秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

ファンの声を集める

2013年10月21日 | 囲碁と、日本の未来。
  前回ご紹介したおばさん(『しゃべりたくなる環境作り』の回)は、お孫さんが生まれてから囲碁を始めたそうです。始めてから10年程で3級になりました。その方にお会いする度、
「小林覚先生の本はいいですねぇ」
  と言う話しを必ず聞きます。
  福島県の事情を説明しますと、地元の二軒の書店には棋書の在庫は極めて少なく、郡山市や福島市の大型書店にまで出かけなければなりません。隣町で買った本の中でも日本囲碁連盟から出版された小林覚先生の本には、面白い打ち方が沢山載っていて、何度読み返しても全く飽きないのだとか。
  囲碁の上達の三要素として、
「良い師匠、良い棋書、良い仲間」
  と中山典之先生がおっしゃっていましたが、良い棋書を見つける。そして楽しみを分かち合える囲碁仲間が増えたとしたら、素人碁打ちとしては至上の幸福でありましょう。

  仮に囲碁に限っても、日本の出版環境は優れていると、中国や韓国の囲碁関係者は高く評価して下さっているそうです。藤沢秀行先生が自叙本等にて書かれていることですが、
「昔の話だが、私には身に覚えのない、私の名前がついた棋書が出回っていた」
 おそらく終戦から数年に渡る時期、人々が娯楽に餓えていた頃、出版事情も悪く棋書も少なく、昭和以前に出版されていた本が多く売られていたそうです。そんな中、何の断りもなく、プロの名前が使われていたのでしょう。

 さすがに今ではありませんが、例えば白江治彦先生から伺った話として、
「有段者向けに出題した詰碁問題が、級位者に解かれた」
  事は度々あるのだとか。原因は読者の感想が関係者になかなか届かず、棋書作製に活かしにくい為。そこで制作者自身の経験、又は都内教室の生徒さんに合わせて本を作るのだそうです。本当に良い教材を作る為には、囲碁ファンの声を今以上に集め分析する必要があるのです。
  今後はクラウド等の活用が進み地方の声も集め易くなりましょう。そうなれば囲碁界全体が活性化し発展すると思うのですが。

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