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天皇陵問題について

2006年10月30日 23時18分31秒 | 百舌鳥古墳群
 「天皇陵問題」と聞いてピンと来る日本人は少ないはずだ。なにせマスコミは皇室関係の話題には神経を使っているから決して宮内庁の悪事を槍玉にあげたりしない。
 天皇陵問題とは宮内庁が天皇陵に治定した古墳の発掘はもちろんのことフェンスを立てて立ち入りすら認めない問題を言う。このフェンスを鉄のカーテンになぞらえて 菊のカーテンと言った考古学者がいたが、今回の旅で筆者はこの菊のカーテンの現状を目の当たりにしてきた。

 そもそも天皇陵といえども古墳時代が終わるとこの国の人達は急速に古墳のことについて忘れ去り、早くも奈良に平城京を作るに当たって古墳をつぶしているのだ。戦国時代には古墳を山城に改造し、近代に入り埋め立ての土取りに古墳を崩している。現在宮内庁が治定する天皇陵も江戸末期に尊皇攘夷論が高まり皇室の祖先を敬う機運が高まったおりに日本書紀や古事記の記述を参考に<再発見>したものを明治初期に新発見に伴う若干の修正をしたものを現在に引きずっているわけで、宮内庁の主張するように初代 神武天皇から124代 昭和天皇まですべての天皇陵が現存するというのはありえないことだし、初代 神武天皇から9代 開化天皇までの9人は実在しなかったというのが歴史学での定説だ。実在しない天皇の墓があるというのはどういうことか。
 そもそも宮内庁の天皇陵治定は幕末のレベルのままで考古学の新発見などは全く加味されていないのだ。エジプト考古庁だって所定の手続きを踏めば外国の大学であってもファラオの墓を掘らせるのに、わが国の宮内庁は全くアカデミックではないではないか。
 宮内庁が天皇陵に治定した 場所の中には古墳ではなく中世の山城の跡やただの丘もあるらしい。もしそうだとしたら宮内庁は天皇陵の祭祠と称して税金の無駄使いをしていることになる。しかも 菊の代紋をバックにしているからヤクザ以上にたちが悪い。ましてやマスコミも尻込みして社会保険庁のように糾弾しないだろう。
 しかし宮内庁が全く調査を認めないから上記の説を裏付ける証拠は何もなく、また100%否定する材料もない。宮内庁が天皇陵の調査を認めないのは明治以来やってきた悪事の露見を恐れているとしか思えない。歴史学会などが宮内庁に天皇陵古墳の公開を何度となく申し入れているが宮内庁はそれを黙殺しているのが現状だ。天皇が国民の象徴になっても天皇陵に関しては「神聖ニシテ犯スベカラズ」なのである。

 今回筆者はそうした現状をより知るために最前線である天皇陵古墳を見にいったのである。作中に「~天皇陵だと宮内庁が言い張る古墳」という回りくどい表現が出てくるのもその古墳が本当に天皇陵なのか現状ではわからないからだ。古代史のブラックホールと化している天皇陵を発掘できる日がくることを筆者は心待ちにしている。

参考資料
「天皇陵を発掘せよ」石部 正志/〔ほか〕編著 三一新書
「続 天皇陵を発掘せよ」石部 正志/〔ほか〕編著 三一新書
「日本の古墳と天皇陵」陵墓限定公開20回記念シンポジウム実行委員会/編 同成社
「天皇陵とは何か」茂木 雅博/著 同成社
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