白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―イチゴ栽培 コンポストソックス農法―

2014年12月23日 | 苺栽培

世界一のイチゴの生産量を誇るアメリカ、日本のイチゴ促成栽培を農薬漬けにしている元凶の炭素病等の土壌伝染性の病原菌には、早くから苦しめられてきたイチゴ栽培の先輩国であり、其の病害防除に土壌燻蒸剤として、永年用いられて来たのがメチルブロマイドであります。

 しかし、ご存知のように大気に気散するメチルブロマイドは、地球オゾン層の破壊物質であり、世界各国はモントリオール議定書の批准に伴って、段階的な使用の削減から禁止へと追い込まれて来ました。

 

―北極で広がるオゾンホール比較画像―WebImages より

アメリカにはイチゴ生産の80余%を占める大産地のカルフォニア州があり、メチルブロマイドの禁止に伴う代替薬剤探し等、今尚も苦慮している話がネット上で大変多く残っているのを目にします。

そうした背景があって、アメリカの多くのイチゴ生産者やイチゴ栽培研究者は、メチルブロマイドに替わる化学的、生物的、或いは耕種的防除法、その様々な評価を早急にしなくてはならない状況に置かれて来た事が良く分かります。

 実は、そんな事からネット上で見付けたのが、古くて新しい?と申せるような 「イチゴのコンポスト栽培」、耕種的防除法としてアメリア農務省傘下の研究センターが取り上げられて実施し、2006年に発表した 「コンポストソックスに依るイチゴの黒根腐病の抑制」と題する、慣行栽培法と比較しての試験報告書であります。

 

―カルフォニアのイチゴ祭りサイトーwebpageより

其の報告書のアブストラクトには 「黒根腐病は、複数年のイチゴマット畝栽培の生産性を、厳しく制限する。 一年毎のイチゴ生産方式では、土壌燻蒸は、土壌を発生源とする病害を一時的には抑制する。本報告書は、その土壌燻蒸の代替として堆肥を100%使った、珍しい高床方式の栽培法に就いて初めて記述するものである。」 とあります。

アメリカの代表的なイチゴ生産方式は、日本の施設温室内の促成栽培方式とは違って、大産地カルフォニアのイチゴ栽培に適する気候条件に合わせた、高畝黒プラスチックシートマルチ土壌に、灌水チューブを設置して、プラグ種苗を機械植え付けする、大規模な露地一年栽培方式であります。

 

―カルフォニアのイチゴプラシートマルチ圃場―webphotesより

一方、冬は寒く、夏は温暖な気候となる地域では、圃場で多くのランナーが発生する事もあって、旧来のイチゴ栽培方式、帯状に列植えする複数年ベット栽培が採用され、小規模なイチゴ生産者、農園内に入園させて、自由摘み取り方式でイチゴを販売する農家等で、今尚広く行われて居ると言います。

 ネット上にあったその試験報告、大産地カルフォニア等の高畝黒プラスチックシートマルチ栽培方式、旧来の帯状に列植えする複数年ベット栽培方式の両方と比較する為、直径20cmのポリエチレン製網状のフレキシブルチューブに完熟堆肥を圧縮空気で封入し、筒状の堆肥だけの栽培媒体(コンポストソックス)に、イチゴ苗を植え付けて灌水チューブを取り付け、無燻蒸の圃場に直接置いて行った比較栽培試験の結果であります。

 

―アメリカもイチゴの摘み取り販売が盛んなようです!-

無燻蒸の土壌に植え付けた、前記の二つの従来栽培法式と比較するコンポストソックス栽培方式、各々の栽培方式での成長具合状況、根の状態の健康度、収穫量、黒根腐病の感染状況等、2品種のイチゴで観察評価して、その結果を発表しています。

述べられている結論から言いますと、本来コンポストは、植物の病害の抑制作用、土壌の改良効果等広く認められており、感染土壌の上に置かれても隔離効果もあって、黒根腐病の感染はかなりの防止効果がある事が認められ、其の収量差は、品種の違いや天候等の栽培環境条件、施肥管理で大きく異なるですが、コンポストソックス栽培の効果、はっきり違って優れている事が確認できたとあります。

 

―コンポストソックスに植え付けイチゴと散水管―

日本のイチゴのハウス抑制栽培土壌でも、徹底した天日土壌消毒や自家製の高品質堆肥の施用が既に当たり前の様に実施されているようですが、それでも尚、必要な定期的な高度の病虫害の防除処理、何故かと思って仕舞います。

 例えば、福岡県で認証されているイチゴの化学合成農薬の散布基準値、63回の農薬漬けにうんざりして、減農薬から無農薬へ挑戦する、或る脱サライチゴ生産農家の方を取り上げて、取材したブログ記事が在り見ましたが、農薬多投が当たり前の日本のイチゴ栽培を善し!とはしない、生産者の方の無農薬栽培への更なる様々な挑戦が、既に多くで始まって居る様です。

 

―カルフォニアイチゴ農園でイチゴ摘みを楽しむ母子―

イチゴの飽くなき生産性の向上を求め、省力化や手抜きの為に農薬多投となるならば、それを止められる手立てと言えば、やはり消費者の方々の其の受け止め方であり、早く日本人向きの 「皆さん、そうしています!」となれば、遅れまじと、減農薬から無農薬への挑戦、一層前進するかも知れません。

 

-イチゴは完熟、摘み立てが美味しい!-

先のブログでも触れましたが、先ず申し上げたいのは、「イチゴは完熟摘み取りで、すぐ食べるのが一番に美味しいのであり、生産者のイチゴ農園から直接購入できないなら、自分で自らイチゴは育てる事です。」と、アメリアのイチゴの家庭園芸サイトにはありました。

 イチゴは一般の果実とは違って、追熟せず、摘み取り後は、どんどん甘味も香りも落ちるのであり、商業栽培品は、トマトと同じように、先ず堅くて色付きの良い品種が好まれて、7~8割の熟度で摘み取って出荷されるのですが、その為に、日本のイチゴは甘味に拘って、極度に品種改良されて来た経緯があり、イチゴ本来の持つ甘味と酸味のほど良いバランスと独特の香り、それが良く分かる、摘み立ての完熟イチゴの美味しさは一度食べたら止められません。

 

-イチゴのポット栽培 見て食べて楽しむ!-

そんな事から是非お勧めしたのがイチゴのプランターやポットでの栽培です。どうやら用土の替わりに、全くの堆肥、コンポスト植え込みが向いているようですが、とは言え、良質な完熟堆肥の入手は容易では有りません。無農薬は貴重ですが、それにしても、市販イチゴを買った方が余程廉いようなイチゴ作りでは薦められませんね!

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