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あまり知らない自衛隊 ゴラン高原PKO活動 勲章なき名誉

2007年11月05日 | ガンバレ自衛隊その他

 「作戦は1つ 部隊は1つ 発する声は1つ」

 シリアとイスラエル国境・ゴラン高原に展開中の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)司令官を1月まで務めたネパール陸軍副参謀総長のバラ=ナンダ・シャルマ中将の統率方針である。
「発する声は1つ」という方針は、イスラエルにもアラブ側にも加担しないという中立・公平な活動姿勢を打ち出したものだが、あとの2方針には“多国籍軍”統率の難しさが透けてみえる。

 中将を支えた司令部の幕僚たちは「参謀長」がオーストリア陸軍大佐
▽「総合兵站(へいたん)部長」がインド陸軍中佐
▽「先任(筆頭)兵站幕僚」が陸上自衛隊3佐(少佐)=「予算」担当兼務
▽「輸送」「糧食」担当はそれぞれポーランド陸軍大尉
▽「補給」担当はカナダ海軍大尉▽「整備」担当はカナダ陸軍大尉-という構成だった。

 ■軍隊にもお国柄

 国家に「お国柄」があるように、軍隊にも“軍隊柄”のような個性がある。UNDOF内部での“評価”を探ってみると、陸自がとび抜けて高かった。先々週紹介した、シャルマ中将の激賞ぶりからも、それは裏付けられてもいる。あとの軍隊はというと-。

 カナダ軍は「PKO(国連平和維持活動)先進国でノウハウを持っており、取り組みが合理的で、手順もロジカル」。ところが半面、「幕僚のテキストである『兵站指令書(SOP)』を墨守する余り融通が利かない」。
例えば、「月の第何週の終わりまでに、これこれこういう形式で補給についての請求をする-という要領が決められているが、それを提出しないと便宜を図らない。言うだけ言うと、あとはテコでも動かず、組織がギスギスしてしまう」。

 逆に、ポーランド軍歩兵部隊は「いつも時間を守らない」。
オーストリア軍は「プライドが高く、自分の所掌以外は『やらない』とはっきり宣言する」。
歴史的な経緯からか、ポーランド軍とオーストリア軍は「仲が悪い」。

 ■勲章なき名誉

 自衛官をはじめ各幕僚はそうした環境下で“軍隊柄”の違いに戸惑い、時に憤り、口論し、妥協し、理解しながら任務に向かっている。
「部隊は1つ」という、シャルマ中将の統率面での苦悩は察するに余りあるが、「1つ」でなければ、それは生命の危険に直結する。
イスラエル軍とイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが、UNDOF司令部から肉眼で見える位置に陣取り、迫撃砲弾の応酬を繰り広げる“戦場”に展開しているからだ。実際、昨夏にはUNDOF司令部が隷下部隊に退避壕への避難を命じている。

 シリアやイスラエルに通じる糧道を閉ざされた緊急時を想定し、幕僚たちは協力して対処計画を立案してもいる。協力しなければ任務遂行も、生還もできない、文字通りの運命共同体なのだ。

 ところで、PKO部隊は自国の軍服に水色のヘルメットやベレー帽をかぶることから「ブルー・ヘルメット」「ブルー・ベレー」と尊称される。
「ブルー」は、紛争や戦後処理の失敗に苦しむ国々に暮らす国民にとり「救いの色」なのだ。だが、困難と危険を伴いながら、そうした崇高な任務を見事完遂、帰国を果たしても、自衛官は天皇陛下による叙勲の名誉には浴することができない。
PKOのケースではないが、外国元首が日本との関係で功績のあった自衛官を、軍人として叙勲する例があるにもかかわらず…にだ。
それでもなお、自衛官は任務完遂を誉れとし、祖国日本の防衛と世界平和のため、引き続き黙々と任務に励んでいる。国家からの処遇を考えると「ブルー(意気消沈)」になっても不思議はないと思うのだが-。(野口裕之)

 

izaイザ

 


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