白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

トマトの施肥と病害

2012年05月26日 | トマト

トマトを育てようと家庭菜園やプランターに4月末から5月初めに苗を植え付けた方は多いと思います。そのトマト、既に2段花房まで開花が始まる程生育が進んだり、一方では、やっと花芽がやっと見えて来たと言う状態であったり、苗の良し悪し、温度や日照、栽培地域の違いで、結果に大きな違いが出ているかと思います。そのトマト栽培、特に気を付けなくてはならないのは施肥と病害ですが、どのように対処されてますか。

 

―第一花房の開花中のおどりこー

大玉トマト栽培では難易度が高く、プランター用土栽培では充分な収穫は中々望めない事から、一般に菜園での露地栽培となるのですが、其の成果の決め手は土作りとそれに合わせた施肥量だと言います。

 

―第一花房の見えて来たポンデローザー

トマトは多肥に弱く、窒素量に大変敏感であり、土壌条件で吸肥力が違ってくるので、適正とされる肥料の種類や量を決める事が肝心ですが、それには施肥量に見合った肥効が得られる土作りが前提となります。

 

―元肥の効き過ぎで過繁茂となったトマトーおどりこー

しかし、土作りと一言で言っても、土壌は組成や土性にいろいろ違いがあり、先ず、基本的な条件を満たす、それなりの土壌改良が必要です。一般には輪作を主体とし、pHの矯正、微量要素や土壌腐植の補充の為の堆肥や腐葉土の添加、前作の残存肥料成分を考慮しての元肥の投入となります。

 

―窒素過多、低温受粉異常による変形果ー

作物の吸肥力は、温度や日照量、降雨に依る土壌水分量や生育ステージで変わり、全吸収養分量も違ってくるのですが、基本的な施肥量は作物毎に決められています。しかし、指標とする大変アバウトな数値であり、多肥に弱いトマトは、一般に出来るだけ元肥量を控えて、生育状態に合わせて追肥で補うのが良いと言います。

 

日本で数少ないブッシュタイプ(デターミネイト)トマトー

そこで、知って置く事は、トマトは他の果菜類と一寸異なるその生育特性です。一般に、日本で栽培されるトマトは、播種後、本葉が7-8枚展開した後、第一花房が形成され、其の後は蔓性の成長点が次々と伸びて本葉3枚展開毎に花房が形成され、結実しながら更に成長するタイプ(インデターミネイト種)です。その為には、葉からの栄養分の転流する生殖成長と次の花房の形成の為の栄養成長がバランス良く進行するように肥料成分と水分量を調節しなくては成りません。

 

―昔トマトのような新プランター栽培の麗夏―

それに、トマトは肥料の窒素成分が多すぎると、栄養成長の方が盛んになり過ぎて、「木ぼけ」を起こして実止まりが悪くなり、果実は変形肥大し、過繁茂となって病虫害の発生も助長されます。

その上、一般に家庭園芸で栽培される多くのトマト品種が商業栽培用であり、施設園芸向きで雨除けが必要であり、栽培環境への適応性の幅も狭く、良品を収穫するには、それなりの品種特性に合わせた栽培管理手法が必要と言います。特に、秀品率を挙げて生産量を確保する為の摘果と適時収穫が必要であり、それに合わせの施肥量の調節と摘葉等の剪定管理作業が微妙です。 

トマトは茄子やキュウリのように幼果を収穫するのではなく、成熟果となる迄木に付けて置く必要があるのですが、果実の摘み取り時期で木に掛かる負担が変わる事から、商業栽培では出荷の都合もあって多くが早取りされています。

 

―葉摘みして完熟を待つアイコー

トマト本来の甘みや酸味、独特の香りや旨み成分は収穫時の成熟度で決まると言われ、上手に作った完熟トマトの味は格別であり、市販品ではとても味わえないと良く言われます。

家庭園芸でトマトを育てる目的は、そんな完熟トマトの本来の旨さにあるのですが、そんな商業栽培用に育種されたトマトを、露地栽培するのでは一寸不向きであるかも知れません。

 

―花房を切り詰め房取りしたアイコの赤と黄色―

しかし、家庭園芸の露地栽培で、トマト本来の味が楽しめる程に上手にトマトを作るには相当の栽培経験と技量を必要とし、品種も然る事ながら、それだけの違いの出せるトマト作りが出来る方はそう多くは無いかも知れません。

 

―花房を切り詰めて大型化したアイコー

近くの区民農園等のトマトを良く見て廻るのですが、何処もかしこも過密栽培であり、多くが何らかの病虫害に冒されて居たりして、殆どが充分な摘芯や摘葉管理がされず、病害虫の発生源のような姿も良く見かけます。

それでも皆さんが、毎年繰り返しトマトを植えるのですから、適正管理どころか、トマトが少しでも成ってくれれば良しとするのがも当たり前かも知れません。トマト家庭園芸の適正な土作りや施肥量と申してもそれ以前の話と言えそうです。

 

―実の付いた新プランター栽培の大型福寿―

それでも申し上げたいのが、トマトの病害です。防除ハンドブックでその数を一寸拾って見ましたら、なんとその種類は掲載されていただけでも21種、正にトマトは病気のデパートと言える程、病害発生の多い作物です。施設商業トマト栽培は殺菌剤漬けかも知れません。

 

―葉カビ病に犯された葉の裏面―

其の殆どが、日本の高温多湿で発生する葉カビ病の部類と根部からの土壌伝染性の病源菌による導管病です。その多くが他の園芸作物と共通した病源菌ですが、今では市販園芸草花でも殺菌農薬が多く使われる時代ですから、トマト栽培でも病害発生は当然であり、とても農薬無しでは無理かもしれません。

 

―5段花房迄しっかり実の停まった大型福寿―

昔からトマトにはウイルス感染のモザイク病があり、近年は黄化えそ病と黄化葉巻病のウイルス病が蔓延していて、近くの区民農園でも見かけることがあり、直ぐにも廃棄が必要ですが、良くその儘放置されています。

 

―アタリヤの優宝―今の日本のトマトは皆同じ形―

毎年、2階バルコニーで新プランター栽培のトマトを育てて今年で10年に成りますが、安定した収量と栽培の容易さは言うまでも無く、土作りも肥料の管理も不要です。土壌に替わる専用培地は洗浄して何年も反復利用してますが、土壌伝染性の病害には全く無縁です。

唯、葉カビ病や輪紋病には悩まされ、カリグリーンとZボルドーを散布していますが、共に有機栽培での公認殺菌剤です。

 尤も昨年は、ミニトマト、「イエローアイコ」にトマトモザイク病が発生しましたが、既に4段花房まで結実していたので上部を切り取り、その儘にしたのです。 幸いに隣りに伝染もせず、其の儘収穫も出来ました。ウイルス病は、吸汁害虫を通じて伝染するので、吸汁害虫が飛来する先端部をきりとれば、感染の危険は無かったのです。

 

―新プランター栽培の取り立てのトマトを食べる孫娘―

尚、新プランター栽培でのトマトの害虫はと言えば、以外に少なく、アザミウマ、ハダニ、葉もぐりハエ等の虫害も気にならず、多いのはタバコ蛾と完熟果を放って置くと飛んで来るコガネムシが付く程度です。

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