているアメリカのイチゴ生産業界、イチゴ栽培のIPMは予てからの課題であり、如何にして人や環境へのリスクを減らし、病虫害の軽減を図る一方で、如何対処する妥協点を見出すかの手法であり、其の解決手段は多種多様であります。其の一つ毎の解決策を積み重ね、継続実施して行くしか無く、揚げられていたのが害虫だけで22種、病害菌が9種であり、農薬で全てが解決出来ないのは何処の国も同じです。

 

―農薬散布は安全な作業では有りません!-WebImagesPhotoesより

尚、病害対策としての輪作体制、トマト、ジャガイモ、茄子、ズッキーニの作付け地は避け、トウモロコシ等、イネ科植物との輪作が好ましく、休耕するならライグラス作付とあります。

日本の様な狭い栽培圃場でのイチゴ促成栽培、高い収穫量を毎年確保する為の高頻度な農薬散布を徹底するも理解できますが、そのIPM(綜合病虫害管理)、どんな手法が適切なのか、課題解決の道程は未だ遠いと言う事のようです。

 其のイチゴ園芸栽培海外情報、キーワードを入れて追い駆けたらキリが無く、マダマダ話題は尽きません。

結論は、イチゴ程、簡単で容易にプランターやポットでの園芸栽培が、名実ともに楽しめる作物は先ずありません。

パーフェクトな施肥管理の出来る養液肥料に用土に替わる理想の栽培媒体との組み合わせ、そのKnowHowが其の答えであるようです。

 

―Strawberry Imagesよりー

来年から、参考になるイチゴポット栽培海外情報、見付け次第発信して行きたいと思って居ます。

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