秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

経験とエピソード記憶

2015年03月02日 | 囲碁界への提言

 大人の方が囲碁を挫折してしまう原因。それは、囲碁はなかなか強くなれないから。特にご自身の実力が伸び悩んでいる時、一方であっという間に強くなる子供達を眼前にすると、自分には才能が全く無いのかと無力感に苛まれます。特に実戦経験の少ない人や、低い棋力の人によくみられる現象です。
  子供の頃は記憶力や運動能力が急激に伸びる時期ですから、比べれば敵わないに決まっています。
  しかし、人間の才能や資質とはそれだけではありません。誰しもがそれまでに積み上げてきた人生経験というものがあります。まるでちがう、それぞれの経験を活かす事こそが文化の発展には重要なのです。

  経験を積んでこそ出来る事。その一つが、≪エピソード記憶≫という手法。プロが詰碁に関しての話をする時、
「碁経衆妙で見る様な筋だな」
  という表現をする事があるそうです。碁経衆妙や碁経精妙等は難しい問題の代表、玄々碁経は頻出しやしい詰碁の代表。この様に、学んだ数多くの詰碁を記憶の中で分類しているのです。
「韓国のプロが打った新手は、実は呉清源先生が打っていた」
 これもやはり、記憶をカテゴリーで分けて、憶えたり思い出す時の手がかりにしています。心理学や記憶の研究で注目されていますが、囲碁界では長年に渡り使われてきた手法、あるいは習慣の様です。
※これはあくまでも記憶の為の手法。呉清源先生が打っていたから正しいというのではない。良し悪しの判断は別問題なので要注意。

  他にも、大ヨセと小ヨセの違いを問われた時、料理の塩少々と塩ひとつまみの違いを比べて考える。木下かおりさんが『囲碁未来』の連載で取り上げられていましたが、流石に料理教室の主催者らしい。
 この様に、些細な事を考える際にも、これまでの体験が役に立つ事があります。囲碁の難しさという問題に困惑する人は大勢いますが、それを解消するには、
≪経験とエピソード記憶≫
  が重要なヒントになるかも知れません。




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