白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

-農薬が農薬を呼ぶ!-

2014年05月29日 | 農薬

「農薬が農薬を呼ぶ」 なにか奇妙な事のように思われるでしょうが、実は今年の外房の菜園で育てて居るニンニク、農薬散布が必要であったのに放置した為、略、全滅した話です。

となりの畝の長ネギ 「坊主知らず」にまで被害が広がってしまい、無農薬栽培を旨とする家庭菜園、判って居たのですが、敢えて農薬散布を控えた結果の惨めな姿です。

感染力の強い赤さび病、あれよ、あれよと言う間に自家採取ニンニクを植えた畝までにも広がり、3、4月の展開した大切な葉の殆どが赤くなり、先日見に行った時には既に、収穫期間際のような葉の枯れ上がった姿となっていました。

 

―何処でもよくみられるにネギの赤さび病―

その発生の元はと言えば、昨年青森の某農場から通販で購入した種鱗片、極上品のニンニクのホワイト6片であり、植えたその一画から始まったさび病が全体に広がったのです。

ご存じ方もいらっしゃるとは思いますが、其のさび病、ネギ、タマネギ、ラッキョウ、ニンニク、ニラ等、ネギ属野菜に発生するプクシニア属担子菌であり、不思議な事にニンニクからネギに伝染しても其の脇のニラやラッキョには全く変化が起こらないのです。

此処三年、毎年作って来て問題となるような事の無かったネギ、タマネギ、ラッキョウ、ニンニク、ニラですが、今年植え付けたニンニクからの壊滅的な被害、最も酷い発生源が通販で購入した極上品のホワイト6片であり、農薬、殺菌剤漬けで自らの病原抵抗性を既に失ってしまった、その種鱗片が原因(?)であり、そんなニンニクは殺菌剤の定期的な散布無しでは育てられない現実をまざまざと見せ付けられる結果と成りました。

 

―ニンニクのさび病菌、ニラ、ラッキョウは非中間宿主!-

最近の研究から明らかにされている事ですが、植物の組織や細胞内には、病原性を発現する事の無い真菌やバクテリアが共生して居り、その宿主植物との相互関係は未だ良くは判って居ないと言いますが、干ばつ等の非生物的ストレス、虫害、草食動物の食害の抵抗性の改善効果、宿主を病原性菌から守るバリアー効果、競合する他植物の抑制阻害物質を生成するアレロパシー効果等、様々な有益な相互関係効果が得られている事が分かって居ます。

それが言う迄も無く、本来植物が無農薬であっても生育できる病原菌抵抗性を持つ免疫効果であり、喩えさび病が発生しても、今までならこのような壊滅的な被害となる事は無かったのです。

しかし、種鱗片を取り寄せた青森県の大産地のニンニク、そんな呑気な事では、事は決して納まりませんと言う事です。

 

―ニンニクの赤さび病の発生葉―

実は、其の「さび病」の実体を語る体験レポートが、某農薬メーカーのネット上に在りました。農薬メーカーの宣伝になりますが、其の農薬漬けの現状を語る話、参考までに引用させて頂きます。

 ―引用文開始―

「青森県五戸町で1haのにんにく(福地ホワイト六片)圃場を手がける、栽培技術の研究に熱心なXXXさん 「3年前から卵殻をにんにく畑にまいてるんだけど、葉が丈夫になった気がするよ」と、現在でも土づくりの改善に余念がありません。
そんなXXXさんのにんにくづくりは、10月上旬の植え付けに始まり、4月上旬からアミノ酸の葉面散布と同時に病害防除を開始。収穫の始まる7月上旬まで10日に1度のペースで殺菌剤を散布していると言います
にんにくの大敵はなんといっても 「さび病」と語るXXXさん。「さび病は一晩で圃場全体に広がるくらい感染が早い。だから、予防を徹底することが重要なんだ」。しかしかつてはどんなに予防を徹底してもさび病が出てしまい、手を焼いていたのだとか。「気温と湿度の高まる5月下旬から6月上旬はとくにさび病が出やすくて、殺菌剤を何度もまいてようやく抑えている状況だった」。
それが、にんにくのさび病に適用拡大されたのをきっかけに、アミスター20フロアブル(以下、アミスター20)を採用し、2000倍液を10aあたり300L散布。初めて使ったときの印象をこのように語ってくれました。
ひと目見て効果がわかるくらい、さび病を一発で抑えてくれた。“これを使えば大丈夫”って確信したね」。アミスター20を使い始めてからは、5月上旬に予防で1回、発生具合を見計らって6月上旬に1回の計2回で、さび病の発生を抑えられているといいます。また、さび病のほか、葉枯病対策にも役立っているとのこと。
「葉枯病は風が強いと胞子が飛んで広がりやすいから、菌が侵入しないように予防を徹底することが大事。アミスター20は葉枯病も同時防除してくれるから、二重の安心感があるね」。‥‥

―引用終了―

 ―海外ではガーリックの有機栽培も大変盛んです!-Webphotesより

これぞ、まさに表題の「農薬が農薬を呼ぶ!」であり、農薬失くしては、ニンニクは作れないと言う事を語っている話です。

しかし、前述の様に、元来植物は、自ら我が身を守る防御物質を生成する能力を備えて居り、其の立役者が植物体内に共生する、 ある種のバクテリア、エンドファイトと呼ばれる「内生菌」であり、特にその一種、アーバスキュラー菌根を含む菌類のエンドファイトが、植物の防御物質の生成に一役かっていると言います。

 

―木村秋則さんの奇跡の林檎もエンドファイトの力です!ー

本来丈夫であり、壊滅的な病原菌被害の発生など無かったネギ属野菜、家庭菜園でも、農薬漬けの鱗茎を偶々植え付けた為に起った事であり、その農薬散布の悪循環禍(?)を、思い知らされる結果と成りました。

今や家庭菜園では、無農薬、有機肥料栽培が常識となって居りますが、有機栽培の種苗の効果が如何に大切か、改めて認識する機会にも成りました。

 先のブログでも触れた様に、健全な植物の生育に欠かせない、植物の代謝活性酵素や植物ホルモン、成長促進物質の供給源となる堆肥の施用や有機肥料施肥、又合わせて無農薬栽培で期待できる、植物体の内生菌、エンドファイトによる防御物質の生成等、これで亦、無農薬栽培が実感できる家庭菜園に励むネタが一つ増え多様な気が致します。

 

欧州エンドファイトバイテクの農業研究統合のサイト

尚、エンドファイト研究の話ですが、毒性や薬物効果を持つ植物の様々な二次代謝物質に注目した研究から始まったと言われ、最近は家畜の草食毒の研究等、植物生理学上、共生する菌類の生成する物質、そのエンドファイトが作り出す防御物質の分子レベルの解析に研究は集中していると書かれています。 詳しく知りたいのでしたら、Wikipediaの中の Plant use of endophytic fungi in defenseをご参照ください。

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