白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―イチゴの新ポット栽培近況―

2015年11月20日 | 苺栽培

家人から来春のポット栽培イチゴ、一回に採れる収量をもう一寸増やしてと言われ、此の秋には5品種にして、ポットの数も32個に増やしました。新ポット栽培なら、それでも給液間隔が2-3週間に1回程度で済みますから、それ程手が掛からず気楽で居られます。

栽培品種は自家採取苗の「カレンべリー」と「オオキミ」の2種類、20株に 「章姫」と「さちのか」に「越後姫」の3種12株であり、今年新たに購入した苗は10月の始めに根洗いして植え込みました。

それが5号ポットでも生育が良過ぎたのか、早くも購入苗の一部で花芽が伸び出して居り、元より加温栽培にする積りは無いので早速摘み取って居ます。昨近の一期成りいちごは、その浅い休眠期が品種特徴と言う事かも知れません。

 

―5号新ポット栽培中の「章姫」 休眠まだ先で葉が尚も展開中!―

今では、苺の商業生産は昔からの露地土耕栽培は先ず見掛ける事は無く、殆ど全てが施設園芸栽培となって居り、加温ハウス設備下では、高度な栽培管理と相俟って、苺は年内から翌春まで、一回ならず2回、3回と次々と伸びる花房から、長期に亘って収穫できる収益性の高い作物となって、今や日本の苺栽培は最も進んだ施設園芸品目と言われています。(‥多分、値段も世界一高いようですが‥‥)

 

-5号新ポット栽培中のいちご「さちのか」―葉は尚も伸長中!

それで、産地では地域に適した新品種が次々と育成されて登場する一方、栽培法の研究も盛んであり、特に高設ベンチ栽培では用土に替わるヤシ殻やピートモス等の固形培地と養液灌注のドリップ方式と組み合わせた養液栽培が定着して居ます。

施設園芸の中心的な作物に成って居る苺、産地では摘み取り食べ放題の「苺狩り」も普及して久しく、観光農業の一翼を担うようになって其の季節になると今尚大変盛んなようで有ります。

それ故と言う事では有りませんが、苺作りは昔から家庭園芸でも盛んに試みられてきたのであり、新ポット栽培は全くの無農薬での養液栽培になりますから、家庭園芸には最も相応しい園芸栽培品目になるのではないかと思って始めたのです。

これで充分な成果が揚げられる栽培方式となるならば、お子さんたちには自ら育てて摘み取る「苺狩り」が十分楽しめるようにもなり、思ったより広く一般に注目して頂けると期待して仕舞い、栽培品種も広げたくなったのです。

 

―こちらは、5号新ポット栽培で初めて作る「わけぎ」です!-

なにしろ、今の施設栽培の苺商業生産、多くが農薬の多投栽培であり、先のブログでも触れましたが、春からのランナーによる新苗生産から始まって、その収穫期は年内に開始して翌春まで続くのであり、其の間には延べ数十回にも及ぶと言う、長期に亘っての農薬散布が行われて居ります。其の実体を知った事がきっかで、とても市販の苺を買って食べる気にはなれず、家人の為にも無農薬栽培が容易なポット苺栽培ならと、改めて挑戦する動機になったのです。

趣味で始める家庭園芸での苺栽培となると今尚、多くが昔から殆ど変って居ない状況にあって用土と肥料分を適当に選んで育てる自己流ワンパターン栽培?であり、一方の商業栽培では、次々と生まれた新品種の苺のオンパレードであり、産地間競争あって大粒で立派であって見ての華麗さも其の食味の良さも抜群です。

家庭園芸栽培でそんな新品種苺を作って見ても、とても結果を出すのは無理であり、真似も出来ない高嶺の華との状況にあるのも確かです。

 

―高設イチゴ促成栽培の典型的なターンーWebImagesより

其れやこれやで苺の観光農園が盛況となって居るのでしょうが、何か解せないのは、今の旬を外した促成栽培の苺が本来の美味しい苺と消費者に想わせている事であります。

それにも増して驚くのは、従来の旬の苺の完熟品が苺本来の持つ特有の得も言われぬ芳香と適度にある酸味と甘味のバランスが本来の美味しさで有る筈ですが、消費者は忘れさせられて居るであって、今では本来の苺の味を知らない世代が育ってしまっている事です。

多分、毎年「苺狩り」に出掛けるリピーターの方達は、其の完熟摘み取り苺の素晴らしい食味を知っているからでしょうが、何か高い料金を払って限られた時間内で、その場で食べたいだけ取って食べるのでは農薬の心配もあり、事子供さんたちにとってはあまり勧められる話とは思えません。

 

―前回のポリポット苺栽培のカレンベリー 給液の手間が大変でした!-

唯苺は、正確には果実では無く、其の花床(花托)部分が肥大して着色し、成熟するのであり、本来の果実部分は、痩果と呼ばれる表面の粒々した種子の周りだけであって、苺は切り離なしても殆ど追熟はしないと言われて居ます。

酸味が少なくて甘味が強くて実が堅く、熟しても軟化しにくい性質は、どちらかと言えば商業生産側に都合が良い様に改良された品種特性の為せる業であり、実は本来の柔かく成る程の完熟果を取って、直ぐ食べるのが苺の最高の味であるのは確かです。

 

―章姫は静岡の代表的な大果品種―WebImagesより

其の苺栽培は今や促成栽培が常態化して居り、本来育てて収穫する自然の気候条件を人為的に制御して栽培されるのであり、苺は環境ストレスをそれだけ多く受けることになり、それが植物の自然に備わる免疫力や病虫害の抵抗能力を弱めるのであり、病減菌の発育適温が28℃前後と言う硫黄病や炭素病、菌の発育温度は23℃でも冷涼でも高い湿度を好んで繁殖する灰色カビ病、冷涼で乾燥した環境で発生しやすいと言ううどん粉病等の病害、解放空間とは異なる施設内は通風制限を受け易く、また密植環境では発生しやすいアブラムシ類や高温で乾燥しやすい環境を好むハダニ類等の虫害を大変受け易くなるのです。

 

―カレンベリーは着果数が一寸少ないのが欠点です!-

其れを農薬頼りで防除しようとする訳ですから、ひとたび農薬を使い始めると、本来持っている作物の抵抗力は更に失われ、それが却って素因、誘因となって病虫害を受け易くなり、結果的に被害が一層拡大する傾向となって、薬剤使用量は増えても決して減る事は無いのです。

苺に限らず他の作物も同じですが、作物本来持つ旬の栽培環境での抵抗力を活かすのが本来の栽培の基本であり、家庭園芸だから言える話ですが、病虫被害を如何にして許容範囲に収めるかが課題であります。例えば苺栽培では、病害を受けた葉や果実を直ぐ摘み取ったり、害虫を捕殺するなどの物理的な手段でも、一般的な防除は可能であります。それが商業では追いつけない作業になっているのです。

また輪作、カンパニオンプランツとの混植、大幅な作付間隔の導入等、農薬のお世話にならずとも、工夫次第で無農薬栽培は家庭菜園なら充分可能で有ります。

 

-5号新ポット栽培中のいちご「カレンベリー」-

では此処で、家庭園芸での苺作りの良さを申しますが、何と言いっても小容積のポット栽培が可能な簡易さであります。日照さえある程度確保出来れば、都市部の狭いベランダ―等でも簡単に育てる事が出来るのです。それに加え養液栽培なら、面倒な給肥、給水の養水分調整を簡単にできる適性が苺にはあり、何と言っても果実を見て楽しむ鑑賞価値と取って食べる収穫の喜びが身近で味わえる本来の園芸栽培にぴったりの作物で有る事です。

それに市販品では中々得られない完熟果の持つ高い香り、柔らかくなった特有の甘味と酸味のバランスが楽しめる特有の美味しさが堪能できる事です。

それには、苺の栽培技量を上げる事ですが、今までなら、先ず育てる品種の選択、栽培場所に適した栽培容器の選定、利用する培養土に肥料分、給水と施肥量管理となるのですが、手間暇掛ける労力はさて置いても、必要となる資材費だけでも買った苺の方が廉い程掛かってしまい、先ず以って手掛ける園芸モチーブエイションは上がりません。

 

―5号新ポット栽培中のいちご「さちのか」―

無農薬で作れるなら、収量や粒揃いは気にしない、イチゴの形をした果実が成れば結構とする方も居られると思いますが、それが苺の新ポット養液栽培なら、育てる品種にも依りますが、資材費用でも、手間暇かける労力でも、大変負担は少ないのであり、結果の成否の鍵を握っているのは何かと言えば、唯此の栽培法のノウハウだけであります。 

今年はベランダ―栽培での苺の収量を多くする為に、5号ポット32個にしたのですが、それでも給液の手間は僅かです。

それに栽培品種を5種類に増やしたのは、新ポット養液栽培では、どの品種が一番優れているか、出せる成果を比べるためで有ります。

2階のベランダ―に並ぶ32個のポット、それに実がずらりと成り下がれば、さぞ盛観になると今から想像しています。

 

―見るだけで楽しいストローベリーバスケット!―WebImagesより

否!食卓上に鉢を並べて飾る卓上いちご狩り、そんな趣向を思い浮かべるのですが、末子孫は最早中学生となって喜ぶ歳でも無くなったと思うと、時の流れの速さが一層身にしみて冥途が近くなる淋しさが禁じ得ません。

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